バナナペーパーとは?印刷ロゴとSDGsの関係、おすすめ商品を紹介!

バナナペーパーとは?印刷ロゴとSDGsの関係、おすすめ商品を紹介!
2024年3月12日
SDGs

環境にやさしい紙というと、再生紙を思い浮かべる人もいるのではないでしょうか。今、再生紙に代わって注目を集めているのが、バナナの茎(仮茎)の繊維を利用した「バナナペーパー」です。

バナナペーパーは通常の紙よりも環境負荷が低いだけでなく、発展途上国において雇用を生み出す効果も期待されています。本記事では、バナナペーパーの歴史やメリット・デメリット、気になるSDGsとの関係、バナナペーパーを使用した商品例を紹介します。

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バナナペーパーとは?

近年、環境問題や社会問題の解決を目指して、さまざまな紙が開発されています。例えば、花の種を混ぜた「シードペーパー」、購入代金の一部が発展途上国の子どものワクチン摂取に使われる「ワクチンペーパー」などが一例です。

バナナペーパーもその一つです。バナナペーパーとは、収穫が終わったバナナの茎(仮茎)の繊維が原料になった紙で、環境にやさしくサスティナブルな紙として注目を集めています。表面がつるっとしているのが特徴で、すでに日本でもさまざまな商品にバナナペーパーが使われています。

またバナナペーパーの魅力は、環境問題の解決につながることだけではありません。バナナは主に発展途上国で生産されている果物で、バナナの茎は収穫が終わると廃棄されます。これまで捨ててきたバナナの茎を活用し、バナナペーパーを製造すれば、発展途上国に新たな産業を生み出すことが可能です。

ここでは、サスティナブルで社会問題の解決にもつながるバナナペーパーの歴史や、気になる製造過程について解説します。

バナナペーパーの歴史

バナナペーパーが誕生したのは、アフリカのザンビア共和国という国です。スウェーデン人の環境コンサルタント、ペオ・エクベリさんは、2007年9月にコミュニティ・ラーニング・センターを自費で立ち上げ、現地の人々の自立に向けた学習機会を提供してきました。

ザンビアが抱える課題の一つが、現地の人々の雇用問題です。そこでペオ・エクベリさんは、バナナ繊維由来の紙を作る事業に注目しました。ザンビアではバナナ生産が盛んなため、紙の材料になるバナナの茎も豊富に入手できます。

ペオ・エクベリさんは配偶者の聡子さんと協力し、2011年にバナナペーパー事業(One Planet Paper)をスタートさせました。ペオ・エクベリさんが意識したのは、フェアトレードの理念にもとづいて現地の人々の権利を保護し、危険な労働や児童労働をさせないことです。

2016年には、フェアトレードの実現に向けた取り組みが認められ、日本の製紙産業として初めてWFTO(世界フェアトレード機関)のフェアトレード認証を取得しました。2022年現在、One Planet Paperのバナナペーパーは世界的なブランドに成長し、世界20カ国で流通しています

バナナペーパーの作り方

バナナペーパーの製造の流れは以下のとおりです。

  1. ザンビアのバナナ農家からバナナの茎を買い付ける
  2. バナナの茎から繊維を採取し、天日干しにする
  3. バナナ繊維を船便で日本の製紙工場などに輸出する
  4. バナナ繊維に古紙やFSC®森林認証紙などを混ぜ、抄造(=紙を製造)する

バナナペーパーは、ザンビアのバナナ農家から買い付けた茎由来の繊維を利用して製造されます。バナナ繊維はフェアトレードの原則に従って、適正な価格で取引されています。バナナの茎はこれまで廃棄されていたため、現地の人々にとってもメリットのある取引です。

バナナ繊維を採取したら、船便で輸出しているのもポイントです。飛行機便と比べて、船便は二酸化炭素の排出量が抑えられているため、環境負荷を低減できます。バナナペーパーを使用した商品は次々と開発が行われており、身の回りのオフィス用品などで目にする機会も増えてきました。

バナナペーパーのメリット

バナナペーパーを利用するメリットは4つあります。

  • 雇用を生む
  • 環境を守る
  • 生態の保護
  • 環境問題への貢献

バナナペーパーは自然環境にやさしく、環境問題に貢献するとされる紙です。またアフリカの村で雇用を生み出し、貧しい人々の暮らしを支える効果も期待できます。

環境問題に配慮した商品を探している方や、フェアトレード(発展途上国の生産者を支える取り組み)に関心のある方は、バナナペーパーを活用しましょう。

雇用を生む

バナナペーパー事業では、現地に生産工場を建設し、バナナの茎の乾燥や繊維の採取などを行っています。またエンフエ村に建設されたパルプ工場では、日本の職人の指導のもと、紙の手漉きも行われるようになりました。

バナナペーパー事業により、現地の雇用創出や収入の安定化につながっています。バナナペーパーを利用することで、こうした貧困問題の解決に向けた取り組みをサポートできます。

環境を守る

私たちが普段利用している紙は、森林を伐採し、「木(木材チップ)」を主な原料として作られています。紙をたくさん消費するほど森林の伐採も加速するため、アフリカや南アフリカなどの地域を中心として、熱帯雨林の減少が問題視されてきました。

バナナペーパーの材料はバナナの茎です。バナナは「木」ではなく1年草のため、根が残っていれば1年後に再生します。そのため、何度でもバナナを栽培し、原料を採取することが可能です。

通常の紙をバナナペーパーに置き換えれば、熱帯雨林の減少を抑制し、地球環境を守ることにつながります。

環境問題への貢献

バナナペーパーには、廃棄物の有効活用という側面もあります。バナナペーパーの原料となる茎の部分は、これまで収穫後廃棄されてきました。廃棄物を再利用し、有用な資源に変えるとともに、熱帯雨林の減少という環境問題の解決にも貢献できるのがバナナペーパーの強みです。サスティナブルな紙に興味がある方は、バナナペーパーを使った製品を利用しましょう。

生態の保護

またバナナペーパーの利用を推進すれば、生態系を保護することにもつながります。

一般的な紙を生産するため、伐採が行われている熱帯雨林は生態系の宝庫です。これまで利用してきた紙をバナナペーパーに置き換えれば、熱帯雨林の減少を抑制し、動植物の生息地を守ることができます。

普段何気なく使っている紙製品は、実は環境負荷が大きい製品です。環境問題に少しでも貢献したい方は、自然環境にやさしいバナナペーパーを利用しましょう。

バナナペーパーのデメリット

バナナペーパーにはまだまだ課題もあります。バナナペーパーのメリットだけでなく、デメリットについても知っておきましょう。

価格が高い

バナナペーパーの原料は、フェアトレードの原則にもとづいて、生産者から適正な価格で取引されています。そのため、通常の紙よりも原材料費がかかり、商品価格が高くなっています。

バナナ繊維の含有率が高い製品ほど、商品価格が高くなるため、用途に合わせて製品を選びましょう。

バナナペーパーとSDGsの関係

SDGsは日本語で「持続可能な開発目標」といい、2015年9月の国連総会で採択された国際目
標です。SDGsの17のゴールの中には、森林伐採の問題や、発展途上国の貧困問題なども含まれています。

森林伐採を抑制し、現地の雇用を生み出すバナナペーパーは、SDGsと深い関わりがある製品です。バナナペーパーの利用を推進することは、SDGsの目標達成にもつながっています。

バナナペーパーの表示ロゴ

バナナペーパーを使用した商品には、特別なロゴやマークを表示できます。そうした商品を利用すれば、環境に配慮し、SDGsの実現に向けて取り組んでいることを他社にアピールすることが可能です。

ただし、ロゴによって使用できる範囲や条件が決まっている点に注意しましょう。ここでは、バナナペーパーに関する主なロゴを3つ紹介します。

  • FSC®認証ラベル
  • One Planet Paper
  • WFTO

FSC®認証ラベル

森林資源を守るため、適切に管理された認証林からの木材や環境、社会的なリスクが低いとされた原材料から作られている紙をFSC森林認証紙といいます。バナナペーパーには、製造過程でFSC森林認証紙のパルプが含まれているため、FSC認証のロゴマークを表示できます。

One Planet Paper

One Planet Paperは、バナナペーパーの含有量に応じて表示できるマークです。5%と20%の2種類があり、バナナペーパーを使用した製品に直接表示することができます。またチラシやパンフレットに表示可能なプロモーションマークも存在します。

WFTO

バナナペーパーの含有量が20%以上の製品は、WFTOのロゴマークも表示できます。WFTOのロゴは、フェアトレードに配慮し、厳格な基準を満たして製造された製品であることを証明するためのものです。環境問題だけでなく、貧困などの社会問題に関心があることを示したい方にぴったりのロゴです。

バナナペーパーの商品

バナナペーパーは、身の回りのさまざまな商品に使用されています。例えば、メモ帳やパンフレット、カレンダーなどのオフィス用品は、すでにバナナペーパーを使ったものが販売されています。

メモ帳

バナナペーパーの代表的な商品の一つが、メモ帳です。バナナペーパーには、手触りがよく、鉛筆で字を書きやすいという特徴があります。紙がうっすらと黄色く、少量のバナナ繊維が透けて見えるのもおしゃれです。

パンフレット

バナナペーパーは会社案内のパンフレットにも使われています。エコに配慮した用紙でパンフレットを制作することで、環境問題への取り組みを対外的にアピールできます。バナナペーパーは表面がつるっとしているため、パンフレットの用紙にしてもほとんど違和感はありません。

カレンダー

サスティナブルな紙でカレンダーを制作したい場合は、バナナペーパーもおすすめです。カレンダーの余白にSDGsの17のゴールを書き入れることで、従業員の環境意識を高められます。

まとめ

バナナペーパーはバナナの茎の繊維を使ったエコな紙です。バナナ繊維はフェアトレードの原則にもとづいて、ザンビアのバナナ農家から買い取っています。これまでバナナの茎は収穫後に廃棄されていたため、バナナペーパー事業は現地に新たな雇用機会を提供しています。

バナナペーパーを使用した商品はすでに日本国内でも販売されており、メモ帳やパンフレット、カレンダーなどが購入可能です。バナナペーパーを使用した商品には、One Planet Paperのロゴが表示されています。バナナペーパー由来の商品を利用すれば、SDGsに向けて取り組む姿勢を対外的にアピールすることが可能です。

FSC®C028818

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