~未経験からのマーケティングチーム立ち上げ奮闘記Vol.3~

~未経験からのマーケティングチーム立ち上げ奮闘記Vol.3~
2022年9月15日
中の人ブログ

今回の記事はVol.3ということで、前回の「~マーケティングチーム立ち上げ奮闘記Vol.2~」の続きとなります。

まだご覧になっていない方は、経験を赤裸々にお話させていただいているのでぜひ見てみてください。

更なる補強(2019年8月)

前回、人員不足というリソース問題はS君の転籍によって解決したかと思いきや、またしても人員不足という課題が出てきてしまいました。

その課題を解決するために再度エムエム総研に相談をしました。

その結果・・・・またしても予期せぬ提案をいただきました。

それは「エムエム総研から2人目の出向人員を用意する」という提案でした。

プロジェクトのために人員を補強。

それは当然の話であることは理解しており、弊社もそれに伴う組織編制などは行ってきました。

ただし、それは社内人事での話。

前回の「出向による補強」のような外部が絡むようなことは例外的だったと思っていたので、何度も外部から補強するなんて考えすらありませんでした。

しかし、今回は前回に比べ不安などは全くありませんでした。
なぜなら、出向から弊社に転籍してくれたS君が優秀だったので、「エムエム総研だったら今回も優秀な人をマッチングしてくれるだろう」と期待が持てたからでした。

そしてほどなくして、2人目の人員補強としてS君より1つ年下のY君が来てくれました。

Y君は直前まで出向という形で大手企業で常駐業務をしており、エムエム総研に在籍する以前には全くの別業界で色々な経験をしていたとのことで、今までの弊社には全くいないタイプの人材だったので楽しみでした。

こうして、エムエム総研から2度目の補強によって当時の人員不足問題は解消されました。

S君同様に、Y君もこれまで印刷とは無縁の業界で働いていたので、業務内容や印刷業界のあれこれのレクチャーからスタートしていきました。それらをインプットしてもらいながら、S君の業務をフォローしてもらい、徐々に体制面の構築を進めていきました。

マーケティング室として自走するための準備(2019年10月~12月)

地道な業務の積み重ねを繰り返し、2020年1月からマーケティング室として自走するための準備も完成に近づきつつありました。

ここで、どんな準備をしてきたかを少しご紹介します。

3か年計画とロードマップの設計(2019年10月~)

2020年1月のマーケティング室立ち上げに向けて目の前のイメージは完成しました。ただ、組織の立ち上げなのでもっと広い視野で考えようと思いみんなで意見を出し合いました。

その一つの中に大きな枠組みの形成として、マーケティング室の役割を3年計画として立案し、その計画達成に向けてエムエム総研の意見も借りながらロードマップを作ることに。

実際のロードマップの全体像です。(かなり詳細が書いてあるためぼかしで申し訳ありません)

更に、細かい部分では週単位・月単位で予定を立て、その進捗を常に共有し皆でPDCAを回す。これをルールとして決めました。

当たり前のことと思われるかもですが、これを自分たちで出来る目途がたったことで伴走支援がなくても自走できる自信にも繋がりました。

メルマガ配信などが習慣化し始めた(2019年11月)

この頃になるとほぼほぼ自走出来始めてきていました。

これまでは、エムエム総研から催促されないと出来ていなかったメルマガの準備や、スケジュールも事前に準備を行えるようになり、メルマガ配信後のリスト整理なども習慣として身に付くようになってきました。

2022年現在やっている内容に比べたら最低限のレベルかもしれませんが、当時できることを精一杯取り組みながら自走するための準備が完了しました。

MA検討(2019年12月)

3か年計画やロードマップを作り来年に向けてメンバーや役割も固まりました。その中で課題としてまたもやついて回ってきたのが(もう何度目かの)“リソース不足”でした。

人員が3人(うち私は営業兼務)のマーケティング組織なので、“マーケティング組織立ち上げあるある”かもしれませんが、やりたい業務に対してリソースが全然足りていない。

Y君が出向してきてくれたことで以前よりはマシな状態になったので、人員を追加するというよりは、”少ない人員でも効率的なマーケティング活動をする”方向性で考え、これを実現するために何かデジタルツールを導入しようと意見が出ました。

その中で意見として出たものとしては、まずは効率化を目的とした「メール配信ツール」となるものを導入しようと決めました。

少し補足すると、当時の弊社に革命をもたらした「Sansan」でもメルマガ配信はできたのですが、弊社の思い描くメルマガ配信には少し不向きという意見があったため、メルマガ配信を効率的かつ、効果的に運用でできるツールを検討することにしました。

そこで、エムエム総研やツールベンダー各社から色々な意見を聞いて比較検討した結果、メール配信だけじゃなくWebトラッキングなどもできてスタートアップにはうってつけの「Kiros3」というMAツールを使うことに決定しました。

もしこれからメール配信ツールかMAを導入しようと考えている方は「MAとメール配信ツールの違いとは?どちらを選ぶべきかの基準も解説!」の記事が役立つかもしれないので、こちらも見てみてください。

“マーケティング室”に昇格(2020年1月)

2020年、この年のスタートから我々は「マーケティング準備室」→「マーケティング室」という社内組織の中に新設部署として設立されました。新設部署の室長という立場は私自身のモチベーションを上げてくれました。

もちろん、マーケティングの知見が凄くあるわけでもないし、何ならS君やY君の方が知識もありマーケティングスキルはありました。なので名前負けしている感は否めなかったですが、「俺は営業とマーケティング業務をハイブリッドで行い、彼らと一緒に成果を出していこう!」と野心と希望に満ちていました。

年計画スタート(2020年1月)

組織を立ち上げた経験がない私をサポートしてくれた2人の助言もあって、マーケティング室では1組織としての短期的な目標とは別に、マーケティング準備室の時に決めた「3か年計画」という中長期的な目標を定めることに決めました。

その”中長期的な目標”の内訳ですが、まず初年度は「インサイドセールス活動の社内で確立」をスローガンとして掲げることに。

これは昨年まで準備し、我々の中で実行していたことを営業部全体(ここ大事です)の動きとして確立していくこと、これを目標にしていきました。

コロナ禍へ(2020年2月~3月)

MAツールの運用において使いだしは苦戦するかと思いましたが、初心者でも使いやすいUIであったこともあり意外と使いこなせていました。
このまま効果的な使い方をして、営業部へ展開するためには良いスタートを切れた!

と思っていました。

しかしながら・・・思わぬ事態が発生。

そう、コロナ禍への突入であります。

この頃の弊社は、

「今年の展示会出展はどうする?」

「マーケと営業部門の連携をどうやってやる?」

という攻めの方策について色々な話をしておりましたが、それが

  • 出勤停止
  • 在宅勤務
  • 時差出勤
  • テレワーク

といったように我々の勤務体系も変化していきました。

当時の弊社は先進的なIT企業のように会社以外で働く環境が整っておらず、テレワークや在宅勤務など環境が完璧に揃うには少し時間がかかってしまい業務効率が落ちてしまっていました。その業務効率が落ちてしまったことで、私自身が営業の手配業務に手を取られることが多くなりました。

このように、勤務体系が変わったことでの我々マーケティング室も大きな影響を受けました。

もちろん影響は私だけではなく、S君やY君も慣れない在宅勤務でPC環境が悪化、それに伴って業務にも悪影響が出たりしました。

一番の悪影響としては、「マーケティング室という1組織としてこれから活動を軌道に乗せていくぞ!!」
というタイミングで在宅勤務になってしまったことで、3人のコミュニケーションも不足になりがちになってしまいました。

そんな中、1点嬉しいことが・・・

それは、昨年10月から出向で来てくれていたY君もS君同様に、そのまま弊社に転籍してくれることになり、戦力が更にアップしたことです。

コロナ禍も影響しコミュニケーションも不足してしまっていたこともあって、Y君の選択はどうなるんだろう?と内心ハラハラしていていましたが、Y君が転籍してくれることを知り少し希望が見えました。

在宅勤務期間の葛藤と打開策(2020年4月~5月)

今でこそ在宅勤務でもリモートでも一定の業務が行える環境が整っているため業務上問題はありませんが、先述の通り当時はまだまだ試行錯誤段階でした。

自宅や自宅近辺でとして業務を行うも、リモートが切断したり周囲が気になったりで集中力が続かない。それは世の中の多くの方が感じていたのではないでしょうか。
(それでも会社や上司の手前もあって「生産性が落ちて業務が滞ってます」とは言えない空気感。)

私もそうでしたが、慣れないビデオ会議ツールに悪戦苦闘していたり、会社によってはお客様へ訪問することができなくなった営業部門はかなりやることが限られてしまったり・・・
そんな方が多いのではないかと思います。

何とかこの環境を打破すべく営業部門もマーケティングも悪戦苦闘していた中、一つの大きな業務を行うことが方針として発信されました。それは

「顧客のデータベース整理」でした。

弊社でいうところSansanの整理です。

実は、ここまでSansanを導入したのはいいものの、Sansanのデータ整理を全社的に浸透させることができていませんでした。

SansanのデータをMAに紐づけしていることもあるため、データ整理ができない限りメルマガ配信の精度や分母は上がらない。そんな課題は解決できていませんでした。

しかし「顧客のデータベース整理」という方針が打ち出されたことで状況が一変しました。

トップダウンの後押しもありこのタイミングが最大のチャンスと捉えて、この会社に出社できない在宅勤務期間(緊急事態宣言下)に徹底してSansanにある名刺データの整理を行いました。

インサイドセールス対象の拡充(2020年5月~10月)

在宅勤務期間中の2020年5月に顧客のデータベース整理を行ったことで、MAへ大量の顧客データの連携を行いました。

コロナ禍前はマーケティング室管轄で所有していた顧客リスト約1,600件をインサイドセールスの対象としていましたが、営業部が在宅期間中に整理してくれた顧客データをインサイドセールスリストに加えてくれたことで、インサイドセールスによるメルマガ配信分母が飛躍的に増えました。
(件数は後ほど・・・)

この分母数増加は、今まで考えつかなかったくらい“情報資産の価値”を感じた瞬間でした。

メルマガ配信の分母が増えたことで反応をいただく母数も上がり、新たなリストにメールを送れば、予期せぬ返信いただいたり、案件相談していただいたり、数十年前の関係値を思い出していただいたりと、我々が想像つかないくらいの反応をいただきました。

その反応が営業にも伝わり「それなら私も」とインサイドセールス対象を増やしていくという好循環が生まれました。

社内でインサイドセールス活動浸透のために徹底したこと(2020年5月~10月)

インサイドセールス活動を社内に拡充させるにあたり私たちがしたことはズバリ、「社内への徹底」です。

では、どんなことを徹底したかというと大きく2つありました。

徹底したこと①「“丁寧な”社内向けのマニュアルを作成」

1つは「“丁寧な”社内向けのマニュアルを作成」です。

弊社の営業部員の年齢層は幅広くそれゆえ、ITスキルもばらばら。

そういったいろんな人たちがいることを考慮し、目線を合わせた“誰でも分かるマニュアル”を複数作成し、Sansanへのタグ付け追加などをスムーズに行えるようにバックアップしました。

(ちなみに、手前味噌で恐縮なのですが、弊社は「誰がみても見やすい・わかりやすいマニュアル制作」は大の得意分野なので、もしこの記事をご覧いただいている中にマニュアルに関してのお悩み事がある方があれば、お気軽にご連絡くださいませ。)

徹底したこと②「インサイドセールスの好事例の共有」

そしてもう1つは「インサイドセールスの好事例の共有」

私自身も営業を兼務しているので分かりますが、ハッキリ言って今まで行っていなかった顧客データの整理は面倒くさい。理由や理屈も分かるけど兎に角面倒くさい。

なので、そんなネガティブマインドを払拭しないといけない。

そこで私は「好事例(成果)の共有」がいいのではないかと考えました。

インサイドセールス活動による好事例を共有を実施したことで、こういった事例は営業メンバーには魅力的に映り、(少し極論ですが)インサイドセールスを行うことで

  • 「営業が何もしなくても案件が降ってくる!」
  • 「関係が途切れていたお客様からビジネスチャンスをいただける」

そんなマインドを少しずつ持ってもらえるようになり、それが好循環としてインサイドセールス対象のメール配信先のリスト母数が増えました。

同時に、マーケティングって想像以上に泥臭いことの積み重ねなんだな~と改めて実感しました。

社内への徹底にこだわった結果

インサイドセールスを社内に拡充させるために

  1. 「”丁寧な”社内向けのマニュアルを作成」
  2. 「インサイドセールスの好事例の共有」

上記2つの活動を徹底して行った結果、当初インサイドセールスの対象分母が1,600件だったものを

10倍の16,000件まで増やすことができました。

この16,000という件数になったのは、弊社が今年で76年という老舗の印刷会社であることも少なからず影響しているとは思いますが、マーケティング・インサイドセールスを行う上である程度の母数が必要な中で、この変化は大きなものとなりました。

この16,000件の活用や、マーケティング室1年目の活動・成果~今現在に至るまでは、次回の記事でご紹介できればと思いますので、楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。

▷関連記事

お気軽にお問い合わせください

TEL:03-3269-6331

受付時間 9:00 -17:00(土・日・祝日除く)