「デジタルカタログの意義がわからない」「自社でどのように活用すべきか迷っている」「実際に売上につながるか確証が持てない」など、デジタルカタログに関する悩みをもつ企業担当者は少なくないでしょう。
デジタルカタログの効果を最大限に発揮するためには、デジタルカタログとPDFとの違いやメリット・デメリットなどを把握しておくことが大切です。
この記事では、デジタルカタログに関する概要を説明するとともに、メリット・デメリット、具体的な活用事例などを解説します。
目次
デジタルカタログ(ブック)とは?
デジタルカタログは、Web上でカタログを閲覧できるようにしたコンテンツで、電子ブックやWebカタログと呼ばれることもあります。
デジタルカタログに掲載されている情報は、紙のカタログやパンフレットなどの印刷物をもとにデータ化されたものが多いです。
PCだけでなくスマートフォンやタブレットで閲覧できることから、ユーザーが場所や時間を問わず気軽に利用できる点が特徴となっています。
デジタルカタログとPDFの違い
デジタルカタログとPDFの違いは、主に以下の4つです。
- デバイスの表示方法
- 表示速度
- 読み手のストレス
- データ解析の有無
具体的な違いをまとめると、以下のとおりです。
デジタルカタログ | ||
---|---|---|
デバイスの表示方法 | 文字 静止画 | 文字 静止画 動画URLリンクの挿入 など |
表示速度 | 遅い | 速い |
読み手のストレス | 縦スクロールのみなので、横スクロールで見たい方にはストレスを感じる | 縦・横どちらにも対応し、読み手のストレスがなく読める |
データ解析の有無 | × | ○ |
通常、PDFを見るためには一度にPDF内のデータをダウンロードする必要があり、内容量が大きいと読み込むまでに時間がかかることがほとんどですが、デジタルカタログはダウンロードされた順に表示するため、PDFよりも読み込みにかかる時間が短く済みます。
また、PDFはデータ解析ができませんが、デジタルカタログの場合は、「どのページがどのくらい閲覧されているか」「どの部分が良く見られているか」を中心に閲覧数やクリック数など細かいデータ解析が可能なのでマーケティングに役立てることもできます。
デジタルカタログ8つのメリット
デジタルカタログを利用することで得られるメリットは以下の8点です。
1. ユーザーが自社商品・サービスを認知する機会を増やせる
2. 印刷・発送・保管・廃棄のコストカットが期待できる
3. ヒートマップ・ページのアクセス解析ができユーザー動向を知ることができる
4. カタログの修正・更新が簡単・編集・更新がしやすく管理・運用が楽になる
5. ユーザーは場所や時間を問わず見たいときにいつでも見られる
6. 紙にはできない見せ方ができてUXになる(動画/リンク)
7. 売上UPを期待できる(リンク機能ですぐカタログからECへ飛ばし商品を買える)
8. Webサイトの差別化が図れる(デジタルカタログがあることで閲覧数・滞在時間増加する)
以下、それぞれについて詳しく解説します。
1. ユーザーが自社商品・サービスを認知する機会を増やせる
総務省が発表した「平成30年版情報通信白書」によると、2017年時点でインターネットの利用率(個人)は80.9%※というデータからも、今では多くの人がスマートフォンを所持しており、ユーザーは日常的にWebを通じてさまざまなコンテンツを目にしていると考えられます。
そこでデジタルカタログを活用すれば、ユーザーが自社商品やサービスを認知する機会の増加につながるでしょう。
※平成30年版 情報通信白書(第2部 基本データと政策動向):総務省
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd252120.html
2. 印刷・発送・保管・廃棄のコストカットが期待できる
デジタルカタログはメールなどで閲覧用のURLをユーザーに送付するだけでよく、バックナンバーもデータで保管できます。したがって、紙のカタログで発生する印刷や発送、保管、廃棄にかかるコストがかかりません。それぞれの過程における人的コストも最小限で済むでしょう。
3. ヒートマップ・ページのアクセス解析ができユーザー動向を知ることができる
デジタルカタログは通常のWebサイトの解析と同様に、アクセス数・セッション数・平均滞在時間などのアクセス解析ができます。ユーザーが特に興味を持っている点に注目し、商品やデザイン、ページ構成の改善につなげることも可能です。
4. カタログの修正・更新が簡単・ 編集・更新がしやすく管理・運用が楽になる
デジタルカタログはWeb上のコンテンツのため、カタログの修正や更新がしやすいのも特徴です。紙のカタログと比べると、修正箇所の差し替えといった作業が比較的容易でコストも最小限で済みます。
5. ユーザーは場所や時間を問わず見たいときにいつでも見られる
デジタルカタログはスマートフォンなどがあれば、場所や時間を問わず閲覧できます。ユーザーが好きなときに手元のPCやスマートフォンから検索するだけでカタログを閲覧でき利用しやすい点が大きな魅力です。
6. 紙にはできない見せ方ができてUX向上につながる
デジタルカタログでは動画やリンクなどを付けることも可能です。紙カタログの紙面上では中々伝わらないような商品やサービスの特徴・魅力を具体的に伝えることができるため、より効果的なUX(ユーザーエクスペリエンス=ユーザーの体験)へとつながるでしょう。
7. 売上UPを期待できる
ユーザーはデジタルカタログ上で気になる商品があれば、商品のリンクをクリックするだけでECサイトの商品ページへ遷移させることが出来ます。ユーザーの手間を省くだけでなく、購買意欲が高いうちに詳細な商品情報を閲覧できるため、デジタルカタログの閲覧を通して売上UPを期待できる点もデジタルカタログの魅力のひとつです。
8. Webサイトの差別化が図れる
Webサイト上に設置しているデジタルカタログによって、Webサイト全体としての閲覧数や滞在時間がUPしWebサイトとしても差別化することができます。動画やリンクの設置によって、商品への信頼感・安心感が増せば、ユーザーの滞在時間も自然と増加するでしょう。
デジタルカタログ4つのデメリット
デジタルカタログはメリットが多く魅力ですが、デメリットも少なからず存在します。
主なデメリットは以下の4点です。
1. ネットがつながる環境下でしか閲覧できない
2. 顧客の端末やディスプレイの設定によって見え方が変わる
3. 商品の質感、五感への訴求などのクリエイティブ表現が紙より弱い
4. 営業先などですぐさま手渡ししにくい
以下、それぞれについて詳しく解説します。
1. ネットがつながる環境下でしか閲覧できない
デジタルカタログはWeb上で公開する特性上、ネットがつながる環境下でしか閲覧できないため、スマートフォンやPCを持たないユーザーには不向きです。
ただ、デジタルカタログ作成のサービスによっては、CDに焼くことができたり、オフラインでも閲覧できるサービスも増えています。
2. 顧客の端末やディスプレイの設定によって見え方が変わる
デジタルカタログは、PCやタブレット、スマートフォンなどのデバイスによって見え方が変わる可能性があります。PCの大きい画面なら問題ないものの、スマートフォンからは見えにくく、ユーザーがストレスを感じるケースもあるでしょう。
デジタルカタログの作成時は、各デバイスで最適化された状態で表示できるレスポンシブ対応しているのかを確認した上で、各デバイスでどのように表示されるのかテストしておくことが大切です。
3. 商品の質感、五感への訴求などのクリエイティブ表現が紙より弱い
デジタルカタログに比べ、紙のカタログの方が商品の質感などが伝わりやすいです。五感へ働きかけ効果的に訴求するクリエイティブ表現の面では、デジタルカタログと紙どちらかで言うと紙に軍配が上がります。
4. 営業先などですぐさま手渡ししにくい
営業先などですぐに手渡しができない点もデジタルカタログのデメリットのひとつです。営業先では、デジタルカタログのURLをすぐに提示できるようにする、閲覧用のタブレットやPCなどを持ち歩くなどの工夫が必要となるでしょう。
このようにデジタルカタログにはデメリットも存在するため、デジタルカタログと紙カタログの併用が理想と言えますが、予算などの兼ね合いでどちらか一方しか作れないこともあると思いますので、どちらを作ればいいのかわからない方は、「カタログは紙?デジタル?それぞれのメリット・デメリットやどちらが向いているかもご紹介!」で選び方について解説しているので、合わせてご覧ください。
デジタルカタログに関するユーザーの反応
デジタルカタログの魅力はお分かりいただけたかと思います。
しかし、デジタルカタログは本当に便利なのか?と疑問に思う方もいらっしゃるかと思いますので、ユーザーの反応をご紹介します。
デジタルカタログに関する調査によると、「デジタルカタログ」の利便性については、半数以上の54.3%が便利と答えています。
また、今までに見たことのある、または使ったことがある「デジタルカタログ」の種類については、
通信販売のカタログ:56.2%(前回比+7.8%)
旅行パンフレット:28.8%(前回比+12.1%)
飲食店のメニュー:27.4%(前回比+9.7%)
など、様々な業界でデジタルカタログの広がりを見せています。
このように、デジタルカタログを閲覧するユーザー側から見ても利便性を大きなメリットとして感じていただいているようです。
デジタルカタログの活用例紹介
デジタルカタログは、実際にどのような場面で使われているのでしょうか。
ここでは、デジタルカタログの具体的な活用例を5つご紹介します。
製品カタログ
デジタルカタログは、BtoCでは電化製品やコスメ、BtoBでは製造業(メーカー)をはじめとした製品カタログとして多く活用されています。実際の利用例などの動画や、メーカーの商品紹介へのリンクを付けるなど、製品の魅力を伝える工夫を施したデジタルカタログも多いです。
ギフトカタログ
ギフトカタログもデジタルカタログによく活用されています。
リンクによって、商品の詳細な情報ページへとユーザーを誘導することも可能です。また、季節やシーンごとに「おすすめ商品」を案内しているデジタルカタログもあります。
使い方マニュアル
デジタルカタログは動画で実際に製品の使い方を紹介でき、ユーザーの理解促進になることから、製品の使い方マニュアルにも適しています。
また、紙の使い方マニュアルはユーザーが捨ててしまったり、保管場所を忘れてしまったりなどのケースが往々にしてあるので、そういった場面でもデジタルマニュアルがあればユーザーはすぐに確認できるため、お問い合わせの減少も期待できます。
社内マニュアル
社内マニュアルにもデジタルカタログは活用できます。
使い方マニュアルと同様に、紙の書類だとわかりにくい業務上の手順などを、動画などを活用し理解促進することが可能ですし、従業員側も探したり聞いたりする手間が省けるので、教育面でも活躍してくれるでしょう。
観光パンフレット
デジタルカタログなら、高画質な画像・映像で観光地の様子などを紹介できることや、地図を埋め込むことでユーザーが行きたい場所への案内が簡単にできます。
また、印刷や配送、パンフレットの管理などにかかるコスト面も最小限で済み、観光地の追加や変更などの情報の差し替えも比較的容易です。
デジタルカタログがオススメの企業
デジタルカタログはどのような企業・職種でも幅広く活用できますが、中でもデジタルカタログの活用をオススメしたい企業は以下の3点です。
- 通販系
- 部品メーカー系
- 保険系
それぞれのオススメポイントなどを紹介します。
通販系
通販系のデジタルカタログでは、ユーザーをECサイトへ誘導することも簡単なので売上UPの効果も見込めます。
また、一度ダウンロードすればネットに繋がらないオフライン環境でも閲覧可能なので、ユーザーが思い立った時に閲覧してもらえることもできます。
通販系の企業では、紙のカタログとデジタルカタログと併用して運用している企業も多くあります。
部品メーカー系
取り扱う品物の種類が多い部品メーカーも、デジタルカタログの利用がオススメです。通常のカタログではユーザーは気になる製品を探す際に製品数が多いほど探す手間がかかり大変ですが、デジタルカタログの検索機能などを活用すれば、製品数の多くても特定の商品にすぐたどり着けるのはもちろん、一見伝わりづらい部品製品でも動画などを活用することで使用されている部品を効果的に紹介することができます。
また、ECサイトとの連動により合わせ買いによる売上UPも見込めるでしょう。
保険系
保険系の企業にもデジタルカタログがおすすめです。保険商品は多くの種類があり、紙のカタログやパンフレットだとかさばりがちですが、デジタルカタログにすることで、営業の際に紙は必要最低限にしつつ、タブレットやPCを持ち運ぶだけでよくなりますし、動画によってより魅力的なプレゼンテーションも可能となるでしょう。
ユーザーにとっても、保険という特性上よく吟味が必要な商品であるため、デジタルカタログがあれば、「時間があるときにじっくり保険の内容を見たい」というユーザーのニーズに応えることができます。
デジタルカタログなら自社の商品を効果的に訴求できる
デジタルカタログは、紙カタログでは表現できない部分を補った電子カタログです。Web上で公開しているため、スマートフォンやPCなどの端末があれば閲覧でき、手軽に持ち運べます。
デジタルカタログを活用し、ぜひ自社の商品を魅力的にユーザーへと伝えましょう。
デジタルカタログの制作や活用に興味のある方はぜひ研文社までご相談ください。
無料サンプル作成も承っておりますので、お気軽にお問合せいただけると幸いです。