今回の記事は前回の「齢40過ぎて初めてマーケティングを始めた話~マーケティングチーム立ち上げ奮闘記Vol.1~」の続きとなります。
まだご覧になっていない方は、見ていただいた方が今回の内容がスッと入ってくると思うので、よかったら見てみてください。
目次
馴染めない言葉に悪戦苦闘(2018年10月)
突然ですが皆さんは、マーケティングでよく聞く以下の用語10個について、どれくらい知ってるor理解されてますか?
- ペルソナ
- カスタマージャーニー
- ニーズ・ウォンツ
- エンゲージメント
- ベネフィット
- セグメント
- ターゲティング
- オムニチャネル
- 3C分析
- 4P分析
●10個全て理解している方
→素晴らしいです。そんな方からすると今回の内容はもしかしたら役立つ内容ではないかもしれないので、お時間ある方だけでもご覧ください。
●半分くらいしかわからない方
→この記事の理想読者様です。きっと役立つ内容あると思うのでぜひ最後までお付き合いください。
なんでいきなりこんな話をしたのかといいますと、当時の私には上記の用語の意味が全く分からないくらい“超”が付くほどのマーケティング初心者だったわけです。
何なら聞いたこともない言葉がほとんどでした。
それでも20年間ビジネスパーソンとしてやってこれたのには理由があります。それは、「用語を知らなくても業務が成り立っていた」からです。
印刷業界だからか?弊社だからか?業務の中で使う機会がなかったから?
理由は自身でもはっきり分かりませんが、業務が成り立ってた以上、この用語を覚える必要性がなかったんでしょうね。
極論ですが普段使わないような用語を記憶するよりも、目の前のお客さん=案件対応に精力を傾けていたんだと思われます。
何にしてもマーケティング業務に関わるまでほぼ聞いたことない用語だらけで、普段使わないからなおさら本当に本当に馴染めない言葉でした。
今でもたまに
「何故こんなにカタカナ用語があるんだ!」
「日本語だと簡単なことを難しくすんなよ!」
って思うこともちらほら。
しかも上記に挙げた10個はほんの一例で、マーケティング業務をしていると、どんどん会話の中でマーケティング用語が増えていきます。用語が理解できていないことでなんのことを言っているのかわからないこともあって、話の内容理解がしんどくなりました。
だからと言って一回一回話を途切れさせて、用語の意味を聞くのも申し訳ないし、恥ずかしいし・・・
とまあまあしんどい時期でした。
それでも繰り返し出てくる会話の中で覚えるようになって、今では用語の7割くらいは何とか理解できるようになりました。
なので、今用語をよく理解できていない方も、反復することで自ずと理解できてくるので焦らずに必要最低限から覚えていきましょう。
定例ミーティングの実施(2018年10月)
前回2018年10月からようやく「研文社版インサイドセールス」がスタートしたわけですが、エムエム総研とはマーケティング組織を準備するにあたってほぼ毎週行っていたことの1つに定例ミーティングがありました。
議題としては、ゴールを決めてそれに向けた
- スケジュールの進捗共有
- エムエム総研から指示された課題(準備)
大きく分けてこの2つを議題に毎週定例ミーティングを行ってました。
ここで言う弊社のゴールとは「2020年1月までに、マーケティング活動を自走できるようにする」ということでした。
2018年10月から行ったメルマガ配信はまさにマーケティング活動の第一歩であり、エムエム総研が「一緒になって考え、アドバイスをくれて、なんなら手も動かしてくれる」という形=横について一緒に走ってくれる”伴走”での実現でしたが、ゴールである“自走”とは完全に弊社だけで行うことでした。
この頃は、2020年1月から自走というゴールを目指しひたすら準備をしていました。
具体的な準備(2018年11月~2019年3月)
準備を進めていきインサイドセールスによるメルマガ配信を行う際に一番悩んだことは、「どんな情報を発信するか?」でした。
印刷会社なので印刷に関する情報発信は当たり前かと思われそうですが、半分合っていて、半分は違っていました。
なぜなら、印刷に関する発信ネタはそれなりのレパートリーはありましたが、我々はメルマガ配信に関しては恐らく後発の部類だったと思われるので、
- 当たり障りない印刷の情報発信だとお客様の印象に残らないのでは?
- とはいえあまり印刷に関係ない情報だと、弊社のメルマガに興味すら持たれないのでは?
と、色々と葛藤があったからです。
なので、「弊社からどんな情報を発信できるか」またそれは「どんなお客さんのニーズがあるか」の情報の整理を行いました。
「ニーズを考えた上で発信したい情報を整理し、その中から最適な情報発信内容を決めて、それをスケジュール立てして配信する」
今となっては慣れてきたので苦にならない業務ですが、当時は発信内容に自信もなかったので結構苦戦しました
また、メルマガ配信の内容以外にももう1つの準備を進めていて、それは「顧客リストの整理」でした。
当時の弊社は、名刺情報を現物保管のみというアナログ管理をしていたので、メルマガ配信を行うためにもデジタル化へのシフトが必要だったわけです。
デジタル化といっても、当時は名刺管理ツールなんかなかったので、ひたすらエクセルに入力してデータ化して、データ化されたメールアドレスへひたすらメルマガを送っていました。
(メルマガ配信のボリュームについては、のちのちカウントして判明しましたが、当時我々が扱っていたリストは約1,600件となっていました。)
今なら名刺管理ツールの一択(仮にアナログ入力を行うとしてもアウトソーシング)で検討していたと思うのですが、当時は名刺のデジタル化を人力で行っていたので、まだまだアナログ感が拭えていませんでしたが、それでも少しずつ前進していきました。
湧き出てきた2つの問題(2018年11月~2019年3月)
メルマガ配信する情報の整理もできつつあり、配信先リストも増えつつありました。順調に進んでいるように思っていましたが、程なくして2つの困難を迎えることになってしまいます。
まず問題の1つ目が「弊社が配信する情報」×「その情報のニーズがありそうな先」この母数が商材によって極端に差が出てしまっていたことです。
例えばですが、ダイレクトメールのサービス情報を配信したいと考えても、リストの中にニーズがありそうなお客様がいない。
こういったケースが多々あったので結局配信する内容が限られてしまっていました。
もう1つの問題は「顧客リストの精度と数」。
先述の通り、リストは人が手入力で作成したので、やはりどうしても精度が低い状態でした。
精度を上げるためにも、リストに間違いがあれば修正を都度繰り返しで行っていたので、リストとして活用するまでにとても時間がかかりました。
数としては約1,600件と、手入力でのデータ化・アナログ配信での数としては少なくはないですが、インサイドセールスのアプローチ分母としては決して多くなかったと思います。
初期はこの2つの問題に悩まされながら進んでいました。
人的リソース不足というさらなる障壁(2019年3月)
先ほどの2つの問題が解決しないままではあった弊社に、更に追い打ちをかけるように大きな問題に直面してしまいました。それは・・・
Kさんの退職。
Kさんは元々他の業界に興味がありその業界に入るチャンスがきた、と本人の希望もあってのことなので快く送り出すことにしました。
しかし、弊社としてはマーケティング業務だけでなく営業としても優秀で大きな戦力ではあったこともあり現実的には大きな戦力ダウン。
当時の私の心情は「本当に困った。」ただこれだけ。
だからといって何かしら打開策を考えなくてはならない。
色々思考を巡らせた結果、Kさんが在籍しているうちに何か策を講じないと、と考えついたのは2つありました。
1つは「他部署からの補強」。
営業部や間接部門から異動してきてもらうことなども検討しましたが、悲しいことに当時の私はそこまでの発言力がなく、活動内容に自信を持っていたわけでもないので「他部署から補強してでも強化すべき!」とは言えなかったのです。
また補強したところで、1からマーケティング知識を積み上げて戦力として育てるとしてもそれだけ組織の立ち上げが遅れるリスクがある。
なので、この考えは断念しました。
そしてもう1つは「現有戦力のまま進める」こと。
社内的に波風を立てずに進めるためにもこの案も検討しましたが、Kさんの営業案件を私が引き継ぐことになり、私自身のキャパがオーバー気味に。営業として日常対応する分には問題ないが、マーケティング組織の立ち上げのことを考えるとKさんの穴を埋める補強がないというのは現実的ではありませんでした。
なので、藁にもすがる思いでエムエム総研に上記の2つが難しい旨を相談しつつ、何か解決策を探ることにしました。
予期せぬ解決策(2019年4月)
Kさん退職後のベストな解決策がないまま少し経過しましたが、しばらくしてエムエム総研から以下のような予期せぬ打診をいただきました。
エ「御社のリソース不足の件ですが、“転籍”っていう選択肢があります。今御社に常駐しているSに(研文社への)転籍の話をしたら快く承諾してくれましたよ!」
と。
私「!!!!!」
今思い返しても希望が見えた瞬間でした。
当時のS君は出向という立ち位置で業務を行ってくれており、毎日常駐してくれていたので、転籍したからといって業務内容が大きく変わるとかではありませんが、転籍となると色々と異なる部分が出てきます。
まず社員になるため、給料は弊社が支払うことになります。そのため残業代含む給与体系は弊社規定に則られます。だからといって特別残業が多くなったとかではないですが、残業を頼みやすかったのは事実でありました。
また、弊社の社員の一員になってくれたことで、社内ルールや社内業務の理解を更に深めてもらえる機会が増え、それが業務にも好循環をもたらしていました。
この時、やはり出向での業務委託と社員としての業務遂行では私含め、色々な人や局面で違いがあったと当時認識しました。
こうしてS君が社員になってくれたことで、完全ではないとはいえ、Kさんの退職のダメージを最小限に防ぐことができました。
名刺管理ソフト導入(2019年5月)
問題続きだった状況から光が見え始めたこの頃、ある大きな1つの武器を手に入れました。
それが「名刺管理ソフト」 です。
名刺管理に関して長い間、個人での管理を行っていたので、ほとんどデータ化されていなかったものを、メルマガ配信に伴い一部がデータ化されました。
データ化されたとは言っても私が所属しているチームの所有名刺の約1,600件だけであって、弊社全体の名刺枚数の中ではごくわずか。
そのような母数(1,600件)では今後マーケティング活動を強化していく中では厳しいと感じていましたが、それでも我々だけでは解決できる策はなく悩んでいました。
そんなときに社長から
「顧客データベースを作成したいならツール導入すればいいやん!」
「SansanのCM観たけど、あれええやん!」
と、天の声が下りてきました。
こうなったときの弊社は動きが早いです。
コストがまあまあかかるため一部からは反対意見がありましたが、マーケティングを行う上では、顧客のデータベース化は必須。なので、S君を中心にSansanの取り扱いについては必死に覚えました。
そして、Sansan導入によって顧客データを管理するためのプラットフォームを手に入れることができ、Sansanは今となっては我々のマーケティング活動に欠かせないツールの1つになりました。
Sansanがもたらしたこと(2019年6月)
Sansanを導入したことで、弊社のインサイドセールス活動に大きな変化が生まれました。
Sansan導入前は、年に1回外部での展示会に出展しており、そこで名刺交換させていただいた名刺情報のデータ化にもかなり手間を要していました。しかも、その割には人的入力ミスなどで顧客データベースとしての精度が高くなかった状態。
一方Sansan導入後、スキャンデータは我々の手入力に比べ圧倒的に精度が高く、入力時間も短縮され、業務効率が飛躍的に高まりました。
導入前後の工数や精度だけを見ても導入による価値が高いと感じてました。
また、名刺データ作成の精度とスピードがアップしたことで、メルマガ配信にも好循環が生まれました。
とはいえ、まだまだ今現在のメルマガ配信の精度やスピードにたどり着くまでにはもう少し時間がかかるのでありました・・・。
1組織として“準備室”に昇格(2019年7月)
色々な変化がありながらも少しずつステップアップしていた中で、ついに新たな展開が生まれました。それは組織として独立した「マーケティング室」の設立です。
当時の我々の組織内の立ち位置としては、マーケティング業務を行う傍ら、「開発営業部」という新規開拓を担う営業部署の中で“別ミッションを行っている人たち”という感じでした。
これが「室」という1組織として独立する意味としては、自分たちの活動が会社内で地位として確立されるという意味でもありました。
設立予定日は当初の「マーケティング活動を自走する」とゴール期日として決めていた2020年1月、そのための準備室が2019年7月に設置されました。
そんな準備室の設置に伴い、2つ変わったことがありました。
1つはN部長の帰阪。
N部長が居なくなったことで、何かあったときの相談相手や報告相手が、社内でも一番の多忙を極める社長になってしまいました・・・。
2つ目はリーダーへの昇格。そもそも私とS君の2人の部署なのであまり気になりませんでした(笑)。
半年後を見据えた動きと更なる問題(2019年7月)
Kさんの退職、S君の転籍、N部長帰阪と大きな出来事が続き、マーケティング準備室は私とS君の2人体制となりました。
そして、2020年1月にマーケティング室が発足するとともに、エムエム総研からの伴走支援は2019年いっぱいということが決定しました。
残された時間は限られていてやらなきゃいけないことは山積みでしたが、エムエム総研が組織の骨格を形成してくれていて、そこに私とS君が肉付けをしていき、組織としてどういったことをするかという点が朧気ながら見えてきました。
しかし、ここにきて“人員不足”による動きの鈍化が徐々に目立ち始めました。
S君が転籍してくれたことで人員不足に対して一度は光が見えた人員不足問題でしたが、目の前の業務やタスクを鑑みたとき、またもや人員不足という現実に直面したわけです。
N部長とKさんが抜け、営業としての人員が単純に減っていただけでなく、マーケティングの準備をするための人員も減ったわけであって、非現実的なリソース問題をどうすればいいか。
そこで再度、エムエム総研の伴走支援を延長する選択肢など含め、エムエム総研へ相談することにしました。
つづく・・・
▷関連記事