顧客との対面営業や対面接客が非対面だったものが徐々に緩和されていますが、今もなお非対面コミュニケーションが重要となりつつある昨今、顧客との関係性の維持・向上のための手段として「ダイレクトマーケティング」が再注目されています。
そんなダイレクトマーケティングの中でも代表的な手法として「メルマガ」と「DM」がありますが、この2つはどちらが効果あるのか疑問に思ったことはありませんか?
そこで、本記事では「メルマガ」と「DM」の2つを6つの観点から徹底比較し、どちらが優秀なのかを整理しました。
今ダイレクトマーケティングに取り組もうと考えている方や、メルマガとDMどちらがいいのか知りたい方はぜひご覧ください。
目次
メルマガとDMについておさらい

そもそもメルマガとは何か、DMとは何かをおさらいします。
メルマガとは?
メルマガとはメールマガジンの略称で、商品やサービス、キャンペーンの案内を、Eメールを使って個人や法人宛に送付する、営業・宣伝を目的としたダイレクトマーケティングの1種です。
マーケティングオートメーション(MA)やメール配信ツールを活用し、メールアドレスを取得できている顧客に対し一斉配信するのが一般な運用方法です。
DMとは?
DMとはダイレクトメールの略称で、商品やサービス、キャンペーンの案内を、郵便を使って個人や法人宛に送付する、営業・宣伝を目的としたダイレクトマーケティングの1種です。
※SNSでも“DM”という言葉が使用されていますが、SNSのDMは「ユーザーに直接メッセージを送る機能」のことなので、本記事でご紹介するダイレクトメールとは意味が異なります。
様々な業種・業態で幅広く活用されているマーケティング手法です。
DMに関しては、「ダイレクトメール(DM)とは?メリット・デメリットや効果をアップさせる方法も解説します!」で詳しく解説しています。
この2つの手法は「ダイレクトマーケティングの手法」、「営業・宣伝を目的とする手法」という共通点がありますが、大きな違いはやはり「オンラインか、オフラインか」といった点です。
今回はこの似て非なるダイレクトマーケティング手法の2つを、各特徴を解説しながら徹底比較してみました!
メルマガとDMを徹底比較

ダイレクトマーケティングの中でも、特に代表的な手法として「メルマガ」と「ダイレクトメール」が挙げられ、この2つを実施または検討されている方も多いのではないでしょうか。
そこで、どちらが手法として優秀なのかを以下の6つの項目で比較を実施してみました。
■比較項目
- コスト・・・実施にかかる費用
- スピード・・・実施までの速さ
- 開封率・・・開封される確率
- アクセス率・・・Webアクセスにつながる確率
- パーソナライズ力・・・内容やタイミングを最適化させる力
- 表現力・・・伝えたい想いや情報を表現する力
1. コスト
メルマガの勝利!
DMを実施するには、“紙代”、“印刷代”、“郵税”などの費用がかかってしまいますが、メルマガは実施にほとんど費用がかからないため、コスト面ではメルマガに軍配が上がります。
また、マーケティングオートメーション(MA)やメール配信ツールなどを使ってメルマガを配信する場合は月額費用等が発生してしまいますが、それを想定してもコストにおいては、送る度に費用が発生するDMと比べると、メルマガの方が勝っていると言えるでしょう。
2. スピード
メルマガの勝利!
DMは実施が決定してから“デザイン作成”、“宛名データ作成”、“印刷”、“局出し”などの工程を経て、ようやく発送に至ります。また、“局出し”が完了してからも当然お客様に届くまではタイムタグが発生します。
一方メルマガは、実施が決定してから配信するまでに要する工程は“メール作成”、“リストピックアップ”ぐらいで、配信後は即お客様の元に届きます。
これらの点から「スピード」はメルマガの方が優れているといえるでしょう。
3. 開封率
DMの勝利!
開封率はDMの勝利です。一般社団法人日本ダイレクトメール協会の「DM メディア実態調査 2021」(※)の報告によると、
- 購入・利用経験がある企業・団体からのDMの開封・閲読率は93%
- 購入・利用経験がない企業・団体からのDMの開封・閲読率は「クーポンの案内・プレゼント」が53%、「特売・セール・キャンペーンの案内」が51%
- 「カタログや情報誌の送付」や「保険などの更新・見直しの案内」は、購入・利用経験がある企業・団体からのDMの方が開封・閲読率は高い
など、購入・利用経験の有無に関わらず、DMの開封率の高さがわかる結果が出ています。
一方メルマガは、平均開封率「20%前後」と言われています。「開封率」に関してはDMの圧勝です。
これだけの差が出る考えられる理由の1つに紙媒体とWebの違いの1つである“信頼性の高さ”も作用しているのではないでしょうか。
※出典:「DMメディア実態調査2022」(一般社団法人日本ダイレクトメール協会)
4. アクセス率
DMの勝利!
アクセス率もDMの勝利です。意外に思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、こちらも一般社団法人日本ダイレクトメール協会の「DMメディア実態調査 2021」(※)報告によると、
- DMからのアクセス経験率は41%(WebアクセスのDMを受け取ったことがあると回答した割合は全体で61%)
という結果が出ています。
これに比べメルマガのクリック率(メルマガからのアクセス率)は、業界によって差があれど“平均2~3%”とされていることを考えると、DMのアクセス率が高いことがわかります。
また、DMのCTAとして「WebページへアクセスできるQRコード」などを紙面に設置しておくことで、興味度合いを計測できたりや、送って終わりになりがちなDMで行動喚起につなげるなどのクロスメディア戦略が浸透してきていることも、DMのアクセス率の高さに影響しているものと考えられます。
※出典:「DMメディア実態調査2022」(一般社団法人日本ダイレクトメール協会)
5. パーソナライズ力
メルマガの勝利!
パーソナライズ力はメルマガの勝利です。メルマガはWebと連動している場合がほとんどで、顧客のWeb行動と連動した情報を発信することができます。
また、マーケティングオートメーション(MA)のシナリオ機能を使えば、Webアクセスや資料DLが発生したタイミングで”自動的”にメールを送付することも可能です。
一方DMに関しては、オンデマンド印刷によるバリアブル印刷やを活用した顧客属性情報に合わせたパーソナライズDMなども可能ではありますが、メルマガと違いWebと切り離された運用がほとんどであるため、メルマガほどの内容のパーソナライズ力、タイミングのパーソナライズ力は難しいと言えます。
6. 表現力
DMの勝利!
表現力はDMの勝利です。DMには、
- 箔加工やニス加工などの特殊印刷を施したDM
- 型抜きや特殊用紙を使用したユニークな形状のDM
- モノを同梱して送付するDM
など目で見たり、手で触ったりできる形のあるフィジカルメディアである強みを存分に生かした表現が可能です。
メルマガもHTML形式で、画像を挿し込んだり、GIF形式の画像 で動きを加えるなど、さまざまな表現が可能ではありますが、DMほどの表現力がないため「表現力」はDMの勝利です。
比較結果
比較項目 | メルマガ | DM |
---|---|---|
コスト | WIN! | |
スピード | WIN! | |
開封率 | WIN! | |
アクセス率 | WIN! | |
パーソナライズ力 | WIN! | |
表現力 | WIN! |
そもそも「オンライン手法」と「オフライン手法」の比較であるため、一概には比較できないかもしれませんが、今回設けた項目での比較では、3対3引き分けという結果になりました。
「こっちの方が優秀!」といったはっきりとした答えは出ませんでしたが、それぞれがどういった強みを持っているかをしっかり確認することができました。
必ずどちらか一方を選択するといった必要はなく、むしろ両方を組み合わせることで高い効果を発揮するケースも多く存在します。
メルマガ×DMのオススメ施策例
オススメ施策①:メルマガ送付→閲覧したお客様に追撃DMを送付

Webサイトの窓口となるメルマガを送付。Webアクセスがあった方のみに、それぞれのアクセス内容に則したDMを送付します。
Webアクセスがあったものの、コンバージョンには至らなかった先に対し、クロージングの役割となる訴求力の高いDMを送ることでコンバージョンを狙います。
Webアクセスがあった確度の高いリストに、パーソナライズさせた訴求力の高いアプローチができる効果的で効率的な手法です。
オススメ施策②:DM送付→フォローメールで補足&閲読喚起

DM送付後に到着日に合わせてフォローメール送付します。先述の通りDMは「届けて終わり」になりがちですが、フォローメールをすることで未開封者に DM の存在を思い出してもらい、開封を促すことが可能になります。そうすることで、DM施策自体の効果UPにもつながります。
DMに記載できなかった伝えたいメッセージをフォローメールでカバーできる点もこの施策の強みです。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は比較という形で「メルマガ」、「DM」の特徴をご紹介させていただきましたが「こっちが優秀だからこっちを使う!」という考え方ではなく、各特徴をおさえたうえで、シーンや目的にあった手法を選択することが重要です。
「メルマガ」、「DM」この2つの手法とも、正しく運用することができれば高い成果を期待できます。顧客接点の重要性が叫ばれる昨今、今一度貴社のダイレクトマーケティングを見直してみてはいかがでしょうか。
研文社では「オンライン」と「オフライン」の強みを融合させたダイレクトマーケティング、「スマートプレス・ダイレクト」というサービスを提供しています。効果的なダイレクトマーケティングを実現したい方は是非、ご連絡ください。