ニューノーマル時代と言われている今、みなさまの会社では営業活動はうまく順応できているでしょうか?
すでにオンラインセールス部隊や、ツールの活用で非対面でも営業活動が確立されている会社もあるかと思います。
一方でご覧になっている方のなかには、
「以前に比べお客さんとのコミュニケーションが減ってしまった」
「なんだかんだ営業スタイルを変えることができなくて不安」
「業績が思うように回復しない」
このように、なかなか思うような営業スタイルの変革ができず、苦戦されている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ニューノーマル時代の今、これまでの直接訪問する“足で稼ぐ営業スタイル”が通用しづらくなってきており、会社の業績のアップにつなげるためのキーワードとして“営業スタイルの変革” が求められています。
今回は、2018年から営業スタイルの変革に取り組んでいる弊社が、これからの営業スタイルの新たなスタンダードの手法になりつつある、「Web商談(オンライン商談)」と「インサイドセールス」をピックアップし解説します。
目次
Web商談(オンライン商談)
今では多くの企業で浸透してきているWeb商談は、営業活動を変革していくなかでも取り入れやすく、営業の効率化が図れる手法です。
ここでは、Web商談についてとWeb商談に取り組む際にもたらす2つのメリットをご紹介します。
Web商談(オンライン商談)とは?
Web商談(オンライン商談)とは、パソコンやスマートフォンでコミュニケーションツールを活用し、インターネット上で商談・営業活動を行うことです。
ニューノーマル時代では「非対面」も求められるので、直接訪問するだけでなく、コミュニケーションツールを使い顧客と接触を非対面にすることも大切になります。
コミュニケーションツールの主なものとしては、無料で使えるものだけでも
- Zoom
- Google meet
- Teams
- Skype
などがあります。
Web商談に取り組むメリット①:生産性UP
メリットの1つ目は「生産性UP」です。
これまで直接クライアント先へ訪問し商談を行うスタイルから、Web商談に切り替えることで、社内もしくはリモート・在宅ワークでも商談を行うことができるようになります。
そのため、営業活動で発生していた移動時間や交通費が“まるまる”削減できます。
企業によってはコロナ禍の元、「対面お断り」という企業もあるため、そういった側面でもメリットがあります。
ではどれだけ効率化につながるか、ということに関して、時間のインパクトにするとわかりやすいと思います。
たとえば都内企業に勤める1人の営業スタッフがアポイントを取ったクライアント先に
- 通常の訪問型の商談を行う場合
- Web商談を行う場合
を比較すると以下の図のようになります。
このように、同じ商談時間でも移動時間がないことで、1訪問あたりの所要時間が約半分になる
といった効率化のインパクトがあります。
この削減できた時間を有効活用し、
- 提案内容をグレードアップさせる
- 商談”回数”を増やす
などにも注力でき、結果として営業生産性UPにつながります。
Web商談に取り組むメリット②:人材教育の促進
メリット2つ目は「人材教育の促進」の効果もあることです。
Web商談はパソコンやスマートフォン越しに商談を行うので、たとえば新人の方でも画面にトークスクリプトなどを用意して、時折確認しながら商談を進めることができ、スムーズな商談と経験値UPの効果が期待できます。
非対面だからこそ緊張感が緩和されることも、スムーズな商談のための重要な要素になります。
また、Web商談ツールの録画機能を使うことも人材教育につながります。
たとえば、社内で優秀な営業パーソンとのロープレを行う際に録画しておくことで、何度も振り返ることができますし、商談時の反省点を見つけたり、優秀な人の営業スタイルを吸収しやすくなるので、営業スキルの底上げも図れます。
他にも、対面営業を進めていくなかで「あの資料持ってくればよかった!」といったシーンでも、Web商談であればパソコン上から資料をすぐ確認でき、よりクライアントの要望に応えた商談にできますよね。
このように、これまで対面で行っていた商談をWeb商談に切り替えるだけで、
- 時間面の効率化
- 商談のクオリティ向上
- 人材育成
などさまざまな効果をもたらしてくれます。
インサイドセールス
インサイドセールスという言葉は、特に最近よく耳にすることが多いのではないでしょうか。
非対面でのコミュニケーションを行うインサイドセールスも、ニューノーマル時代において効果的な手法です。
このインサイドセールスについても解説していきます。
インサイドセールスとは?
インサイドセールスは“内勤営業”とも呼ばれており、顧客に対してEメールや電話、Web商談ツールなどを活用しながら、非対面でコミュニケーションをとりながら営業活動を行う手法です。
従来のフィールドセールスよりも、コミュニケーションコストやカバレッジ効率が良く、組織の生産性向上に大きな効果を与えてくれます。
また、見込み客が何に興味や関心があるか、その度合いはどのくらいか、などをデータとして蓄積し活用することが必要となるため、SFA(営業支援システム)やMA(マーケティングオートメーション)、Web会議ツールなどといったデジタルツールも駆使していきます。
弊社でも2018年からインサイドセールスに取り組んでおり、実際にコロナ禍でもインサイドセールスによる非対面のコミュニケ―ション活動によって、案件化に成功した事例がいくつもあります。
インサイドセールスの役割
会社によって役割は変わってきますが、インサイドセールの役割としては、主にリード育成とリード精査のフェーズを担当します。
ポジションとしても“マーケティングと営業の中間のポジション”とされることが多いので、マーケティングの側面、営業の側面、を兼ね備えています。
主な役割①:リード育成
BtoBでは特に、展示会などのマーケティング活動で獲得したリードは、すぐに案件化したり、受注につながることはほとんどないですよね。
そこで、獲得したリードに対して育成をしていく必要があります。
育成の方法の例として、まだ見込み度合いが低いリードに対しては、顧客が必要とするコンテンツの提供をメールマガジン、オンライン含むセミナー、DMなどによる定期的なコミュニケーションを行って見込み度合いをアップさせていきます。
育成を行う際には、「何をもって育成か」を定義づけするために、見込み顧客の行動を数値化する「スコアリング」の基準を決めておくと効果的です。
たとえば、「メールマガジンの開封とクリックしたら2点」「オンラインセミナーに2回参加したら5点」「サービスページの料金表を閲覧したら10点」などです。
これらはMA(マーケティングオートメーション)の機能の1つ「スコアリング機能」などで管理・可視化できますが、MA未導入の場合は、上記のような「オンラインセミナーに2回参加したら●点」などの定義をあらかじめ決めておき、行動が発生したらExcelに記入するなどの管理をしておきましょう。
主な役割②:リード精査
リード精査とは、育成したリードの中からより見込み度合いの高いリードを抽出することです。そうすることで、営業はより確度の高い営業案件に取り組むことができます。
見込み度合いの高いリードを抽出する方法としては、前述の「スコアリング」で見込み度合いを可視化した情報を基に、対象リードにEメールや電話などの方法で、ニーズヒアリングやキーパーソン情報、検討状況などの聴き取りを実施し精査を行っていきます。
このような精査をしたうえで育成基準を満たしたリードは、営業に引き渡し、訪問やWeb商談を行っていくフィールドセールスのフェーズになります。
インサイドセールスの効果
お気づきの方もいるかもしれませんが、インサイドセールスはマーケティング・営業それぞれから見たときに大きな効果をもたらします。
マーケティングから見たときは、
- 獲得したリードが案件化・受注につながりやすくなる
- 営業が積極的に対応しやすいリードの供給ができるようになる
営業から見たときは、
- 営業活動の生産性がアップする
- 顧客にマッチした提案内容を考える時間が増え、提案の質も高めることができる
などがあげられ、その結果、商談数や商談化率、受注率アップなどの成果を与えてくれます。
Web商談・インサイドセールスの成功のコツ
「Web商談」や「インサイドセールス」はニューノーマル時代の今、効果的な手法であることをご紹介しましたが、これらを成功させるコツは
「スモールスタートから始める」
ということです。
なぜなら、商材の特性、単価、顧客特性などまったく同じ企業はなく、「これをやれば確実に成功できる!」という成功パターンは企業によって変わるためです。
スモールスタートから始める例として、「Web商談」でいえば以下の図のように、初回接触~クロージングまでのすべてをWeb商談で完結させなくても、
“初回接触~課題解決ご提案”までをZoomやTeamsなどのツールで実施する
など、営業プロセスの“一部”から取り入れてみることがいいかもしれません。
このように、スモールスタートから始め少しずつ実績を作ること事で「自社にとっての成功パターン」を確立し、徐々に活動を拡げていくことが営業変革の成功につながることでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
今回は、ニューノーマル時代における新たな営業スタイルの手法として
- Web商談
- インサイドセールス
の2点をご紹介しました。
つまるところ、現代にマッチした営業手法のポイントは「営業活動のオンライン化」にも取り組むことです。
これから取り組む方は、営業活動のオンライン化をスモールスタートで始め、自社にとっての成功パターンを発見することが近道になることを意識しましょう。
営業活動で悩まれている方は、ぜひヒントにしていただけると幸いです。