Cookieは、Webサイトを快適に利用するための仕組みのひとつです。普段、Cookieを意識することは少ないかもしれませんが、実はさまざまな場面で活躍しています。
この記事では、Cookieの基本的な仕組みや種類、使用するメリット・デメリットについて詳しく解説します。Cookieについて理解を深めたい人は、ぜひチェックしておきましょう。
Cookie（クッキー）とは？
Cookieとは、閲覧したWebサイトから付与されるテキストファイルのことです。付与されたCookieは、パソコンやスマートフォンのブラウザに保存されます。まずは、Cookieの基本的な仕組みや、キャッシュとの違いについて理解しておきましょう。
Cookie ＝ 閲覧したWebサイトから付与されるテキストファイル
Cookieの仕組み
ユーザーがWebサイトにアクセスすると、そのWebサーバーからCookieが付与されます。Cookieには、Webサイトで入力したユーザー名やパスワード、メールアドレスなどが記録されています。
Cookieはブラウザに保存されており、同じWebサイトを閲覧するとCookieが送信されるため、ユーザー名やパスワードなどが自動で入力されます。Cookieの活用で、オンラインショップで買い物カゴの中身を保存しておく、電話番号やメールアドレスの再入力を省略する、といったことが可能になります。
Cookieとキャッシュの違い
Cookieとキャッシュは似ていますが、同じものではありません。
キャッシュとは、閲覧したWebサイトの内容を一時的に保存したデータのことです。
Webサイト上のテキストや画像などを保存しておけば、毎回多くのデータを読み込む必要がなくなるため、再び同じページにアクセスしたときに素早く表示できます。CookieのようにIDやパスワードを保存しているわけではないため、覚えておきましょう。
| Cookie | キャッシュ |
|---|---|
| 【保存する情報】 ユーザー名やパスワードなどを保存 （ユーザー情報） 【活用メリット】 再アクセス時に、ユーザー名やパスワード、メールアドレスなどを再入力する必要がなくなる | 【保存する情報】 Webサイト上のテキストや画像などを保存 （Webページ情報） 【活用メリット】 データを読み込む必要がなくなるため、再び同じページにアクセスしたときに素早く表示できる |
Cookieには2種類ある
Cookieは、ファーストパーティクッキー（1st Party Cookie）とサードパーティクッキー（3rd Party Cookie）の2つに分けられます。
どちらもユーザーの情報を記録するものですが、ファーストパーティクッキーは閲覧したWebサイトから直接付与されるのに対し、サードパーティクッキーは閲覧したWebサイト以外から付与される、といった違いがあります。
以下でそれぞれの特徴について解説しますのでチェックしておきましょう。
ファーストパーティクッキー（1st Party Cookie）
ファーストパーティクッキー ＝ アクセスしたWebサイトから直接付与される情報
ファーストパーティクッキーとは、アクセスしたWebサイトから直接付与される情報のことです。ファーストパーティクッキーは、アクセスしたWebサイトでのみ機能します。
たとえば、あるオンラインショップで氏名や住所を入力したケースを考えてみましょう。ファーストパーティクッキーを利用している場合、記録された氏名や住所は、そのオンラインショップでのみ自動入力されます。基本的に、別のオンラインショップやWebサービスで自動入力されることはありません。
異なるパソコンやブラウザを使用すると機能しないことも、ファーストパーティクッキーの特徴のひとつです。閲覧したWebサイトと使用しているブラウザが1対1で対応している、とイメージしておきましょう。
サードパーティクッキー（3rd Party Cookie）
サードパーティクッキー ＝ アクセスしたWebサイト以外から間接的に付与される情報
サードパーティクッキーとは、アクセスしたWebサイト以外から間接的に付与される情報のことです。例として、Webサイトに掲載されている広告の配信元などから付与されるケースがあります。
サードパーティクッキーの大きな特徴は、ファーストパーティクッキーとは異なり、ユーザーの行動を横断的に追跡できることです。サードパーティクッキーには、ユーザーがどのようなWebサイトを閲覧しているか、どのような情報を検索しているか、といった情報まで記録されます。
たとえば、ある商品について検索していると、その商品に関する広告が頻繁に表示されるようになった、という経験がある人も多いのではないでしょうか。この現象はサードパーティクッキーの機能によるもので、商品の検索履歴などが記録されていることで、表示される広告が最適化されているのです。
ただ、便利な機能ではあるものの、プライバシーの問題などが指摘されており、規制を強化するブラウザも増えてきました。
関連記事：サードパーティクッキーとは？規制による影響と廃止までにやるべき対策を解説
Cookieを使用する4つのメリット
Cookieを使用することには、ユーザー側にもWebサイト運営側にもメリットがあります。具体的には下記のような点が挙げられます。
1. SNSやWebサイトのログイン時に入力の手間が省ける
2. ECサイト内のカート情報を保存できる
3. 表示される広告を最適化できる
4. アクセス解析に役立つ
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
1. SNSやWebサイトのログイン時に入力の手間が省ける
SNSやオンラインショップにスムーズにログインできることは、ユーザーにとって大きなメリットです。Cookieを使用すれば、各種Webサービスを利用するときに、ユーザー名やパスワードを入力する手間が省けます。
また、パスワードを忘れてログインできない、といったケースも防止できるでしょう。ただし、Cookieを削除すると再入力が必要になるため、ユーザー名やパスワードはしっかりと保管しておくことが大切です。
Webサービスの運営側としては、利便性が高まることでユーザーが繰り返し利用してくれることを期待できます。
2. ECサイト内のカート情報を保存しておける
ECサイト内のカート情報を保存しておけることも、Cookieを使用するメリットのひとつです。
Cookieを使用すれば、商品をカートに入れた状態でECサイトを離れても、商品が削除されることはありません。再びECサイトにアクセスしたときには、カートに商品が入った状態で買い物を再開できます。
間違ってブラウザを閉じてしまったり、決済するのを忘れてしまったりした場合でも、カート情報が保存されているため、わざわざ商品を探し直す必要はありません。
Cookieがあることで、ユーザー側は快適に買い物ができ、ECサイト運営側は販売のチャンスを広げられます。オンラインショッピングが一般的になった現代社会においては、Cookieの役割はとても大きいといえるでしょう。
3. 自分の興味や関心にマッチした広告が表示される
表示される広告を最適化できることも、Cookieを使用するメリットといえるでしょう。
Cookieを使用すれば、Webサイトを閲覧中に、自分の興味や関心にマッチした広告が表示されるようになります。意味のない広告ばかりが表示されて、不快になることを防げるでしょう。
さらに広告を配信する側にもメリットがあります。費用をかけて広告を配信しても、興味のないユーザーばかりで、広告をクリックしてもらえなければ意味がありません。Cookieを活用することで、興味のありそうなユーザーへアプローチでき、効率よく集客できるのです。
4. アクセス解析やマーケティング施策の立案に役立つ
アクセス解析に役立つ点は、Webサイトを運営する企業側にとってのメリットです。
Cookieを活用することで、Webサイト上でのユーザーの行動を詳しく把握できます。どのようなWebサイトを閲覧し、どのような広告に興味をもったのか、といったユーザーの好みや傾向を把握できるため、マーケティング施策の立案や改善にもつながるでしょう。
Cookieを使用する2つのデメリット
さまざまなメリットがある一方で、下記のようなデメリットも存在します。
1. IDやパスワードを悪用される可能性がある
2. リターゲティング広告が不快になるケースもある
ここではそれぞれのデメリットについても簡単に確認しておきましょう。
1. IDやパスワードを悪用される可能性がある
Cookieの使用は利便性が高い反面、IDやパスワードを悪用される可能性が懸念されます。
とくに、共用のパソコンを使用してIDやパスワードを入力するときは、十分に注意しなければなりません。Webサイト上に個人情報が残ってしまい、次に使うユーザーに知られてしまう可能性もあります。使用後にCookieを削除するなどの対策を講じましょう。
2. リターゲティング広告が不快になるケースもある
Cookieを使用すれば、自分の興味に合う広告を表示させられます。広告を配信する企業側には、無駄な広告費を削減し、集客を効率化できるというメリットがあります。
ただし、同じような広告が繰り返し表示されることで、ユーザーが不快になるケースもあるため注意が必要です。そもそも広告が嫌いというユーザーも多いため、Cookieを活用した過剰なリターゲティング広告は避けるべきでしょう。
まとめ
今回は、Cookieの仕組みや役割、使用するメリット・デメリットなどを紹介しました。Cookieを活用することで、ユーザー名やパスワードの入力を省略できることで、ストレスなくWebサービスを利用できます。マーケティング施策を改善できるという企業側のメリットもあるため、うまく活用しましょう。
ただし、個人情報の流出につながる可能性もあるため、Cookieの使用には十分に注意しなければなりません。必要に応じてCookieを削除するなど、正しく運用していくことが大切です。
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