ブログやホームページのアクセス向上に欠かせないキーワード選定ですが、「ロングテールキーワード」という種類のキーワードがあることをご存じでしょうか。ロングテールキーワードは、複数のキーワードを組み合わせた比較的長いキーワードのことで、検索ボリュームこそ少ないもののコンバージョン率が高いという特徴があります。この記事ではロングテールキーワードの長所や短所、具体的な設定方法について解説します。
目次
ロングテールキーワードとは?
ロングテールキーワードとは、複数のキーワードを組み合わせた検索ボリュームの比較的少ないキーワードを指します。3~4語で構成されたキーワードで、競合が少なく上位表示させやすいという特徴があります。
目安となる検索ボリュームは月間1,000回未満程度で、それ以上に検索ボリュームの大きいキーワードを「ミドルキーワード」や「ビッグキーワード」と呼びます。

ロングテールキーワードのメリット

ロングテールキーワードのメリットは、大きく4つあります。それぞれ解説します。
検索上位を取りやすい
ロングテールキーワードは、検索キーワード全体に占める割合の多さに反して、競合性が低い傾向にあります。そのため検索上位に表示されやすく、アクセスにつながりやすいといった特徴を持っています。サイトやメディアの立ち上げ当初は、ドメインパワーや知名度の低さからサイトにアクセスが集まりません。「SEO」のような単一のビッグキーワードではなく、「SEO キーワード 選び方」といったユーザーの検索意図がわかりやすいキーワードを選定し、戦略的にアクセスを集めていきましょう。
コンバージョン率(CVR)が高い
ロングテールキーワードは、ユーザーの検索意図やニーズがハッキリしているため、コンバージョンにつながりやすいという特徴を持っています。そのため、あまり売れない「ニッチ」な商品群の売り上げが、売れ筋商品の売上額を上回ることもあります。検索ボリュームが少ないため、多くのコンバージョン数は見込めませんが、ロングテールキーワードをうまく活用することで購買意欲の高いユーザーを集めやすくなります。
コンテンツを作成しやすい
3語以上のキーワードで構成されるロングテールキーワードは、テーマが絞られるためコンテンツを作成しやすく、検索意図に沿った記事を作りやすいというメリットがあります。
たとえば、「肩こり」というビッグキーワードは、肩こりの原因や治し方を知りたいのか判断できません。もしかして、肩こりによく効くグッズが欲しい可能性もあります。「肩こり マッサージ」のように2語のミドルキーワードになると、ビッグキーワードに比べてユーザーの検索意図も把握しやすくなります。
ただし、キーワードによってはまだまだ間口が広く、絞り切れないこともあります。そこで「肩こり マッサージ 大阪」というロングテールキーワードにまでテーマを絞ると、どのような人がどんな意図を持って検索しているのかハッキリします。このように3語以上のキーワードで構成されるロングテールキーワードは、ビッグ・ミドルキーワードに比べるとユーザーの求めている検索意図に沿った記事を作りやすくなるという要素を持っています。
安定したアクセス数が評価につながる
ロングテールキーワードは、順位変動のリスクと大手企業による競業が発生しにくいため、アクセス数が安定するといわれています。また、ロングテールキーワードの記事を増やすことで、ビッグ/ミドルキーワードを狙った記事の評価を高めることもできます。
たとえば、「不眠症」というビッグキーワードで上位表示を狙う場合、1記事だけ作成しても高い評価を得られることはありません。単一のビッグキーワードを意識した記事を上位表示させるには、その周辺の記事を作成し、内部リンクからアクセスを集める必要があります。
上記の場合、「不眠症 病院 何科」「不眠症 治し方 食べ物」「不眠症 原因 女性 40代」など、ビッグキーワードに関連するロングテールキーワードの記事で上位表示を狙い、内部リンクでページ同士の関連性を強化します。そうすることで、Webサイト内の「不眠症」というカテゴリが強化され、ビッグキーワード「不眠症」を狙った記事の評価を上げることができます。
Webサイトの評価とアクセス数は、ビッグ/ミドルキーワードの記事を作成するだけでなく、ロングテールキーワードを戦略的に増やしていくことで安定します。
ロングテールキーワードのデメリット

メリットの大きいロングテールキーワードですが、一方でデメリットもいくつかあります。ここでは3つ解説します。
期待できる流入数が少ない(検索ボリュームが少ない)
ロングテールキーワードは検索回数が少ない分、1記事でたくさんのアクセスを集めることができません。一定数のアクセス数を確保するには、複数記事を作成したり、コンバージョン率が上がるような記事を作成したりといった工夫が必要です。
目標達成までに時間がかかる
アクセス数の少ないロングテールキーワードは、コンバージョン数も少ない傾向にあります。1記事だけでは目標を達成できず、上位表示を狙った記事を複数作成しなければいけません。そのため、どうしても時間とコストがかかり、成果が出るまでに諦めてしまうWebサイトもしばしば見られます。ロングテールキーワードは成果が出るまでに時間のかかる戦略であることを念頭において、じっくり施策に取り組みましょう。
類似コンテンツが大量にできる
先にも解説したように、ロングテールキーワードの記事を戦略的に作ると、結果として類似コンテンツが大量に出来てしまうケースがあります。ビッグ/ミドルキーワードの記事評価を高めたり、コンバージョン数を上げたりするために作られた類似コンテンツは、SEOに悪影響を及ぼす恐れがあります。
<類似コンテンツのデメリット>
Webページの評価が分散する
意図しないページが上位表示される
重複コンテンツによるペナルティを受ける
制作した記事が無駄にならないように、ロングテールキーワードの制作は慎重に行いましょう。
ロングテールキーワードの選び方

ここからはロングテールキーワードの選定方法を具体的に見ていきましょう。
軸となるビッグキーワードを決める
まずは、メインとなるビッグキーワードを選定します。ビッグキーワードはサイトのテーマと目的にかなったものを選定し、そこから派生したロングテールキーワードの記事を作成することでサイト全体に統一感が生まれます。サイトの目的やコンバージョンに近いキーワードを選ぶとよいでしょう。
サジェストツールで関連キーワードを集める
ビッグキーワードに関連するキーワードは、サジェストツールを活用して集めます。サジェストとは、「提案・示唆する」という意味で、検索窓にキーワードを入力した際に表示される候補のことを「サジェストキーワード」と呼びます。
サジェストツールはそうしたサジェストキーワードを簡単に検索できるサービスのことで、ロングテールキーワードの記事を作成する際に必須の機能を備えています。
■無料のサジェストツール■
KOUHO.jp 【https://kouho.jp/】
ラッコキーワード 【https://related-keywords.com/】
Ubersuggest 【https://app.neilpatel.com/ja/dashboard】
Keyword Tool 【https://keywordtool.io/jp】
キーワードプランナーで検索回数(ボリューム)を調査する
ビッグ/ロングテールキーワードの月間の検索ボリュームは、キーワードプランナーで調査することができます。使い方は簡単で、キーワードプランナーに訴求したいキーワードを入力するだけで、ビッグキーワードや関連キーワードの検索ボリュームが一覧で表示されます。
この検索結果をもとに、ボリュームの多いものから順に記事を作成します。そうすることで記事同士を内部リンクで関連付けしやすくなり、ボリュームの多い記事の評価を高めながら、効率的にアクセス数を伸ばすことができるようになります。
優先度の高いキーワードからコンテンツを作成(Googleトレンドやボリュームから決める)
先述したように、作成する記事はキーワードのボリュームから判断して作成する順番を決めます。ただし、キーワードには季節的に注目を集めやすいものから1年間通して注目を集め続けるものまで、それぞれ特徴を持っています。検索ユーザーの検索意図をしっかり読み解き、トレンドを踏まえた上で、優先度の高いキーワードからコンテンツを作成するようにしましょう。
まとめ:ロングテールキーワードを活用して、戦略的にアクセス数とCV数を最大化する
ロングテールキーワードはCVRの高さに対して、検索ボリュームが少なく、コンバージョンも少ない傾向にあります。1記事のみで爆発的な成果は見込めないものの、競合が少なく安定したアクセス数の確保とビッグ/ミドルキーワードのページ評価を高めることができます。
費用対効果の高い優良なロングテールキーワードをサジェストツールやキーワードプランナーで探し、目的に近づけるためのコンテンツを優先的に作成していきましょう。
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