近年、テクノロジーの進歩に伴って顧客や消費者のニーズが多様化しており、いかにして競合他社との差別化を図るかが重要な経営課題となっています。
そこで有効な取り組みの1つとして「コンテンツマーケティング」があげられ、コンテンツマーケティングによって価値あるコンテンツを提供・駆使することで、競合他社との差別化および経営課題を解決することが出来ます。
本記事では、実際にコンテンツマーケティングに取り組んでいる弊社が、コンテンツマーケティングの概要やメリット・デメリット、必要なツール、具体的な実施手順などについて徹底解説します。
「コンテンツマーケティングってよく聞くけどどんなマーケティング手法なのか知りたい」
「コンテンツマーケティングの実施方法ってどう進めていけばいいの?」
「成功させるポイントってあるの?」
このような上記に当てはまる方は参考になるかと思いますので、ぜひご覧ください。
目次
コンテンツマーケティングとは?
「コンテンツマーケティング」とは、価値のあるコンテンツの提供を通じて見込み客を獲得・育成し、信頼関係の構築や購買意欲の醸成につなげるマーケティング手法です。
コンテンツマーケティングの主な目的は「見込み客の顧客化」と「既存顧客のロイヤルカスタマー化」にあります。
オウンドメディアやSNSなどを通じて見込み客の潜在需要に基づくコンテンツを提供し、ユーザーのファン化を促進することで新規顧客の獲得や顧客単価の上昇、購買頻度の向上といった成果につなげることがコンテンツマーケティングの本質的な目的です。
コンテンツマーケティングが注目される理由
現代はインターネットの普及によって時間や場所に縛られることなく商品を購入できる時代となり、国内市場の成熟化と相まって製品やサービスが飽和状態になってきました。
さらに消費傾向は機能的価値を重視する「モノ消費」から、情緒的価値に重きを置く「コト消費」へと変遷しており、従来のプッシュ型マーケティングでは競合他社との差別化が困難となりつつあります。
このような背景から、有益な情報を発信することでプロダクトの認知度を高め、そこから見込み客や既存顧客との関係性を深めていくコンテンツマーケティングが重要視されているのです。
コンテンツマーケティングの主な4つの手法
コンテンツマーケティングの主な手法は、大きく分けると以下の4つのタイプに分類されます。
- エデュケーショナルタイプ
- コンテンツSEOタイプ
- ネイティブ広告タイプ
- 面白コンテンツタイプ
これら4つを詳しく見ていきましょう。
エデュケーショナルタイプ
「エデュケーショナルタイプ」は、商品やサービスを直接的に売り込むのではなく、見込み客の悩みや疑問に応えるコンテンツを提供するマーケティング手法です。
たとえば、肌荒れに悩んでいる見込み客に化粧水や美容液などを勧めるのではなく、乾燥肌や敏感肌の改善につながるコンテンツを発信することで見込み客のファン化を促進します。
継続的なコンテンツ提供を通じて見込み客との信頼関係を構築し、自社商品の認知度向上や購買意欲の醸成につなげるのです。
コンテンツSEOタイプ
「コンテンツSEOタイプ」は、GoogleやYahoo!など、検索エンジンでの上位表示を最重要課題とするマーケティング手法です。
ユーザーにとって有益な情報提供を意識しつつ、ロングテールキーワードに基づくコンテンツ作成やクローラビリティ、キーワード配分、内部リンクの最適化、Webページの表示速度など、SEOを意識したWebサイトの構造やコンテンツの作成を重要視します。
コンテンツマーケティングを展開する上でコンテンツSEOは必須の取り組みであり、上位表示を実現できれば自然検索流入数の増大が期待できます。
ネイティブ広告タイプ
「ネイティブ広告タイプ」は、他社メディアがもつ集客力を利用して、自社製品の認知拡大やメディアのトラフィック増加につなげるマーケティング手法です。
ネイティブ広告とは、WebサイトやWebサービスのコンテンツエリア内に、通常のコンテンツと同様に表示されるタイプの広告を指します。記事広告やSNS広告、インフィード広告などがあり、他社メディアのコンテンツに溶け込む形で広告が表示されるため、見込み客にストレスを与えることなく自社メディアに誘導できる点が大きな特徴です。
面白コンテンツタイプ
「面白コンテンツタイプ」は、バラエティ豊かなコンテンツを提供することで、潜在顧客や見込み客の獲得を目指すマーケティング手法です。
コンテンツの内容は必ずしも自社の事業に関連している必要はなく、お笑い要素や教養、ドキュメンタリーなど、多様性に富むコンテンツ配信によってユーザーを惹きつけることを目的とします。
既存の枠にとらわれない発想力や新たなジャンルを開拓する創造力が求められますが、口コミの爆発的な拡散を誘引する可能性を秘めている手法です。
主なコンテンツ形態は11種類
コンテンツマーケティングには、11種類のコンテンツ形態があります。その詳細を見ていきましょう。
記事コンテンツ
コーポレートサイトやオウンドメディアなどを通じて、ユーザーに情報を発信するコンテンツ形態です。
具体的には製品やサービスの解説、専門家へのインタビュー、お悩み相談、コラム、Q&Aなどの記事をコンテンツとして提供します。コンテンツマーケティングにおいて基本となる形態であり、見込み客の顧客化と既存顧客のロイヤルカスタマー化を推進する上で必須の取り組みです。
動画コンテンツ
オンデマンド配信やライブ配信により動画で情報を発信するコンテンツで文字や画像だけでは伝わりにくいニュアンスや動作、使い方を表現するのに適しています。
近年はブロードバンドの普及に伴い、さまざまな分野の企業が活用するようになりました。
特にオンデマンド配信の場合、インターネット環境と情報機器さえあればいつでも自由に視聴できるため、半永久的な広告塔として活用できるのがメリットです。
ホワイトペーパー
ホワイトペーパーは、プロダクトの紹介や課題の解決策などをまとめた報告書です。
たとえば、自社メディアからホワイトペーパーのダウンロードを促すことで、顧客となり得る見込み客リストを効率的に獲得できます。
同時に、ホワイトペーパーが有益な内容であればサービスの成約につながる可能性があります。 たとえ購買に至らなくとも、継続的なコミュニケーションを図ることで購買意欲の醸成に寄与するでしょう。
関連記事:ホワイトペーパーとは?作り方や目的、注意点やマーケティングで活用する方法を解説!
SNS
SNSは、InstagramやTwitter、Facebookなどを通じた情報発信を行うコンテンツの種類です。
自社のSNSに多くのユーザーを集められれば、幅広い層の潜在顧客を自社メディアに誘導できる可能性が高まり、自社メディアの集客にも繋がります。
また、現代はスマートフォンの普及に伴ってSNSが隆盛を極めており、若年層ほど利用時間が長い傾向にあり、若年層をターゲットとしたビジネスを展開する場合、SNSの活用は必須の取り組みです。
メルマガ
メルマガは、Eメールで定期的に情報を発信するコンテンツ形態です。
たとえば、メルマガの登録と引き換えにホワイトペーパーや動画コンテンツなど提供することで、自社のサービスや製品に高い関心をもつ見込み客を効率的に集められます。
また、見込み客や顧客との信頼関係を構築するためには継続的なコミュニケーションが不可欠であり、その代表的な手法のひとつがメルマガの配信です。
獲得したリードをそのままにせず、メルマガなどで効率的・効果的に育成できるため、コンテンツマーケティングを行う上で必要不可欠と言えるでしょう。
オンラインイベント(ウェビナー)
オンラインイベントは、オンライン上でセミナーや講演会、展示会などのイベントを開催するコンテンツです。
従来、こうしたイベントは遠距離からの参加が難しく、会場のキャパシティによって参加人数が制限されるケースが少なくありませんでした。
しかし、オンラインイベントは物理的な距離の制限がなく、会場や設備を用意するコストを削減しつつ、全国各地の見込み客を集められるというメリットがあります。
レビュー・事例
その名の通り、ユーザーから寄せられた製品やサービスの評価を発信するコンテンツ形態です。
現代は情報通信技術の発達によって、購買行動に「インターネットを活用した情報検索と口コミの確認や共有」というプロセスが加わっているため、競合他社との差別化を図る上で欠かせない施策です。
また、レビューや事例紹介が拡散されれば爆発的な集客力を発揮する可能性を秘めています。
BtoBでは“事例”が、BtoCでは“レビュー”のコンテンツ充実度によって商談や売上が変わってくると言っても過言ではありません。
ランディングページ(LP)
ランディングページは、コンバージョンの獲得に特化したWebサイトのコンテンツ形態です。
基本的に1ページで構成されており、コーポレートサイトやオウンドメディア、SNS、広告などからランディングページへ誘導し、商品の購入、サービスの申し込み、見積り依頼、資料請求、お問い合わせなどの直接的なアクション・コンバージョンにつなげることを目的とします。
コンバージョンの獲得の他にも、別のチャネルで獲得・育成した見込み客を顧客へと昇華するために必須のコンテンツとしても活用できます。
プレスリリース
プレスリリースは、主に報道機関に向けてプロダクトやイベントなどの情報を告知・発表します。
新たにローンチ(公開)する製品やサービスの情報などをプレスリリースとして発信することで、潜在顧客や見込み客から大きな注目を集められるでしょう。
新聞社や雑誌社、またはインターネットメディアなどの集客力と発信力を利用しつつ、自社のプロダクトをPRできる点が大きなメリットです。
コミュニティ
コミュニティは、自社の優良顧客やプロダクトのファンを集め、その対象に対して情報を発信します。
コミュニティの一員となるのは製品やサービスを利用している顧客、ホワイトペーパーのダウンロードやメールマガジンを登録した見込み客、SNSのフォロワーなどです。
こうした自社に高い興味・関心をもつユーザーを集めることで、見込み客の顧客化と既存顧客のロイヤルカスタマー化を効率的に促進できます。
シミュレーション
Web上で製品やサービスの疑似体験を提供するコンテンツ形態です。
たとえば、ファッションの試着サービスやマッチング診断、あるいは自動車や不動産物件、保険料の算定シミュレーションなどが該当します。
実際の利用感をWeb上で疑似体験したり、具体的なコストを算出したりすることでユーザーがイメ―ジを持ちやすくなるため、リアルな比較検討につながり、より具体的な購入意識の醸成につながります。
コンテンツマーケティングのメリットとデメリット
コンテンツマーケティングには、主にメリットが6つ、デメリットが3つあります。
基本的にはコンテンツマーケティングに取り組むメリットの方が大きいですが、デメリットも抑えておくことで「こんなはずじゃなかった・・・」なんて状況を回避できるので、メリット・デメリットについてそれぞれ詳しく見ていきましょう。
6つのメリット
コンテンツマーケティングは競合他社との差別化を図る上で欠かせないマーケティング戦略であり、以下に挙げる6つのメリットを組織にもたらします。
メリット①:低コストで始められる
コンテンツマーケティングはインターネット上のメディアひとつで開始できるため、比較的低コストで運用できる点が大きなメリットです。
Webサイトの制作やコンテンツの作成、ドメインの取得といったコストを要するものの、マスマーケティングのように多額の広告費用を投じる必要がありません。
メリット②:コンテンツが資産になる
自社メディアを通じて発信されたコンテンツはインターネット上に蓄積され、企業にとって資産価値をもつ媒体となります。
また、検索エンジンは基本的にページ数の多いWebサイトを評価する傾向にあるため、コンテンツの継続的な発信はSEOの観点でも有利に働く点が大きなメリットです。
メリット③:集客の仕組みが構築できる
コーポレートサイトやオウンドメディアなどに蓄積されたコンテンツは、Web上における半永久的な広告塔として機能します。
購買意欲の高いキーワードで検索エンジンの上位表示を実現できれば、広告費用を投じることなく濃い見込み客を大量に、継続的に集められるというメリットがあります。
メリット④:ブランディング効果を見込める
専門的な情報を発信し続け、有益なコンテンツが蓄積されることで、その分野のプロフェッショナルとして認識される可能性が高まります。
特定分野におけるオピニオンリーダーとしての地位を確立できれば、見込み客の獲得と既存顧客のロイヤルカスタマー化につながります。
メリット⑤:SNSとの相性が良い
コンテンツマーケティングの大きなメリットはSNSとの相性の良さです。
独自性に優れる有益なコンテンツを発信し続けることで、InstagramやTwitterなどのSNSで爆発的な拡散を誘引する可能性を秘めています。
メリット⑥:嫌われないマーケティングを行える
コンテンツマーケティングはプッシュ型マーケティングのように積極的に売り込むのではなく、情報発信を通じてユーザーの興味・関心を引き付けるプル型のアプローチです。
売り込まずに誘導する販売促進活動が基本となるため、見込み客に嫌悪感を抱かれにくいというメリットがあります。
3つのデメリット
どのような物事にもコインの表と裏のように二面性があり、メリットの裏には必ず相応のデメリットが存在します。コンテンツマーケティングのデメリットとして挙げられるのが以下の3つです。
デメリット①:短期的な成果にはつながらない(効果を実感するまで時間がかかる)
コンテンツマーケティングは広告費用を投じることなく集客媒体を構築できるものの、短期間でユーザーを集めるのは非常に困難です。
Webサイトが検索エンジンから評価されるためにはコンテンツの量・質どちらも重要であり、SEOのみであれば公開後の1〜3ヶ月はトラフィックが皆無でも何ら不思議ではありません。
そのため、足の長い施策であることは覚えておきましょう。
デメリット②:時間と手間がかかる
コンテンツマーケティングでは、いかにして有益な情報をユーザーに提供するかが最重要課題であり、コンテンツの作成は相応の時間と手間を要します。
また、アウトソーシングする場合は相応のコストが必要であり、内製化する場合はコストを抑えられるものの、本来であればコア業務に投入できる人的資源をコンテンツの作成に割かなくてはなりません。
デメリット③:継続的なコンテンツ発信が重要
コンテンツマーケティングは短期的な成果を得るのは困難であり、継続的に情報を発信が重要なカギとなります。
そのためにはネタとなるコンテンツの作成が必要になり、コンテンツ作成には一定のコストを要しますが、”継続的”という観点を踏まえると、一度限りというよりはある程度持続的または定期的に予算を割く必要があるでしょう。
ただ、先述の通り作ったコンテンツは資産になるので、コストを投じて終わりではないことも覚えておきましょう。
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOとの違い
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOは同義と捉えられがちですが、この2つの定義は明確に異なります。
コンテンツマーケティングは、あらゆるメディアやチャネルを活用して有益な情報を発信し、見込み客を獲得・育成する一連の構造や仕組みを指す一方、コンテンツSEOはあくまでも検索エンジン最適化を主眼に置く手法でしかありません。
イメージとしては、コンテンツマーケティングにおけるSEO領域の施策がコンテンツSEOであり、コンテンツSEOはコンテンツマーケティングに内包される手法のひとつです。
コンテンツマーケティングを実施する手順
コンテンツマーケティングを経営体制に取り入れるためには、適切なプロセスを段階的に踏破しなくてはなりません。
コンテンツマーケティングを実施する基本的な手順は以下の通りです。
①実現したい目的を明確にする
コンテンツマーケティングの実践における第一歩は、目的の明確化です。
例えば、既存顧客のロイヤルカスタマー化を目指す場合と、潜在顧客を発掘したい場合とでは、適切なコンテンツの形態や内容も異なってくるからです。
コンテンツマーケティングにはさまざま手法や媒体の種類があり、自社の事業形態や目標に適した戦略を用いていかなくてはなりません。コンテンツマーケティングの導入で実現したい目的を具体的かつ定量的に落とし込みましょう。
②目標(KPI)設定
コンテンツマーケティングの導入によって実現したい目的を明確化したなら、次のステップは定めたゴールへ至るための中間目標となるKPIの設定です。
コンテンツマーケティングは効果が出るまで比較的長時間を要しますが、中間目標を達成していくことで効果を実感しながら最終的な目標に到達できる可能性が高まるでしょう。
例えば、「ランディングページのコンバージョン率を前年比120%にする」という目的を実現するためには、自然検索流入数の増加や直帰率の改善、精読率の向上、再訪問率の上昇といったKPIが必要です。
登るべき山頂はひとつだとしても、頂につながる道は無数にあるので、自社の経営資源や財務状況などに応じて適切なルートを選択しましょう。
③ペルソナ設定
マーケティングにおいて重要な課題のひとつはターゲティングであり、そのために必須となる施策がベルソナ設定です。
そもそもペルソナとは、ラテン語で「仮面」を意味する概念で、ビジネスの領域では「プロダクトを利用する架空の人物像」を指す用語として用いられます。
ターゲットの年齢や性別、職業や年収、住んでいる地域、家族構成、ライフスタイルなどを具体的に定義することで、見込み客の潜在需要や消費者インサイトを捉えたコンテンツマーケティングを展開できます。
④カスタマージャーニーマップ(コンテンツマップ)の作成
カスタマージャーニーとは、商品やサービスの認知から購買に至る一連の行動を可視化するためのフレームワークです。
カスタマージャーニーを考えることで、見込み客がどんな悩みを抱え、どのように考え、具体的に何を調べるのかというプロセスを明確化することで、購買心理や消費行動を客観的な視点から分析できます。
こうしたユーザーの購買心理や消費行動を具体的なマップ化し落とし込んだものが、カスタマージャーニーマップです。
見込み顧客の状況によって刺さるコンテンツは変わってくるのが当たり前なので、効果的なコンテンツを考えるためにも、カスタマージャーニーマップで見込み顧客の行動プロセスを可視化するようにしましょう。
⑤メディアを決める
コンテンツマーケティングの目的やペルソナを設定し、カスタマージャーニーマップを作成したなら、それらの情報に基づいて運用するメディアを決定します。
現代のコンテンツマーケティングは、基本的にWeb上のメディアを活用するのが一般的です。
しかし、Webメディアといってもコーポレートサイトやオウンドメディア、ブランディングサイト、ランディングページ、SNS、メールマガジン、動画配信サービスなど多様な媒体が存在するため、自社の事業形態やマーケティング戦略に適したメディアを選択する必要があります。
⑥コンテンツの設計・作成
ホワイトペーパーのダウンロードやランディングページへの誘導などにつながる導線を設計しつつ、設定したペルソナにとって有益なコンテンツを作成します。
このとき重要となるのがキーワードの選定です。
見込み客の琴線に触れるキーワードを組み込むことで、コンテンツの精読率の上昇や購買意欲の醸成につながり、さらにSEO施策としても機能します。
また、このフェーズでは見込み客や顧客が求めるコンテンツを作成するだけでなく、売上高と収益性の最大化につながるコンバージョンの導線を設計する意識をもつことが大切です。
⑦効果測定をする
効果測定もコンテンツマーケティングにおいても重要な手順のうちの1つです。
先述したように、コンテンツマーケティングは短期的な成果の獲得が難しく、継続的に情報を発信しなくてはなりません。継続的な発信にばかりウエイトを置きがちになりますが、ただ情報を発信し続けるだけでなく、PDCAサイクルを回す継続的な改善が必要です。
後述する「Google Analytics」や「Google Search Console」といったWeb解析ツールを活用し、メディアのトラフィックや直帰率、流入キーワードなどを分析し、定量的な効果測定を実施する必要があります。
成功させる4つのポイント
コンテンツマーケティングを実践するためには、必ず押さえなくてはならないポイントがいくつか存在します。
ここでは、コンテンツマーケティングを推進する上で押さえておきたい4つのポイントについて解説します。
ターゲット像が役に立つ“質の高いコンテンツ”を制作する
冒頭で述べたように、コンテンツマーケティングの目的は「見込み客の顧客化」と「既存顧客のロイヤルカスタマー化」であり、ターゲットにとって有益な質の高いコンテンツを提供しなくてはなりません。
そして、“有益なコンテンツ”の定義はターゲット像によってそれぞれ異なります。
したがって、ターゲットにとって有益なコンテンツを届けるためには、いかにして見込み客や顧客の潜在需要を分析するかが重要です。
最適なタイミングでコンテンツを届ける
コンテンツマーケティングでは、ターゲットにとって最適なタイミングで、適切なコンテンツを届けるという意識が必要です。
たとえば、売り込み型のメールマガジンを毎日配信した場合、見込み客に嫌悪感を抱かれる可能性が少なくありません。一方、ブログ記事であれば、1~2日に一度など頻繁に更新するのが効果的です。
こちらの都合で一方的に情報を発信するのではなく、コンテンツの種類に応じて、どういう時期にどのくらいの頻度だと興味を持って見てもらえるかを考えましょう。
スモールスタートから取り組む
コンテンツマーケティングのメリットは低コストで戦略を展開できることであるため、メディア運営の初期段階から広告費用や高価なデジタルツールに投資するのはおすすめしません。
仮に広告出稿によって大量のトラフィックを集められたとしても
- コンテンツが少ない
- コンテンツに魅力がない
- コンバージョンに至る導線が曖昧
上記のような状態では思うような成果を創出するのは困難です。
なので、広告費用やデジタルツールへの投資は最小限に抑えつつ、効果測定を実施しながら段階的に戦略規模を拡大していくスモールスタートでコンテンツマーケティングを実施するようにしましょう。
効果検証を忘れない
どのような事業領域においても効果検証の継続は必須であり、常に「計画(Plan)」→「実行(Do)」→「評価(Check)」→「改善(Action)」のPDCAサイクルを回し続けなくてはなりません。
それはコンテンツマーケティングにおいても同じことが言えます。
漠然とWeb解析ツールの分析結果を眺めるだけでなく、改善すべきポイントを吟味し、必要に応じて適切な施策を講じることが大切です。
記事のリライトや追記、キーワードの見直し、余分な文章を削除するなど、仮説と検証を繰り返しながら継続的な改善に取り組む必要があります。
よくある失敗例
コンテンツマーケティングのよくある失敗例として、「曖昧なターゲティング」が挙げられます。
見込み客の需要分析や市場動向のリサーチを怠ると、ターゲットにとって魅力的なコンテンツを作成するのは困難になり、コンテンツマーケティングが上手くいかないことがあります。
また、目的や目標設定が曖昧だったり、自社本位の独りよがりなコンテンツを配信していたりといった失敗事例も少なくありません。
そうならないためにも、自社の顧客となり得る見込み客が何に悩み、どのような課題を抱え、どうなりたいと願っているのかという分析を徹底することが大切です。
コンテンツマーケティングで必要なツール
戦略的なコンテンツマーケティングを展開するためには、優れたツールの活用が不可欠です。
特にコーポレートサイトやオウンドメディアの戦略的な活用を推進する上で以下の3つは必要不可欠なツールと言えます。
- CMS
- Google Analytics
- Google Search Console
この3つのツールについて詳しく見ていきましょう。
CMS(コンテンツマネジメントシステム)
「CMS」とは、「Contents Management System」の略称で、簡単に言えばWebコンテンツを構成するテキストや画像などを管理するシステム=コンテンツを入れる箱です。
CMSには「Movable Type」や「Drupal」など複数の種類がありますが、最もおすすめしたいのが「WordPress」です。
弊社のこのコミュニケーションサプリもWordpressで作られていますが、WordPressは世界で最も人気の高いCMSであり、豊富なテンプレートがリリースされているため、HTMLやCSSの知識がなくとも比較的容易にWebメディアを構築できます。
Google Analytics(グーグルアナリティクス)
「Google Analytics」とは、Googleが提供しているWeb解析ツールで、無料とは思えないほど優れた機能を搭載しています。
たとえば、よく聞くPV(ページビュー)や、セッション継続時間や流入経路、直帰率、回遊率といったユーザー動向を数値化し多角的な視点から分析できるツールです。
Webサイトを活用したコンテンツマーケティングを展開する上で欠かせないツールであり、個人から法人まで多くのWebサイト運営者に利用されています。
Google Search Console(グーグルサーチコンソール)
「Google Search Console」とは、Google Analyticsと同じくGoogleが提供している無料のWeb解析ツールです。
Google検索におけるWebサイトおよび各コンテンツの平均掲載順位や表示回数、ユーザーの流入経路など、検索エンジン最適化における重要データを定量的に分析できます。
また、サイトマップの登録やWebサイトのインデックス状況の確認なども行えるため、Webメディアを運営していく上で必須のツールです。
コンテンツマーケティングを行う上で上記3つのツールは必須となりますが、基本的には全て無料で使えるので、是非活用するようにしましょう。
また有料になり必須ではないものの、コンテンツマーケティングと相性が良いMA(マーケティングオートメーション)を導入していると、効果を最大化してくれる期待ができるので、自社の状況に応じて導入の検討もしてみてください。
まとめ
コンテンツマーケティングとは、コンテンツ配信を通じて見込み客を集め、信頼関係の構築や購買意欲の醸成につなげるマーケティング手法です。
市場の成熟化に伴って製品やサービスが飽和する現代では、競合他社との差別化が求められます。
- 集客に困っている
- 既存のロイヤルカスタマー化が中々できない
- 競争優位性の確立を目指している
これらに当てはまる企業は、ぜひ本記事を参考にしながらコンテンツマーケティングを検討・実践してみてください。
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