マーケティングオートメーション「SATORI」。
CMや広告、展示会等で耳にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
「SATORI」は国内の1,000社以上に導入されているMAツールです。
今回はこの「SATORI」を導入し運用担当をしている筆者が、一切の忖度なしでレビューしてみました。「SATORI」の一ユーザーだからこそ書ける内容になっておりますので、「SATORI」に興味がある方はぜひご覧いただき、導入検討などの参考にしていただけると幸いです。
目次
MAツール「SATORI」の特徴
「SATORI」とは、個人情報のわからない匿名客にもアプローチできるMAツールです。
通常の MAツール同様、名前やメールアドレスがわかっている実名客に対してもアプローチを行うことができ、「シナリオの作成」や「ステップメール」、「スコアリング」、「Webコンテンツの作成」などの機能も充実しています。そのため、見込み顧客獲得から追客まで一気通貫で行うことが可能です。
導入の背景
私が所属するマーケティングチームのミッションは、
「新規リードの獲得」
「リードの育成からの商談創出」
大きくわけるとこの二つです。
後者の「リードの育成からの商談創出」を効率的に行うために、マーケティングチーム発足のタイミングでMAツールの活用を始めました。
発足当時は「SATORI」以外のMAツールを使っていましたが、リード件数の増加やリソース不足など要因から、更なる活動の効率化が必要になり、その結果現在も運用している「SATORI」の導入にいたりました。
「リードの育成からの商談創出」の効率化を図れる点以外にも、もうひとつの大きなミッション「新規リードの獲得」を助ける機能があるという点も、「SATORI」を選んだ理由のひとつです。
よって「SATORI」に求めていたこととしては、
- マーケティング活動の効率化
- 新規リード獲得の強化
おおまかに言うとこの2つになります。
機能の整理
機能 | 説明 |
---|---|
カスタマー管理 | 見込み顧客の情報を一元管理 |
メール配信 | HTML/テキスト/マルチパートのメールを配信 |
セグメント機能 | 特定のWeb行動を起こしたカスタマーを自動でグルーピング |
シナリオ機能 | シナリオに沿ってステップメールの配信や社内通知を自動で実施 |
各種コンテンツ作成機能 | HTMLメール、簡易LP、フォームなどを作成 |
Web接客機能 | 匿名客にアプローチ |
「SATORI」の機能を簡単に整理しました。
上記機能に加えて、UI・操作方法についてやサポート体制などにも触れながら、実際の活用方法や個人的な評価を語っていきたいと思います!
UIや操作方法について
シンプルで使いやすいUI
国産ツールということもあり、外国産ツールにありがちな馴染みのない配置やレイアウト、用語の表現がなく、シンプルなUIになっています。
また操作画面については、背景がブラックになっており、文字も全体的に大きめなこともあり、目に優しく、長時間作業しても疲れません。
効率化を図るために導入したのに、基本操作に苦戦していては本末転倒なのですが、その点は一切問題なかったです。
充実したサポートサイト
サポートサイトも非常に充実しており、基本的な操作説明を網羅しているのはもちろん、応用的な操作や設定の説明も豊富に揃っています。
「SATORI」内の機能で可能かどうかわからない応用的な設定を検討していた際、
「ダメ元でサポートサイトを探してみよう!」
といった流れで探してみたところ、該当の記事が存在したといったケースが幾度もありました。
サポートサイトの充実度合いについてはMAツールの運用を円滑に進めるための重要な要素ですが、「SATORI」はその要素を十分に備えていると言えます。
リード情報を一元管理できる「カスタマー管理」
カスタマー管理の概要と評価
主にリード情報を閲覧・編集・管理する際に用いる機能です。
任意の検索条件で抽出したリードに対してメールを配信したり、タグを一括付与したり、カスタマーリストをCSV形式でダウンロードすることが可能です。顧客基本情報の他に、「情報獲得経路」や「スコア※」、「Webの行動履歴」などが閲覧・管理できます。
※スコア・・・Web行動が発生する度に加点されている各リードの点数です。主に興味度合いを測るための定量的な基準として使われます。
Web行動履歴に関しては、各リードが起こした「メール開封・クリック」や「Webアクセス」、「フォーム登録」、「資料DL」などのアクションがタイムライン形式で可視化できるようになっています。
また、デフォルトで設定されている項目以外にも「カスタム項目」として項目を追加することができます。タグによる属性付与も可能なため、比較的自由度が高く運用できます。
マーケティング活動を正しく・効率的に行うために必要な属性別リードの確認・集計や、ターゲットリストの抽出などを実施する際に必要な情報はしっかり管理できるといった印象です。
マルチパート配信も可能な「メール配信機能」
メール配信機能の概要と評価
「SATORI」に登録している⾒込み顧客に対してHTML/テキスト/マルチパート(受信者のメールソフト環境に合わせてHTML/テキストメールを表⽰)のメールを配信することができます。
ここに関しては他のMAツールやメール配信ツールと変わらずかなと思います。
特に問題なく、スムーズにメール配信が実施できています。
マーケティング施策に欠かせない「各種コンテンツ作成機能」
各種コンテンツ作成機能の概要と評価
HTMLメール作成
「SATORI」内のエディターを使用し、HTML形式のメールを作成できます。
「SATORI」側で提供しているデザインテンプレートをベースに、画像やテキストを変更するだけで、簡単にHTMLメールを仕上げることが可能です。
ただ、テキストの行間や大きさ、フォントの指定や、ボタンの色・形の変更などの細かい調整をする場合や、テンプレートを使用せず、一からHTMLメールを作成したいという場合に関しては、コードを直接編集する必要あるため、CSS・HTMLの知識が必要になります。
私はというとCSS・HTMLの知識はほとんどない側の人間なのですが、「SATORI」が提供しているデザインテンプレートを使用し、問題なくHTMLメールを作成・運用できています。
どうしても細かい調整をしたい場合は、「HTML 行間」や「CSS フォント」などで調整方法を検索し、ポイントで対応していました。
ここに関しては、「自分のCSS・HTML知識」と、「HTMLメールに求めるデザインのレベル」の兼ね合いで良し悪しがわかれる部分かなと思っています。
ウェブページ作成
「SATORI」内のエディターを使用し、お問合せページやキャンペーン用のランディングページなどのウェブページを作成することができます。
一からページを作成できるだけでなく、自社で管理するウェブページのURLを入力することで、そのウェブページをひな形としてウェブページの作成・編集が可能です。そのため、自社のページデザインに合わせて作成することもできるようになります。
弊社では、「ウェブ担当や外注先にお願いするまでもない簡易的なウェブページの作成」や、「急遽実施が決まったキャンペーンの申し込みページの作成」などのシチュエーションなどで活躍中です。
このように、ウェブ担当や外注先に依頼することなく、担当者ベースでスピーディかつ柔軟にウェブページを作成・編集できる点がこの機能の最大の魅力だと感じています。
ただここに関してもHTMLメール作成と同様、テキストの行間や大きさ、フォントの指定や、ボタンの色・形の変更などの細かい調整をする場合や、ひな形を使用せず、一からHTMLメールを作成したいという場合に関しては、コードを直接編集する必要あるため、CSS・HTMLの知識が必要になります。
フォーム作成
セミナーのお申込みやお問合わせ等を受け付けられるフォームを簡単に作成することができます。
また、フォームにお申込みがあった際にお客様に自動でお礼メールを送信したり、社内に通知メールを送信したりすることも可能です。フォームの作成自体も、高度な知識を必要せず誰でも簡単に作成できるようになっています。
フォームから登録されたリードの情報に関しては、「SATORI」の顧客データベースにカスタマー項目として登録されます。弊社のWebからの窓口はほぼ全て「SATORI」のフォームで統一しているため、Webからの新規獲得リード情報は全て「SATORI」に情報集約されています。
また、「SATORI」のフォームから獲得したリードに関しては、登録の時点でCookieが紐づくため、その後のWeb行動を解析することができます。
これにどのようなメリットがあるかというと、例えば、問い合わせフォームから「商談希望」の申し込みをいただいた場合、申し込み後に見たWeb行動からニーズを推測し、事前に商談内容を組み立てることで商談を有利に進めるといったことも可能になります。
このように見込み顧客の情報を一元管理できているおかげで、
- 流入別の新規リード獲得件数が集計できる
- 流入経路の情報やその後のWeb行動をセグメントの材料に使える
- 営業に対する新規獲得リード情報の連携がスムーズになった
など、さまざまなメリットが生まれています。
弊社はこのフォーム機能を活用することでマーケティング活動の効率化を図る上でかかせない「見込み顧客情報の一元管理」を実現することができました。
HOTリードをピックアップしてくれる「セグメント機能」
「SATORI」の“核”となる機能!
セグメント機能の概要
セグメント機能は、
特定のWeb行動を起こしたリードを自動でグルーピングしてくれる機能です。
例えば、
「製品Aの紹介ページ」と「製品Aの導入事例ページ」を閲覧したリード
という条件を事前設定しておくことで、この条件に該当したユーザーを、「製品Aへの興味が高いリードのリスト」として「SATORI」内に記録しておくことが可能です。
条件設定の部分に関しては、「ページAからページBの遷移したリード」といった経路の指定や、「ページAを2回、ページBを3回閲覧」といった回数の指定なども可能で、自由度の高い条件設定が可能になっています。
セグメント機能の活用方法と評価
このセグメント機能でグルーピングしたリストに関しては、
- テレアポリストとして活用する
- 製品Aに特化したメールの配信リストとして活用する
- 有望なアプローチリストとして営業に供給する
などに活用できます。
弊社も基本的には、「商談に近いリードをピックアップする」といった使い方で活用しています。
「SATORI」導入以前は、
「〇〇業だからこの提案が刺さる!」
「職種が〇〇だからこの製品を紹介しよう!」
といった顧客属性のみでニーズを予測していました。
「SATORI」を導入後はWebトラッキング及びセグメントによるグルーピングが実施できるようになったことで、上記に加えて「Web上で能動的に行動した」という事実ベースの根拠に基づきニーズを予測することが可能になったため、確実性の高いアプローチを実施できるようになりました。
もちろん企業によると思いますが、個人的にはWeb上で起こした行動の“量”で興味度合いを測る「スコア」より、Web上で起こした行動の“質”で興味度合いを測る「セグメント」の方が、アプローチの優先順位を付けるうえで有効だと感じています。
特に弊社は取り扱っている商材が、印刷やデザイン、Web・動画制作、システム関連などと幅広いので、「どの分野のコンテンツに興味を持っているか?」といった“Web行動の中身”を把握し、次のアプローチにつなげるといったことが重要になってきます。
セグメント機能をうまく活用し「可能性の高いリード」に「期待値の高い内容のアプローチ」を実施していくことで、我々が当時求めていた「マーケティング活動の効率化」につながりました。
また、シナリオ機能を活用することで、
- セグメントに該当したリードに対する自動アプローチ
- セグメントに該当したリードを自動で担当者に通知
なども可能になります。
マーケティング活動を効率化する「シナリオ機能」
マーケ活動効率化のカギを握る機能!
シナリオ機能の概要
シナリオ機能とは、設定した条件をトリガーにしてステップメールの配信、社内通知、タグ追加のアクションを事前に設定した条件に沿って自動で実施される機能です。
「メール開封・クリック」、「フォームの登録」、「資料のダウンロード」、「Webへのアクセス」、「セグメント該当」など、さまざまな条件をトリガーにすることが可能です。
シナリオ機能の活用方法と評価
弊社は、
- ブログ内で資料をDLしたユーザーに対し、お礼とその後のフォローメールを自動で送付
- メルマガを入り口とし、指定のWebページまで訪れたユーザーにステップメールを自動で送付
- セグメントに該当したHOTリードの情報を自動で社内に通知
など、で活用しています。
上記作業を手動で行う場合、リード件数にもよりますが、かなりの時間と労力がかかってしまいます。
そこをシナリオ機能である程度自動化させることで、業務負荷の削減ができるとともに、最適なタイミングでリードとコミュニケーションを図ることが可能になります。
「MAツールと言えばシナリオ機能!」というイメージをもたれている方もいるとは思いますが、ツールによってはこのシナリオ機能がそもそも搭載していなかったり、逆に複雑すぎてうまく扱えなかったりします。
その点「SATORI」は、必要な機能は備えつつ、直観的な操作で比較的簡単にシナリオを作成できるため、「シナリオ機能を使って業務の効率化を図りたいが、複雑な条件設定や条件分岐は必要ない」といった方には非常におすすめです。
強いてマイナス点を挙げるとすると…
条件分岐が「タグ」でしか行えない点です。
使っている中で「Webアクションの有無でシナリオを分岐させたい!」、「顧客データベースの項目を基にシナリオを分岐させたい!」というシチュエーションが何度かありました。
「Webアクション→タグ付与」というシナリオを別途作成する、「顧客データベース項目で検索をかけ一斉にタグを付ける」という作業を行えば解決するのですが、ここにひと手間かかってしまう点が少し残念です。
他のMAツールにはない「Web接客機能」
「SATORI」最大のユニークポイント!
Web接客機能の概要
MAツールは基本的に、名前やメールアドレスがわかっている実名客に対するアプローチを主戦場にしているツールですが、「SATORI」は個人情報のわからない匿名客にもアプローチできるMAツールです。
具体的には、自社のWebサイトに訪れた匿名客に対し、その匿名客にとって適切な内容の「ウェブバナー」や「ポップアップ」を表示し、興味の持ってもらえる可能性の高い別コンテンツに誘導することで実名化(リード獲得)につなげるといった機能になります。
「匿名客を特定のWeb行動を起こした匿名客を自動でグルーピング(セグメント)する設定セグメント」と「そのグループが興味を持つ可能性が高い内容のウェブバナーやポップアップを、セグメント該当者に表示させる設定」を事前にセットしておくことで、Web行動から導き出す「その匿名客が興味を持つ可能性の高いコンテンツ」を表示させることが可能です。
Web接客機能の活用方法と評価
弊社では、
- コラムを完読した匿名客に対し、メルマガ登録に誘導するポップアップを表示する
- 製品に興味を持った匿名客対し、サンプル請求に誘導するポップアップを表示する
- Web広告のLPに訪れた匿名客に対し、見積請求フォームをポップアップで表示する
などといった形で活用しています。
Web広告での活用については直近で始めたのですが、Web広告で獲得したコンバーションの9割をこのポップアップ経由で獲得しました。
このように、ポップアップは新規リード獲得の手段として非常に有効ですが、やみくもに表示させればよいというものではありません。
「数打ちゃあたる」の精神でとにかく色んなポップアップを表示させるという方法も全くなしではないと思いますが、興味のない内容がサイト上頻繁にポップアップされると、鬱陶しく感じるユーザーも少なくはないと思います。
「SATORI」なら匿名客が必要している(可能性が高い)内容のみをポップアップさせることができるため、ユーザーのストレスを最小限にしつつ、有効に匿名客を導くことが可能です。
また、「スクロール70%到達で表示」や「訪れてから15秒後に表示」といったポップアップタイミングの設定も可能なため、よりユーザーに配慮した形でポップアップを表示することができます。
ここまで説明したように「Web接客機能」は非常に優秀な機能です…が、
ただひとつ勘違いしてはいけないのは、「SATORI」の新規リード獲得の支援はあくまで今あるWebの集客・獲得の仕組みを“強化”するものであり、仕組みを一から構築できるものではありません。よって、Web集客の土台が全くない企業がこの機能を使ってもほとんど意味がないと思います
サポート体制について
結論から言うと「文句なし!」です。
導入直後、運用から二週間後、一ヶ月後にそれぞれフォローアップミーティングを実施いただきました。レクチャーや質問に対する回答なども非常に丁寧で、このフォローミーティングのおかげで不安を抱えることなく順調に「SATORI」の運用をスタートできました。
「SATORI」を利活用するためのコンテンツも豊富で、各機能の操作説明から有効な活用方法などを解説している動画コンテンツや、「SATORI」の操作をトレーニングできるコンテンツなど、幅広いユーザーの助けになるような活用支援の体制が整っているといった印象です。
まとめ
「SATORI」は、
- カスタマー管理
- メール配信
- セグメント機能
- シナリオ機能
- コンテンツ作成
など、MAツールの「見込み顧客の育成とその仕組み化」に必要な機能がしっかり揃っています。
それに加えて、「見込み顧客の獲得」をサポートする機能も備えているため、幅広い領域で活躍してくれるMAツールです。UIやサポート体制も充実しているため、ITが苦手な方でも安心して使えるツールだと思います。
導入当時の我々のように、
「マーケティング活動の効率化を図りたい」
「新規リード獲得の強化したい」
といった方々はもちろん、
「今使っているMAツールだと物足りない」
「外国産ツールで使いづらさを感じる」
といったニーズをお持ちの方には自信を持っておすすめできるツールです。
弊社は「SATORI」のユーザーであると同時に、「SATORI」の正規販売代理店としてMAツールの導入支援も行っております。「MAツールの導入に迷っている」「導入を検討しているが、運用できるか不安」こんな方はぜひこちらからご相談ください!