環境に優しい印刷とは?実践事例と環境に配慮した印刷会社の選び方!

環境に優しい印刷とは?実践事例と環境に配慮した印刷会社の選び方!
2024年3月19日
SDGs

紙やインキを使用する印刷は、環境問題と大きな関わりがあります。例えば、紙を生産するためには森林の伐採が必要です。また印刷用のインキには、地球環境に影響を及ぼす可能性のある化学物質が含まれています。

印刷業界では、印刷物の環境負荷を減らすため、さまざまな取り組みを行ってきました。本記事では、環境に配慮した印刷の特徴や、エコな印刷の事例、印刷会社選びのポイントを解説します。

環境に配慮した印刷とは

環境に配慮した印刷かどうかは、次の4点で判断することができます。

  • 印刷方法
  • 使われている紙
  • インク
  • 印刷用の資機材(印刷機器)

印刷方法の比較

まずは印刷方法です。オフセット印刷と呼ばれる印刷方式には、水(湿し水)を使ったものと使わないものの2種類があります。

水あり印刷は廃液が発生するだけでなく、廃液処理の過程で二酸化炭素が排出されます。なるべく環境に配慮したい方は、湿し水を使わない水なし印刷を選びましょう。

紙の選び方

印刷用の紙には、伐採した木材から製造されるパルプが使われています。パルプの代わりに古紙を使ったリサイクルペーパーや適切に管理された認証林からの木材や環境、社会的なリスクが低いとされた原材料から作られているFSC®森林認証紙など、環境にやさしい紙を選びましょう。

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インクの種類と選び方

印刷用のインクには、さまざまな化学物質が含まれ、環境に悪影響を及ぼしています。

  • 溶剤に含まれるVOC(揮発性有機化合物や重金属)
  • 樹脂に含まれる環境ホルモン

こうした化学物質が少ないインクを選ぶことで、環境負荷を低減できます。

印刷機器の選び方

印刷用の機器選びも大切です。一般的なオフセット印刷の場合、印刷時に金属製の版(アルミ板)を使用し、インクを転写しています。アルミ板は使用後に廃棄されるだけでなく、廃液も発生します。

廃液が生じない水なし印刷用の版を使用する印刷会社や、そもそも版を使わないデジタル印刷が可能な印刷会社を選びましょう。

環境に優しい印刷方法の実践事例

ここでは環境に優しい印刷物を作りたい方向けに、エコな印刷方法の例を3つ紹介します。

  • リサイクル可能な素材の活用
  • 再生紙の利用
  • 有害物質を含まないインクの使用

リサイクル可能な素材の活用

環境に優しい印刷の実現のため、印刷過程ではなるべくリサイクル可能な素材を活用しています。例えば、印刷用紙やインクはもちろん、接着剤やシールなどもリサイクルを阻害しない資材を選び、印刷物をまるごと製紙原料として再利用できるようにしています。

再生紙の利用

印刷用紙の環境負荷を低減するため、印刷会社ではリサイクル可能な再生紙(リサイクルペーパー)を活用してきました。

日本は古紙を回収する仕組みが普及している国です。回収した古紙を再利用し、製紙用の原料にすることで、パルプの消費を減らして森林を保護できます。

有害物質を含まないインクの使用

オフセット印刷では、印刷用の油性インクを使用します。しかし、油性インクには、VOCや重金属、環境ホルモンなどの有害物質が含まれています。

そこで登場したのが、有害物質を含まないエコなインクです。例えば、インクに含まれる鉱物油を植物油に置き換えた植物性インキには、VOCがほとんど含まれていません。

またUVインクは、紫外線を当てると短時間で乾燥する性質があるため、インクの定着を助ける溶剤が含まれていません。そのため、VOCや重金属、環境ホルモンがほとんど含まれないエコなインクです。

印刷物の在庫レス

従来は印刷工程の効率化やコスト削減のため、大部数を一度に印刷する方法が一般的でした。しかし、この方法では印刷物の在庫が余り、大量の廃棄物が発生します。

近年は廃棄物の削減のため、「印刷物の在庫レス」の考え方が一般的です。例えば、オンデマンド方式と呼ばれる印刷方法なら、必要な部数を必要なときにだけ印刷できます。印刷物の在庫レスを実現し、紙やインクの無駄遣いや、廃棄の際に発生する二酸化炭素の排出量を減らすことが可能です。

環境に配慮した印刷会社選びのポイント

環境に配慮した印刷会社かどうかを判断する基準は、さまざまな団体が発行している環境ラベルです。例えば、水なし印刷を行っている印刷会社は、日本水なし印刷協会のバタフライロゴを使用できます。

また日本印刷産業連合会(日印産連)のグリーンプリンティング(GP)認定制度のように、環境にやさしい印刷を行っているかどうかを総合的に審査し、認定する制度もあります。グリーンプリンティングの認定を受けると、GPマークの表示が可能です。

環境に配慮した印刷会社を探している方は、ホームページや商品をチェックし、環境ラベルが表示されているかどうかを確認してください。

環境への印刷業の取り組み

印刷業界では、環境にやさしい印刷の実現のため、さまざまな取り組みを行っています。環境マネジメントシステムの導入や二酸化炭素の削減など、印刷業界全体で取り組んでいる活動を紹介します。

環境マネジメントシステムの導入

環境マネジメントシステムとは、「自主的に環境保全に関する取組を進めるにあたり、環境に関する方針や目標を自ら設定し、これらの達成に向けて取り組んでいく」[注1]仕組みを指します。つまり、自主的に環境保全に向けて取り組み、目標や評価指標を設定して行動する仕組みが環境マネジメントシステムです。

印刷業界では早くから環境マネジメントシステムを導入し、客観的な第三者による監査(環境監査)を受けつつ、環境保全に向けた取り組みを進めてきました。

[注1]環境省「環境マネジメントシステム」

二酸化炭素削減への取り組み

印刷業界では、印刷工程で排出される二酸化炭素を減らすため、さまざまな取り組みを行ってきました。例えば、印刷工場で使用するエネルギーを再生可能エネルギーに置き換えて、化石燃料の使用量を減らしています。

また印刷物の運搬に電気自動車やクリーンディーゼル車を利用するなど、輸送過程での二酸化炭素削減に取り組む企業もあります。

リサイクルプログラムの推進

また環境にやさしい持続可能な印刷を目指して、紙やインクのリサイクルを促進しています。紙は古紙を回収し、製紙原料として再利用することで、限られた紙資源を循環させることが可能です。

また印刷用のインクには、使い終わったインクをリサイクルし、繰り返し使用できる「リサイクルインク」も存在します。通常のインクをリサイクルインクに置き換えることで、廃棄物を減らし、二酸化炭素の排出抑制にもつながります。

環境に関する認証とラベル

印刷業界では、環境に配慮した印刷企業を区別する目印として、さまざまな認証や環境ラベルを設けています。例えば、日本印刷産業連合会のグリーンプリンティング認定制度や、PEFCの森林認証プログラム、日本サステナブル印刷協会のカーボンゼロプリント工場認定制度などです。

環境にやさしい印刷会社をお探しなら、こうした認証やラベルを取得している企業を選びましょう。

まとめ(研文社でできること)

研文社はSDGsの実現に向けて、環境配慮型プリントやグリーンプリンティング、サステナブルペーパーなど、環境に配慮した印刷を実践しています。研文社の取り組みを紹介します。

環境配慮型プリント

環境配慮型プリントとは、印刷工程で使用するエネルギーを全て再生可能エネルギーに置き換え、カーボンゼロ(二酸化炭素排出ゼロ)を実現する取り組みです。研文社は日本サステナブル印刷協会の認定を受けており、「カーボンゼロプリント」と「カーボンニュートラルプリント」の2つのマークを表示できます。

環境配慮型プリントサービス紹介ページ

「環境配慮型プリント」サービス紹介ページはクリック↑

「環境配慮型プリント」の印刷物には「削減できたCO2排出量」と、「CO2削減に貢献したことを証明するマーク」の表示が可能なため、環境対応の対外的なアピールや、ブランドイメージの向上も期待できます。

無料のCO2排出量算定シミュレーションも実施しておりますので、ぜひ下記よりお気軽にお申し込みください。

グリーンプリンティング

グリーンプリンティングは日本印刷産業連合会が創設した、環境にやさしい印刷会社を認定する制度です。研文社の尼崎工場はオフセット印刷部門の基準を満たし、GP認定を取得しています。研文社に印刷を依頼すると、印刷物にGPマークを表示できるため、環境意識の高さを対外的にアピールできます。

グリーンプリンティングの詳細についてはこちらの記事で紹介しているので、あわせて読んでみてください。

グリーンプリンティングの基礎知識
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サステナブルペーパー

研文社では、紙やプラスチックを代替できるLIMEX(ライメックス)や、収穫後廃棄されるバナナの茎から作られたバナナペーパーなど、環境にやさしいサステナブルペーパーを使用しています。

>>サステナブルペーパーの詳細ページはこちら

PDX(Print Digital Transformation)

PDXは研文社のエコなデジタル印刷サービスです。デザインデータを入稿していただくと、環境に配慮したLIMEX(ライメックス)への印刷と、デジタルブックの作成を同時に依頼できます。顧客に合わせて紙の印刷物、デジタルブックを切り替えることで、紙の使用量を減らし環境負荷を軽減できます。

FSC®C028818

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