広告は見ない日はないくらい日常生活の中にあふれており、魅力的な広告であればあるほど、私たちの記憶に鮮明に残りますよね。
一方で、マーケティングやプロモーションを実施する側になったとき
「そもそも広告媒体にはどのような種類があるんだろう?」
「各広告媒体の特徴を改めて知っておきたい!」
「広告媒体の選び方はどうすればいいのか?」
このような方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、各広告媒体の種類やそれぞれの特徴やメリット、デメリットに加え、媒体選びの際のポイントも解説します。 各広告媒体について理解すれば、効果的な広告を実現できる媒体を選ぶ際に役立ちますので、ぜひご覧ください。
広告媒体とは?

そもそも広告とは「情報を世間へと伝え広めること」で、広告媒体とは「広告を発信・伝達するメディアであり、情報発信の手段や方法」を指します。
媒体を通してさまざまな商品やサービス、企業の情報などが人々へと伝わるのです。
そんな広告媒体には、新聞、雑誌、ラジオ、テレビ、看板やポスター、チラシ、インターネットなど様々な種類があるので、以下で詳しく解説します。
広告媒体の種類は大きく分けて3つ
広告媒体の種類は大きく分けて3つあり、
1. マス媒体
2. SP(セールスプロモーション媒体)
3. インターネット媒体
の3つに分類されます。
これらを詳しく見ていきましょう。
マス媒体
マス媒体はTVや新聞などのマスメディアを指し、不特定多数の老若男女に一斉に発信できるため、情報を広く伝える・認知させる手段として有用です。
マスメディアは、政治・経済に加えて文化や娯楽、啓発に至るまでさまざまな分野へ多大な影響・効果を与えます。 かつての日本の広告市場ではマス媒体が主流で、スマートフォンの普及やインターネット媒体の台頭により全盛期よりは衰えていますが、広告市場においてマス媒体は2兆3985億円の規模からもわかるように、未だ顕在であり重要な位置を占めています。
SP(セールスプロモーション)媒体
SP媒体はマス媒体とインターネット媒体を除いたほぼすべての媒体とも言い換えられ、商品やサービスへの購買意欲を引き出すだけでなく、購買意欲を高めるために利用されます。
SP媒体はマス媒体と比べて利用しやすく、比較的コストが安い点が特徴で、他の多くの媒体と異なり媒体を購入したり、視聴するための機械を用意したりする必要がないため、情報の受け手にもコストがかかりません。
インターネット媒体
インターネットの普及や発展に伴い、検索エンジン、各種サイトやソーシャルメディアなどを含むインターネット媒体は、近年急激に伸びており、今や広告媒体の主流のひとつになりました。
先述の通り、2021年にはこれまで広告媒体として主流だったマス媒体を抜き1位になったことからも、今後もさらなる発展・成長が見込まれている媒体です。
各広告媒体の種類(詳細)
マス媒体の種類

マス媒体には、以下の種類があります。
- テレビ
- ラジオ
- 雑誌
- 新聞
それぞれ詳しく見ていきましょう。
マス媒体の種類①:テレビ
テレビは、電波を通して映像・音声が送られる技術や装置であり、マス媒体の中でもっともメジャーな広告手段で、企業のさまざまな商品・サービスのコマーシャル(CM)はテレビを介して視聴者・消費者に伝えられます。
情報の伝達速度に優れ、伝わる範囲も広く、テレビでは映像と音声で情報伝達がなされ、視覚・聴覚の両方から情報を受け取るため視聴者の記憶に残りやすくなるのです。
また、コストはかかりますが有名人や芸能人が起用されたCMには大きな宣伝効果が期待できます。
近年、若い世代ではテレビ離れの傾向が強まっていましたが、インターネットに接続可能なスマートテレビが登場し、現在も多くの人が利用しています。 このような新技術も注目を浴びており、時代に合わせてさらなるコテンツの充実や発展が見込まれています。
マス媒体の種類②:ラジオ
ラジオは、電波を通して行われる音声放送です。音声だけが放送されるので、電波が届く地域で利用されることから、地域・ローカル色が強い点が特徴です。
ラジオは災害時の情報発信・収集に役立つのはもちろん、日常生活においても車内での交通情報やニュースをリアルタイムで流します。
番組や時間帯によりターゲット層をしぼれるため、狙いとする層に向けた広告(CM)を流すことも可能です。ラジオは何か作業をしながら聞く人が多いため、テレビと異なりラジオ広告が流れても、チャンネルを変えずに聞いてもらえやすいでしょう。
ただし、集中せずにラジオを聞いている人には、広告も聞き流されてしまう恐れもあります。
マス媒体の種類③:雑誌
雑誌は一定の期間ごとに刊行される出版物であり、紙面の間には広告が掲載されます。最近では、電子書籍の形態で雑誌を購入して読む人も増えてきました。
ファッションや美容、金融や経済、趣味などのさまざまなジャンルに分かれており、そのジャンルや分野に興味を持った人が購読します。
そのため、不特定多数に向けたアプローチには不向きですが、特定のターゲット層にしぼった宣伝や発信が可能で、テレビやラジオと異なり紙媒体の広告であるため、何度も読み返して内容を見てもらえる可能性があります。
マス媒体の種類④:新聞
新聞は社会のニュースや意見、論評などを読者に提供・伝達する定期刊行物で、大きくは一般紙と専門紙に分けられ、経済紙、地方紙などさまざまな種類があります。新聞はテレビと異なり、リアルタイムでの発信は難しいですが、社会へ与える影響は大きい媒体です。
新聞から得られる情報は社会的な信用度・信頼性が高いとみなされる傾向があり、新聞に広告を掲載すれば、企業や商品へのイメージも向上するでしょう。
若い世代には紙媒体の新聞を読まない人が多いですが、スマートフォンやタブレットから購読できる電子版も登場するなど、サービスは充実しつつあります。
マス媒体のメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
---|---|---|
テレビ | ①多くの人に早く情報を発信可能 ②印象に残りやすい | ①コストが高い ②CMを煩わしいと感じる人もいる |
ラジオ | ①ターゲット層を設定しやすい ②制作コストが安い | ①印象に残りにくく特徴を伝えにくい ②聞き流される可能性がある |
雑誌 | ①ターゲット層を設定しやすい ②読み返しが可能 | ①購読層以外の潜在的な顧客へアプローチしにくい ②読み飛ばされる可能性がある |
新聞 | ①社会的な信用度が高い ②読み返しが可能 | ①購読層以外の潜在的な顧客へアプローチしにくい ②特に若い世代の購読者が少なく、情報拡散をあまり見込めない |
マス媒体は他の広告媒体と比較して、シニア層も含めた幅広い年齢層への情報発信が可能であり、影響力が大きい媒体もあります。
しかし、多くの場合大きなコストが発生するため、利用する際には慎重に選ぶことが大切です。
SP媒体の種類

SP媒体には、以下の種類があります。
- DM
- チラシ
- 交通広告
- デジタルサイネージ
- 看板・のぼり・POP
それぞれ詳しく見ていきましょう。
SP媒体の種類①:DM
DM(ダイレクトメール)は、顧客に直接送られる郵便物や電子メールを指します。
不特定多数に向けたマス媒体やインターネット媒体とは異なり、特定の個人に向けて直接の宣伝やアプローチが可能です。 送付後にDMがからWebサイトへアクセスされたかや、リピート率や購買状況などのデータをとりマーケティングに活かすこともできます。
しかし、開封せずに捨てられる恐れもあるため、内容をしっかりと読んでもらうためには、ターゲットに響く訴求内容であることや、デザイン性を高めるなどの工夫が大切です。
SP媒体の種類②:チラシ
広告や宣伝のために制作されるチラシは店舗や人通りのある場所で配布されるほか、新聞に折り込んだりポストに投函されたりして人々に届けられます。
チラシの種類には、新聞の折り込みチラシ、ポスティングチラシやWEBチラシなどがあり、チラシには配布される地域やターゲットをしぼりやすいという特徴があります。
中でも、新聞を通して届けられる折り込みチラシは、新聞の高い信用性と相まって信頼できる情報というイメージを与えます。
新聞を購読していない人に対しては、アプリやホームページなどに掲載されるWEBチラシなどで情報を発信・宣伝可能です。 ポスティングチラシは、手作りも可能でありコストを抑えられますが、「チラシお断り」というステッカーが貼られたポストに見られるように、忌避感を持つ層も存在します。
SP媒体の種類③:交通広告
交通広告とは、公共の交通機関や施設で表示される広告です。
電車の中吊り広告や駅の構内、地下鉄のドアの横に貼られているものなど、通勤や通学する多くの人が目にしやすい場所に掲載されます。さらに広告を見た人は、人が多く集まる場所に掲載されていることから、商品や企業がよく知られており、信頼性が高いというイメージを持つ傾向があります。
しかし、交通機関には同じような広告が多く貼られているため、差別化が難しい場合があることや、交通広告にはポスター、看板型などさまざまなタイプがあり、エリアや広告掲載の時期によってはコストが高くなる点には注意です。
SP媒体の種類④:デジタルサイネージ
デジタルサイネージは、電子機器を用いたデジタルの看板や掲示板です。近年特に注目されており、公共の交通機関や屋外などのさまざまな場所でデジタルサイネージを見かけるようになりました。
デジタルサイネージは視認性が高く、屋内・屋外を問わずさまざまな場所に設置可能で、データを入れ替えれば広告の差し替えも容易にできるため、自由度も高くリアルタイムで情報を流せます。
このように従来の看板や掲示板の枠から出た機能や効果が備わっていますが、デジタルサイネージは初期費用やメンテナンス費用が必要なのと、故障時にも修理費用がかかるなどコストがかかることは覚えておきましょう。
SP媒体の種類⑤:看板・のぼり
看板は、企業名や屋号が印字された板です。
特にのぼりは店名・商品名がプリントされた布を竿に通した旗であり、小売店や量販店などに設置されていることが多く、看板・のぼりのどちらも視認性が高く、遠くからでも目立つため集客効果が期待できます。
一度設置すれば看板は長く使用できますが、大型のものになると定期的な点検が必要であり、コストもかかりますし、宣伝内容が変われば、新たに制作しなければなりません。 のぼりは看板に比べて安く設置できますし、手軽に扱えますが、天候が荒れると風などで揺れてのぼりの字が見えにくくなってしまう点も覚えておきましょう。
SP媒体の種類⑥:POP
POPとは購買時点広告であり、Point of purchase advertisingの頭文字をとったもので、POPは店の外や中、商品の近くに置かれ、消費者の購買意欲を刺激する役割があります。
店頭や商品の隣に設置されているPOPには、商品の説明や特売情報、価格などが記載されていることが多く、極端な話POPがあれば、わざわざ商品について店員に尋ねる必要がなくなることも。POPは状況に合わせて柔軟に差し替えもでき、効果的なPOPにすることで店の雰囲気や活気によい影響を与えます。
ただし、POPが多すぎたり、センスが悪かったりすると逆効果になってしまうので要注意です。目的やターゲット層をしぼったうえで、工夫して作りましょう。
SP媒体のメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
---|---|---|
DM | ①ターゲットに確実に届けられる ②効果測定をすることでマーケティング活動に役立つ | ①郵便物はコストが高いものがある ②工夫をしないと開封されない可能性がある |
チラシ | ①同じ場所で一定期間目にするので、記憶に残りやすい ②認知度や信頼性が高いイメージを持ちやすい | ①読まずに捨てられる可能性がある ②折り込みチラシの場合、新聞を購読していない層には届かない |
交通広告 | ①同じ場所で一定期間目にするので、記憶に残りやすい ②認知度や信頼性が高いイメージを持ちやすい | ①広告を見ない人もいる ②差別化が難しく、他社の広告に埋もれやすい |
デジタルサイネージ | ①視認性が高い ②簡単にデータを差し替え可能 | ①初期費用・メンテナンスのコストが高い ②電気が通らないところでは使えない |
看板・のぼり | ①一度設置すると長期間使用可能 ②視認性が高い | ①初期費用やメンテナンス費用が必要 ②風が吹くとのぼりの字が見えにくくなるなど、天候の影響を受けやすい |
POP | ①効果が売上などに反映されやすい ②店の雰囲気やイメージ向上に役立つ | ①デザイン性が要求される ②かえって商品イメージが悪くなる場合がある |
多くの種類があるSP媒体には、他の広告媒体と比べて「コストが安い」という点がメリットとして挙げられます。しかし、低コストゆえに影響力が弱いというデメリットを抱えています。
例えば、看板・のぼりやPOPといったSP媒体の宣伝効果は、小売店やイベント会場など、実際に足を運んだ人に限定されがちです。
ですが、やり方によってはこうしたデメリットを緩和できるため、運用においては工夫することが大切です。
インターネット媒体の種類

インターネット媒体には、以下の種類があります。
- リスティング広告
- バナー広告(ディスプレイ広告)
- 動画広告
- メール広告
- ジオターゲティング広告
それぞれ詳しく見ていきましょう。
リスティング広告
リスティング広告は検索連動型広告と呼ばれるものであり、GoogleやYahoo!をはじめとした検索エンジンでキーワードを入力し検索した際に結果のページの上部や下部に掲載される広告のことです。
広告の成果が数値として可視化できることはもちろん、
- 他の媒体より低コストで広告出稿できる(細かい金額の調整が可能)
- 商品やサービスに興味があるターゲット層をしぼってアプローチできる精度の高いターゲティング
- リアルタイムで広告の成果を数字で確認でき、状況に応じてすぐさま改善を反映できる即時性
などのメリットがあります。
ただし、競合する相手や商品があれば広告枠の競争は激化するため、他社との差別化を図る必要があります。
広告で掲載順位を上げるためには、広告の品質を示す「品質スコア」の数値を高くする必要があります。こちらでは、品質スコアについて詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。

バナー広告(ディスプレイ広告)
バナー広告(ディスプレイ広告)は、バナーを使った広告を指し、Yahoo!などの検索エンジンの画面の広告枠に数センチ角の画像や動画が表示される形式です。
バナー広告の視覚的なインパクトは大きく、広告を目にした人に興味を持ってもらえるなどの認知拡大できるメリットがあります。
しかしバナー広告の制作は手間がかかり、そのうえ魅力的なデザインや構成でなければ人々の関心を引けず、効果が薄れてしまう点も押さえておきましょう。
動画広告
動画広告は、YouTubeなどで表示される動画を使った広告です。
映像と音声で宣伝できるテレビCMのような広告であり、わかりやすく伝わりやすいという特徴があり、動画広告の市場規模も年々拡大している広告媒体です。
動画広告は先述のリスティング広告やバナー広告に比べて、伝えられる情報量が多いことや、難しそうなサービスや商品でもかみ砕いて伝えられるため、ユーザーが理解しやすくなる点がメリットでしょう。
ただし、動画制作は撮影や音声入力、編集作業などコストがかかる点や、動画広告の中には数秒間経過すると視聴者が任意で飛ばせる広告もあるため、魅力的な動画を作る必要があります。
SNS広告
SNS広告は、TwitterやFacebook、InstagramといったSNSに掲載する広告です。
SNS広告ではSNSに登録されているユーザーの情報をもとにして、最適なターゲットにしぼり広告を配信できたり、拡散されやすく情報が広がりやすい点も特徴です。
しかし、大きなインパクトを狙うあまり極端な内容にしてしまうと、炎上する恐れがあるので注意しましょう。
メール広告
メール広告は、電子メールを用いて配信される広告のことで、装飾無しのシンプルなテキスト形式とフォントや色を変えられ視覚的に訴求できるHTML形式があります。
メール広告は商品やサービスの購入が期待できる顧客に向けて送信するため、成果につながりやすい傾向があります。
また、他のインターネット媒体に比べて簡単に作成可能であり、スピーディーに送信できます。
ただし、広告を代行会社に依頼すればコストは高くなりますし、メール広告が迷惑メールとみなされたり、そもそも開封されずに捨てられたりする恐れがあるため、まずは開封してもらえるような工夫が大切です。
ジオターゲティング広告
ジオターゲティング広告は、インターネットやスマートフォンの位置情報から割り出したターゲットに配信する広告のことで、エリアマーケティングを考えている方にとって有効な広告です。
例えば、位置情報を特定し、近隣店舗で実施されているセールやキャンペーンの情報を提供するなどといったことができます。売上UPを狙うだけでなく、店の認知度向上や来店促進などが目的とするときに、より効果を発揮してくれるでしょう。
ただし、ターゲット層の設定を誤ると効果が薄まること、さらに成果の分析も難しいので専門の会社に依頼したほうがよいことなどを押さえておきましょう。
インターネット媒体のメリット・デメリット
メリット | デメリット | |
---|---|---|
リスティング広告 | ①ターゲット層を設定しやすく、ターゲティング精度が高い ②1,000円ほどの低予算からでも広告出稿可能 | ①潜在的な顧客にアプローチしにくい ②競合が多いとコストが高騰する傾向がある |
バナー広告 | ①潜在的な顧客にアプローチできる ②視覚的効果が高い | ①制作コストが高い ②成果がわかりにくい |
動画広告 | ①印象に残りやすく認知拡大に繋がる ②情報量が多いがユーザーが理解しやすい | ①制作コストが高い ②視聴者にスキップされてしまう可能性がある |
SNS広告 | ①ターゲット層を設定しやすい ②拡散されやすい | ①手間・コストがかかる ②炎上リスクがある |
メール広告 | ①ターゲット層に直接アプローチが可能 ②時間をかけずに低コストで配信可能 | ①開封されない可能性がある ②送付先となるメールアドレス情報が必要 |
ジオターゲティング広告 | ①潜在的な顧客にアプローチできる ②特定エリアのターゲット層にアプローチが可能 | ①ターゲット層の設定を誤ると効果がない ②効果分析には専門性が必要 |
現在多くの人がインターネットを日常的に利用しているため、インターネット媒体を利用すれば不特定多数の人に対して効率よく効果的にプロモーションやPR、マーケティングが可能であるなどのメリットがあります。
また、全て数値化されて成果が可視化できる点や、クリエイティブ面を即時で変更できる点なども大きなメリットと言えるでしょう。
広告を制作する時間・手間や出稿するコストがかかるというデメリットは他の広告媒体と共通ですが、インターネット広告の場合、運用コストも発生する点が他の広告媒体との違いです。
また、どれだけ魅力的な広告を制作して出稿しても、インターネットを使用しない、あるいは苦手な層には効果が見込めない点も考慮しておきましょう。
広告媒体別ランキング
広告市場は、2020年に新型コロナウイルス感染症(新型コロナ)の拡大により大幅に落ち込みましたが、オリンピックの開催や新型コロナワクチン普及などの影響を受けて2021年には回復傾向を見せ始めました。
株式会社電通の電通報「2022年 日本の広告費解説」によると、2022年の日本の総広告費は15年ぶりに7兆円を超える7兆1021億円で、広告媒体別のランキングとしては、1位がインターネット媒体、2位がマス媒体、3位がSP媒体となっています。
それぞれ内訳を見てみましょう。
1位 インターネット広告
インターネット広告費は合計3兆912億円で、内訳の概要は以下の通りです。
- 媒体費 2兆4801億円
- 新聞(デジタル) 221億円
- 雑誌(デジタル) 610億円
- ラジオ(デジタル) 22億円
- テレビメディア(デジタル) 358億円
- 製作費 4203億円
2位 マス媒体
マスコミ四媒体広告費は2兆3985億円で、内訳の概要は以下の通りです。
- テレビ 1兆8019億円
- 新聞 3697億円
- 雑誌 1140億円
- ラジオ 1129億円
3位 SP媒体
プロモーションメディア広告費は1兆6124億円で、内訳の概要は以下の通りです。
- 屋外 2824億円
- 交通 1360億円
- 折り込み 2652億円
- DM 3381億円
- フリーペーパー 1405億円
- POP 1514億円
- イベント・展示・映像ほか 2988億円
先述の通り、2022年もインターネット広告費がもっとも高い金額を占める結果になり、2021年に1997年の推定開始以来、インターネット広告費がマスコミ四媒体広告費を初めて上回って以降、2年連続でインターネット広告の広告費が伸長し、世の中のデジタル化の加速がインターネット広告費の成長を後押ししています。
一方、マスコミ四媒体広告費に関しては、前年比97.7%と、全体的に2021年よりは落ち着いたものの、ラジオ広告費が前年比102.1%と唯一伸長している注目の広告媒体も見逃せません。
また、キャンペーンやイベントなどに伴うプロモーションメディア広告費も、2021年と比べると減少していますが、各種行動制限が緩和され人流の戻りも影響し、「屋外広告」「交通広告」「折込」といった広告媒体は前年に引き続きプラスに、その他の「DM」や「イベント・展示・映像ほか」などの広告媒体は前年より微減となりました。
社会状況・経済状況の変化を受けて広告市場は日々大きく変化しており、各媒体では成長を目指してさまざまな取り組みが行われています。
広告媒体を選ぶ際のポイントと手順

広告媒体を選ぶ際に大切なのは、目的とターゲットを考慮して媒体を選ぶことです。
もし、広告媒体の選定を間違えてしまうと、費用対効果が悪くなり思うような成果を得られない=目的が達成できなくなってしまうためです。
そうならないためにも、ここからは必要最低限な3つのステップに分けて選定手順を解説していきます。
STEP1:目的の明確化
まずは広告媒体を使う目的を明らかにしましょう。
- 何のために広告を出すのか
- どういう成果を出したいのか
などできるだけ目的を明確にしておくことで、どの広告媒体を使うべきか大きく変わるため重要なポイントです。
STEP2:ターゲットの明確化
次にターゲットの明確化です。ここでは、
- どのようなターゲットに情報を伝え宣伝したいのか
の、対象となるターゲット層をできるだけ細かく明確にしましょう。
この”誰に”が定まっていないと、不適切な広告媒体を選定してしまい、コストだけかかって失敗することも往々にしてあるため、しっかりとターゲットの明確化を行いましょう。
STEP3:媒体の選定
目的とターゲットの明確化ができたら、どの媒体を利用するのかを決めます。
先述の各媒体の種類や特徴に加えて
- 広告掲載期間は短期か長期か
- コスト(予算)はどれほどかかるのか
など細部まで綿密に検討し、内容と媒体のミスマッチを防ぎましょう。
広告媒体選定例を5つご紹介
「目的の明確化」と「ターゲットの明確化」を踏まえた上での広告媒体選定の例は以下の通りです。
- 選定例①:購買意欲UP×40代女性=ファッション誌・DM
- 選定例②:店舗来店率UP×地域住民=チラシ・ジオターゲティング広告
- 選定例③:認知度UP×就活生=学生誌・SNS広告・バナー広告
- 選定例④:売上UP×20代男性=リスティング広告・動画広告
- 選定例⑤:リード獲得×企業の部長=リスティング広告・SNS広告・DM
このように目的とターゲットにマッチした媒体を選ぶよう心がけることが、媒体選定のキホンであり、成果を出す重要なポイントとなります。
そのためにも、各媒体を用いるメリットだけでなくデメリットもふまえて、どのような点に注意し、改善すればよいかを事前に考えておくことが重要です。
まとめ
広告媒体には多くの種類があり、それぞれに異なる特徴があります。
市場には多様な商品やサービスがあふれているため、消費者の興味や関心を引くためには広告への適切な取り組みや工夫が必要です。
目的とターゲットを明確にして、最適な広告媒体を選びましょう。
もし、「今広告を出しているが思うような効果が出ていない」方や、「どんな広告がいいのか適切な選定をしたい」という方がいらっしゃれば、ぜひ弊社にもご相談ください。 総合印刷会社として得意分野であるSP広告はもちろん、インターネット広告やマス広告なども含めて網羅的にお手伝いさせていただきます。
