紙媒体とは?メリット・デメリット、Webとの違いや使い分け方法を解説!

紙媒体とは?メリット・デメリット、Webとの違いや使い分け方法を解説!
2021年7月13日
マーケティング

まずそもそも紙媒体とは、“情報が紙に印刷されたもの”を指し、情報を伝えるためのメディアの1つです。

そんな紙媒体は近年では、Webの台頭により紙媒体によるコミュニケーションは減少しつつあると言われています。
しかし、「減少しつつある」ものの完全になくなったわけではなく、DMやチラシ、パンフレットなどの紙媒体はいまだに皆さまの身近にあるのではないでしょうか。
むしろ“Web疲れ”なんて言葉も耳にする今、「紙媒体は徐々に息を吹き返してきている」という意見もあります。

このような意見があるとマーケティングやプロモーション施策を行う際に、

「紙媒体も使ってプロモーションしたいけど効果があるか不安」
「紙媒体は本当にもう不要なメディアなのか?」
「Webだけじゃなく紙媒体もうまく併用して成果につなげられないか?」

などと疑問を持つ方もいらっしゃるかと思います。

そこで本記事では、紙媒体のメリット・デメリットはもちろん、よく比較されるWebにも触れ、その違いや紙媒体とWebの使い分けの例も交えて解説します。

弊社は紙媒体とは切っても切れない関係の印刷会社ですが、近年はWeb領域のお手伝いもしているので、紙媒体とWebについて、両方のご参考になればと思います。

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紙媒体の種類

紙媒体には種類が豊富で“広告的要素”があるものだけでも以下の10つあげられます。

  • DM
  • 新聞
  • 雑誌
  • チラシ
  • パンフレット
  • カタログ
  • ポスター
  • POP
  • 広報誌
  • 書籍

これらの中でも、特に身近な「DM」「新聞」「雑誌」「チラシ」4つにフォーカスし特長を詳しく見てきましょう。

DM

DMはダイレクトメールの略称で、主に営業・宣伝を目的として商品やサービス・キャンペーンを紹介した印刷物をターゲットに送る手法で、紙媒体の中でもデザインなどの自由度が高く、デジタル主流の今、DM単体やデジタルとの掛け合わせで再注目されている効果が出やすいメディアの1つです。ターゲットが開封してくれるか、行動してくれるかなどデザインや設計が重要なポイントです。

■関連記事:ダイレクトメール(DM)とは?メリット・デメリットや効果をアップさせる方法も解説します!

新聞

若年層へのリーチは今一つですが、中高年層に親和性の高いのがこの新聞。未だに電車や家庭で新聞を見ている人をご覧になる方も多いのではないでしょうか。
新聞の熱心な読者は毎日欠かさず目を通しており、中高年層のユーザーにとっては信頼できる媒体の1つと言えるでしょう。

雑誌

文字の量は新聞に比べると少なめですが、その分写真やイラストが多く掲載されており、ビジュアル面での訴求がメインとなる紙媒体です。
多くの雑誌には広告枠が用意されており、雑誌によって購読者が変わることを把握した上で適切な雑誌に広告を出稿することで、狙いたいターゲットを選んで効果的なプロモーションすることができます。

チラシ

新聞の折り込み、自宅へのポスティング、街中での配布、店頭への設置など、非常に身近なチラシは普段から目にすることが多いのではないでしょうか。
配布エリアをセグメントしたエリアマーケティングや、店舗にご来店いただいた方に直接お渡しするなどのターゲティングができ効果をUPさせることができます。

紙媒体のメリット・デメリット

紙媒体のメリット・デメリット

紙媒体には4つのメリットと3つのデメリットがありますので、それぞれ詳しく見ていきましょう。

紙媒体のメリット

メリット①:信頼性が高い

なんとなく紙媒体の情報のほうが信頼ができる、というイメージをお持ちの方は多いのではないでしょうか。
紙媒体は“簡単に修正できない”からこそ発信する内容を精査し、正しい情報を届けることが重要な媒体のため、信頼性が高いイメージにつながっているのでしょう。

そのため、新聞や雑誌にサービスや商品の広告を掲載した場合、そのサービスや商品の信頼性も高まり、購入や導入を後押ししてくれる効果も見込めます。

メリット②:一覧性がある(視認性が高い)

PCやスマホでなにか閲覧するときはスクロールが必要な場合がほとんどで、一度に情報を読み取ることができません。
しかし紙媒体であれば、手に取ったときに一度で情報を読み取ることができる一覧性・視認性が高く紙媒体に軍配が上がります。

メリット③:保管性・再読性が高い

ご自宅に届くクーポン付きのチラシや、気になった雑誌を保管しておくことはありませんか?
中でも、特典があるDMやチラシは、「今すぐ購入」でなくても後から購入するパターンや、保管していたものを見つけ再認知してくれることが多くあり、Webにおける保管(スクリーンショットやブックマーク登録など)よりも優位な点があります。

このように紙媒体は“モノ”として手元に残るので、保管性や再読性が高くなります。

メリット④:紙ならではの表現ができる

紙の厚さや素材・加工などによって、与える印象を変えることができるのも紙媒体の大きなメリットです。
例えば、

  • 和菓子店のチラシには和紙風の用紙を使いブランドイメージの演出やインパクトを残す
  • ロイヤルカスタマーへのDMに厚紙や箔・ニス加工で特別感を演出する

このように、工夫1つで興味を惹いたり印象に残すことができる点は”紙だからこそ”表現できることと言えるでしょう。

紙媒体のデメリット

デメリット①:コストや時間が必要

紙媒体でコンテンツを作る場合は、印刷や製本などの工程が存在するので、これらの“モノを作る費用”が必要になります。
これまでは、その工程があることで情報発信のスピードにも限界がありましたが、オンデマンド印刷など印刷技術や流通の進化により、Webに迫る早さで印刷物をスピーディーに届けることもできるようになってきています。

デメリット②:修正のハードルが高い

紙媒体は、一度発信してしまうと容易には修正ができません。Webであれば間違いに気づいたときにサーバ上のデータを修正することで、正しい情報に差し替えできますが、紙媒体で修正したい場合は再度印刷し再配布する必要があるため、コストや時間が発生してしまいます。

しかし、簡単に修正ができないということは、逆に情報の信頼性の高さの裏付けにもつながっています。

デメリット③:情報掲載量に上限がある

紙媒体は、紙面の大きさという掲載できる情報の上限があります。一方Webは、どれだけ情報を掲載しても、スクロールしたり新しいページを追加したりして、上限なく情報を掲載することができます。

つまり、紙媒体の場合は「どんな情報」を「どれくらい」掲載するかという、情報の取捨選択と編集がいっそう重要となってきます。

*Question* 紙で効果測定したい場合はどうすればいいの?

紙媒体で効果を可視化したい場合は、QRコードを活用しましょう!
遷移先をLP*などのWebページにしたQRコードを紙面に配置し、ユーザーがQRコードを読み取ることでアクセスが発生、紙でも効果測定を行うことができます。
*LP=Landing Page。広告や検索結果を経由して訪問者が最初にアクセスするWebページのこと。
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Webの台頭で減少傾向にはあるものの、Webにはない「信頼性の高さ」や「視認性の高さ」など生かして、様々なシーンで活躍している「紙媒体」。 そんな紙媒体の有効性…

Webのメリット・デメリット

Webのメリット・デメリット

Webには4つのメリットと2つのデメリットがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

Webのメリット

メリット①:掲載情報をすぐ変更できる

Web媒体は、Web上のコンテンツをリリース後に間違いを発見したり、掲載内容の変更が必要になった場合でも、その場ですぐ変更・修正ができます。
この柔軟な対応ができるのもWebならではのメリットです。

メリット②:情報発信にお金がかからない

Web媒体はPCやスマホ、SNSやブログ(CMS)などのプラットフォームがあれば、誰でも無料で情報発信でき、その際のお金がかかりません。

Web広告やWebメディア掲載などは有料ですが、基本的には印刷物のように印刷や製本、流通などは不要なので情報発信という観点だけで見るとコストパフォーマンスに優れていると言えます。

メリット③:商圏に限りがない

Webはインターネットで全国・世界中とつながることができるので商圏に限りがなく、世界中どこにいる方へも今すぐに、情報発信しコミュニケーションをとることができます。

メリット④:効果が可視化できる

Webでは、どのくらいの反応や成果があったのかなどが全て数値として出るので効果の可視化ができます。
その数値を元に分析しPDCAを回すことで、効率的かつ、効果のあるマーケティング・プロモーション施策が実現できます。

Webのデメリット

デメリット①:効果の即時性がない

先ほどメリットで「情報発信にお金がかからない」とお伝えしましたがその分、競合や類似情報が多く、Webは効果が出るまで時間がかかるとされています。

少しでも早い効果を狙うなら、Web広告など、ターゲットを絞って接触機会を増やす有料サービスの利用も検討に値するでしょう。

デメリット②:離脱されやすい

Webサイトにアクセスしても、欲しい情報が見つからなければ、すぐ別のサイトに移られてしまいますよね。Webは、紙媒体とは違い手元に“モノ”として存在しているわけではないので、欲しい情報が見つからないとすぐに離脱されるという傾向があります。
サイトに滞在し、ページを読んでもらうには、ユーザーが欲しいと思う情報を見つけられやすくする工夫が必要です。

紙媒体とWeb媒体の違いは主に4つ

紙媒体とWebの主な違いは以下の4つが挙げられます。

  • 掲載できる情報量
  • 視線の動き
  • レイアウト

違い①:掲載できる情報量

掲載できる情報量については、紙媒体は紙面サイズが限られているので、情報量に上限があり、Webはスクロールやページ遷移をさせることができるので情報量に上限がないといった違いがあります。

紙媒体には限られた「紙面に情報を適切に配置する工夫」が、Webでは「離脱されないように読み進めてもらう工夫」が必要です。

違い②:視線の動き

実は、ページを読む視線の動きも、紙媒体とWebでは変わってきます。

紙媒体の視線の動きは「Z型」と言われており、紙面に対して、左上→右→左下→右とZの動きで視線が動く特徴があるため、重要な情報ほど左上に近い順で掲載することが定石です。

一方Webの視線の動きは「F型」と言われており、初めに左上を見てその後右を見る→少し下に移動して右を見る、といったFの動きで視線が動きます。
ただ、Webの場合は最初に表示されたページの全体を把握するため「Z」の動きをしてから、詳細を見ていく「F」の動きになるという特性もあることを覚えておきましょう。

違い③:レイアウト

紙媒体の場合は、紙面サイズを考慮したレイアウト構成を考える必要があります。
視線の動きも重要になってくるので、「Zの動き」を念頭に起きながら、文字や画像などの素材を配置してデザインを表現するようにしましょう。

一方WEBの場合、視線の動き(「Z型」と「F型」)を考慮するのももちろんですが、PC・タブレット・スマホなどのデバイスによって画面サイズやレイアウトも変わるため、レイアウト構成後に全デバイスで正しく表示されるかという検証作業が必要となります。

また、現在ではどのデバイスで見てもレイアウトが崩れない「レスポンシブ対応デザイン」が必須であり、特に閲覧者の多いスマホ画面のデザインに気を配る必要があります。

違い④:の見え方

紙媒体とWebでは色の見え方(表現)も変わります。

まず、紙媒体は“CMYK”のインクで紙に色を表現し、全体に落ち着いた色合いになります。
CMYKとは、Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)の印刷の三原色に、Key plate(黒)を含めた色のことで、CMYKは混ぜていくと最終的に黒に近づきます。

一方Webでは、“RGB”でディスプレイに色を表現します。全体に鮮やかな発色です。
RGBとは、“光の三原色”のRed(赤)、Green(緑)、Blue(青)で、混ぜていくと最終的に白に近づきます。

そもそもなぜ紙媒体とWebで色に差があるのかというと、目に届く光に違いがあるからです。
CMYKは光が紙に当たり反射して目に届きますが、RGBは発光するディスプレイから直接光が目に届きます。
そのため、暗闇では印刷の色(CMYK)は見えませんが、Web画面の色(RGB)は暗闇ではいっそう鮮やかに目に映ります。

ちなみに、RGBで表現できる色がCMYKでは表現できないといったことも多々あります。
特に蛍光色や明るいオレンジ色などはCMYKでの再現が難しく、プロモーションを実施する際に同じビジュアルをさまざまなメディアで展開する場合の色の表現は細心の注意が必要です。

■関連記事:【色について】RGBとCMYKの違いとは?特徴や変換方法なども解説!

このように、紙媒体とWebでは大きな違いがあるため、紙媒体とWeb両方を制作する際は「どちらも対応できる会社」に依頼すると失敗しにくいでしょう。

紙媒体とWebの使い分けの例

ここまで紙媒体とWebのメリット・デメリット、そして違いをお話しましたが、紙媒体とWebはどのように使い分ければよいのでしょうか。

それは、当たり前に思われるかもしれませんが「ターゲットや目的によって使い分ける」ということです。

紙媒体が有効なのにWebを使ったり、Webが有効なのに紙媒体を使うなどのミスマッチが起こると施策の成果が出にくくなります。
そうは言っても、イメージしにくい部分もあるかと思うのでここでは3つの例をご紹介します。

例1:シニア層向けにジム入会促進するためのアプローチ

シニア層はあらゆるメディアの中でも紙媒体に親和性が高く、申込みや問合せなどの行動も取りやすい傾向があるので、チラシやDMなどの紙媒体でジム入会促進を訴求

例2:学生向けにキャンペーン告知し再来店を促すアプローチ

日頃からWebでの接点が多いデジタルネイティブな学生には、店舗ブログ・Web広告・LINE・メルマガなどといったWeb施策にてキャンペーン告知を行い、再来店を促進

例3:企業の中間管理職向けに若手教育ソリューションのアプローチ

Webでの情報発信による接点を増やし、興味関心が高くなったタイミングを見計らってDMなどの紙媒体で訴求するWeb×DMのクロスメディアで効果的にアプローチ

上記の例のように、紙媒体・Webのどちらか片方だけのパターンはもちろん、紙媒体とWeb両方を駆使して効果を最大化するクロスメディア施策など、ターゲットや目的によって紙媒体とWebを使い分けることが大切です。

■関連記事:クロスメディアとは?メリットや活用事例、メディアミックスとの違いを理解してマーケティングの効果UP!

まとめ

今回は、紙媒体とWebのメリット・デメリットや違いを中心に解説しました。

内容をおさらいしていくと、それぞれの媒体にはメリット・デメリットがあり、大切なのはその特長や違いを理解し、ターゲットや目的を踏まえたうえで「紙媒体かWebどちらかのみ」「両媒体を併用する」などと適切に使い分けることが重要です。

そうすることで、それぞれ媒体の優位点を最大に活かすことができ、顧客が必要としているタイミングで適切なコミュニケーションを実現できるので、結果的にプロモーションや営業活動の効果をUPさせてくれることでしょう。

紙媒体かWebか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

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