店頭などに並べられている数ある商品の中から自社の商品を選んでもらうためには、消費者が最初に目に入るパッケージでいかにその商品の魅力を伝えられるかが重要になります。高品質な商品もパッケージデザインが適切でなければ、その価値を最大限に発揮できません。そのため、商品パッケージデザインは商品の売上を左右する大きな要素の一つになります。
本記事では、商品パッケージが重要な理由や作る際のポイント、他社と差別化できる商品パッケージについて紹介します。
目次
商品パッケージとは
商品パッケージとは、商品を覆う外装、つまりパッケージそのもののデザインのことです。
また、パケ買いという言葉があるように、商品が消費者に届くまで、そしてその後も商品の価値を伝え続けます。視覚的な要素以上にブランドのメッセージを効果的に伝えることができるため、パッケージデザインは、商品の購入意欲を高め、企業価値を高めるのに大きな役割を果たします。
商品パッケージが重要な理由

単に商品を保護するだけでなく、ブランドのメッセージを消費者に伝えることができます。また、環境を意識したパッケージデザインは、現在の消費者社会で益々重要になってきています。
商品パッケージは、消費者の意思決定を引き立てる重要な役割を果たします。
消費者の購買意欲を左右する
商品パッケージは、消費者が最初に目にするものです。パッケージデザインの色、形、素材は消費者の注意を引き、感情を刺激します。これは消費者が商品を見たときに興味を持つための重要な要素です。
良い商品パッケージは、商品の質と価値を視覚的に表現し、購買意欲を高めることができます。
ブランドイメージにつながる
商品のブランディング効果にも役立ちます。
日頃皆さんがよく目にする代表的な飲料は、ブランドロゴやキャッチコピー、販売企業名を見るだけでその商品を思い出すことができるでしょう。
良い商品パッケージは、ブランドの信頼感や価値を高めることができます。
商品の利便性を高める
見た目だけでなく、利便性を高める役割もあります。
例えば、化粧品であれば、中身の入った容器をそのまま利用します。そのためいくらデザイン性が高くても、中身が出てこない、すぐに壊れるなど、容器が使いづらければ消費者は離れてしまうでしょう。
耐久性の高さはもちろん、開けやすい、出しやすいなど、商品が使いやすいパッケージであることも大切です。
良い商品パッケージを作るポイント

商品パッケージを作る際は、商品のコンセプトや目的、どのような消費者に届けたいかを明確にする必要があります。そのうえで、ターゲット層に刺さるデザインやキャッチコピーを考えましょう。
1. ターゲットやコンセプトにあわせてデザインする
まずは、商品自体のコンセプト・ターゲット・目的を明確にしましょう。これらは商品の制作段階で決まっていることが多いです。
次に、商品パッケージのデザインのコンセプトを決定します。その商品で一番伝えたいことは何か、他の商品との違いは何かなどを考えるとコンセプトが見つかりやすいです。
2. 商品の特徴をキャッチコピーでわかりやすく伝える
商品のキャッチコピーは特性を簡潔にかつ引き立つ形で伝え、消費者がその価値をすぐに理解できるようにします。そのため、商品の特徴や魅力を一目で理解できる言葉やロゴ、画像を作成しましょう。
また、デザインに文字を使うときは、わかりやすい大きさ、判別しやすいカラーなど、読みやすいことも大切です。
3. 商品の魅力を色や形、装飾で感覚的に伝える
商品パッケージでは、全体で商品の魅力を表現します。色は強力な心理的影響を持つため、ブランドのトーンや色のイメージなど、コンセプトにあったものを採用しましょう。
商品パッケージは視覚だけでなく、素材の手触りから受ける印象もあります。例えば、高級感を意識した商品であれば、プラスチック素材よりもガラスの方がよりイメージに近いパッケージになるでしょう。
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4. 利便性を意識する
利便性を考慮したデザインは、消費者の生活にフィットしリピート購入を促すので、使いやすさも意識しましょう。
例えば、冷凍食品であれば、家庭用冷蔵庫の冷凍室に入る大きさでなければいけません。また、子ども用のお菓子なら、小さな手でもつかみやすいだけでなく、誤食の心配がないパッケージが必要です。
商品パッケージを作るときの注意点
商品の売上を伸ばすためにも商品パッケージのデザインは大切です。しかし、デザインにこだわりすぎるあまりコストがかかる、耐久性を保てないとなると本末転倒です。作成時には以下の点に注意するとよいでしょう。
コストはかさみすぎないか
パッケージの素材や加工のコストはもちろん、商品の梱包時間など、流通時のコストも考えなくてはいけません。素材のコストを下げても、梱包に時間がかかると人件費に影響してしまいます。
そのため、デザインの初期段階から製造コストを考慮することが重要です。
安全性を満たしているか
繊細なデザインにこだわった結果、耐久性が低下してしまってはいけません。商品をしっかり守るためにも、耐久性は十分に確かめましょう。
郵送や陳列だけでなく、消費者に渡った後まで想定することが大切です。
また、果物のようにサイズにバラつきがあるときは、商品サイズとパッケージサイズがあっているかどうかも確認しましょう。
著作権を侵害していないか
商品のパッケージデザインに使用するすべての素材に適切な権利があることを確認することが重要です。競合他社と酷似したデザインは、著作権の侵害にあたる恐れがあるため注意が必要です。
自社で商品パッケージを作成するときは、インターネット上のデザインの無断使用に注意しましょう。
効果のある商品パッケージの種類
パッケージの素材を変えたり、加工により特長を持たせたりすると競合他社との差別化や、ブランディングに効果的です。商品の価値を高め、ブランドのインパクトを強化するパッケージについて紹介します。
特殊加工を施したパッケージ

商品の化粧箱表面は、光沢を出す凹凸を付けるなど、様々な加工が可能です。例えば、プレスコート加工は光沢感のある仕上がりになるだけでなく、耐摩性も高くなります。
また、エンボス箔押しなら、金色や銀色の箔が付くだけでなく、箔を付けた文字やデザインに立体感を出せるため高級感を演出できます。
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環境に配慮したパッケージ

環境に優しくデザインされたパッケージは、エコ意識が高い消費者や企業のイメージアップに効果的です。
エコやサステナブル、SDGsなどを意識した製品であれば、商品パッケージも環境を意識した素材の方がよいでしょう。再生紙やバイオプラスチックなどが代表的です。
また、プラスチック素材を使った過剰包装は避け、できるだけシンプルに包むなども効果的です。
なお、環境に配慮したパッケージである旨を記載するときは、環境省の「環境表示ガイドライン」を参考に、消費者に誤解を与えないよう表記する必要があります。[注1]
関連記事:印刷会社が選ぶSDGsに貢献するエコ・ユニークな用紙5選
[注1]環境省「環境表示ガイドライン」
https://www.env.go.jp/policy/hozen/green/ecolabel/guideline/
形にこだわったパッケージ

商品の中にはどのような形状のパッケージに入っているか、イメージが固定しているものもあります。そのため、あえてイメージとは異なる形状を選ぶのも方法です。
例えば、グラノーラはチャック付きの袋に入っているイメージが強いですが、そこをあえて、透明な筒状の容器に入れれば差別化できるだけでなく、素材感のアピールにもつなげることができます。
まとめ:商品パッケージは研文社
商品パッケージは売り上げを左右する重要な要素です。弊社では、デザインだけでなく、消費者の目をひく特殊印刷や、組み立てまですべて一貫して対応可能です。
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