DM(ダイレクトメール)は、BtoCやBtoB問わず幅広く活用されていますが、DMで思うような効果を得られていないというお声もよく耳にします。
そこでおすすめしたいのが高い成果を期待できる「ターゲティングDM」です。
その前に、
「ターゲティングDMの概要を知りたい」
「どんなメリットがあるのか押さえておきたい」
「ターゲットリストの準備をどうすれば良いか教えてほしい」
「成果が出る方法を知りたい」
このように思う方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで、本記事ではターゲティングDMの概要やメリットはもちろん、混同されやすいセグメントDMとの違い、手順や成功の方法まで詳しく解説します。
また、ターゲティングDMは新規顧客獲得も可能なDM施策なので、新しい集客施策を考えている方はぜひご覧ください。
目次
ターゲティングDMとは?
ターゲティングDMとは、自社・他社が所有する顧客リストなどを基にして、特定のターゲットに向けて送るダイレクトメール(DM)のことです。
DMで成果を上げるための大切な要素は、「送るタイミング」「DMのターゲットを絞ること」などが挙げられますが、ターゲティングDMは上記の要素が加味されたDMであるため、成果が出やすい傾向があります。
そもそもDMとは、商品やサービス、キャンペーンの案内を、個人や法人宛に送付する、営業・宣伝を目的としたダイレクトマーケティングの1種ですが、詳細については「ダイレクトメール(DM)とは?メリット・デメリットや効果をアップさせる方法も解説します!」で解説しているのでご覧ください。
ターゲティングDMとセグメントDMの違い

ターゲティングDMと混同されやすいのがセグメントDMです。マーケティングにおいて、顧客のセグメントを設定することやターゲットを絞ることは、成果が出やすくなるための重要な要素となります。
そもそもセグメントとは、「ある特定の条件で細分化したグループを作ること」です。例えば顧客リストから年齢や性別、誕生月、住んでいるエリア、行動履歴など区分します。このようにセグメント化されたグループに最適なDMを送るのがセグメントDMです。
一方でターゲティングとは、「セグメントされたいくつかのグループから、ひとつのグループに狙いを定めること」をいいます。このセグメント化したグループから対象ターゲットを絞って送るDMのことをターゲティングDMといいます。
ターゲティングDM2つのメリット

顧客に対して、一律にDMを送るよりも高い成果が得られやすいターゲティングDMには、実際にどのようなメリットがあるのでしょうか。以下で詳しく解説します。
メリット①:成果が出やすい
メリットの1つ目は、「成果が出やすい」ということです。
一律にDMを送る場合、いわゆる「万人受け」を狙った内容になりがちです。
一方で、ターゲティングDMでは、ターゲットにマッチした情報のみを掲載することで、シンプルかつ的確で分かりやすいDMになるため、成果が出やすくなります。
送る側は、ターゲティングした顧客の立場やニーズを汲み取った内容の情報発信ができ、受け手である顧客は求めている情報、もしくは自分に有益な情報を手に入れることができるため、次に説明する開封率や行動喚起率が上がり、結果的にサイトや店舗への集客やECサイトでの購入などの成果が出やすくなります。
このように、ターゲティングDMは送る側と受け手側の双方にメリットが得られやすい手法です。
メリット②:開封率・行動喚起率が上がる
メリットの2つ目は、「開封率・行動喚起率が上がる」ということです。
先述の通り、通常のDMは一律または無作為に送られることが一般的で、送り先である顧客の状況にマッチしていない場合も多いでしょう。例えば、男性の顧客に女性向けの内容を送ることや、独身の顧客にファミリー向けの内容を送るなどがありますが、この場合はミスマッチにより開封すらせずに廃棄してしまうことがほとんどでしょう。
そこで対象をターゲティングすることで、顧客の属性や状況にマッチしたDMを送ることができるので、受け取った顧客が「自分宛である」と認識できる内容を郵送でき開封率も上がります。
また、一般社団法人日本ダイレクトメール協会「最近の広告動向とダイレクトメール」の「DMの行動喚起効果」によると、開封率も高いことながら、「資料請求」や「購入・利用した」、「ネットで調べた」などの行動に移した“行動喚起率”も顧客も若い世代を中心に高いことがわかりました。
このように、ターゲティングは開封率や行動喚起率を上げる効果が高いことがわかります。
新規顧客を獲得するためにはリストが重要

DMの中でもターゲティングDMが理想的な新規顧客を獲得できる理由、それは「外部保有リストを使い、よりパーソナライズに近いDMができるから」です。
例えばDMで「高級化粧品」の新規顧客を獲得したい場合、メインターゲットの「40代女性」の属性だけでDMを発送するよりも、
- 40代女性
- 田園都市線在住
- 百貨店購買頻度年間20回以上
- 年間クレジット決済額200万円以上
このような顧客リストをもとに発送した場合、成果はどうなるでしょうか。
絞り込んだターゲティングDMで訴求したほうが、ターゲットに響く内容で訴求しやすくなるため、自社の顧客になりうる可能性が高い=理想的な新規顧客を獲得できるというわけです。
このように、
・顧客情報が自社になくても他社保有リストを使用し新規顧客向けにDM施策を打てる
・パーソナライズ(One to one)DMよりも範囲が広いことでターゲット母数が担保できる
というハイブリットなDMがターゲティングDMなので、“理想的”かつ“新規顧客”の獲得につながるのです。
■無料ダウンロード資料■
その一例になりますが、就職・転職・進学情報を提供している株式会社マイナビ様の会員データを活用することで、若年層へのターゲティングDMが実施できます。以下から資料をダウンロードできますので、ぜひご覧ください。

ターゲティングの手順

成果を上げるためのターゲティングDMの作成は、どのような工程で行うと良いのでしょうか。ここでは、ターゲティングの手順を詳しく解説します。
1. DMの目的を明確にする
まず、DMの目的およびコンセプトを明確にすることです。なぜDMを送るのかを明確にしないことには、ターゲットを絞ることもままならず、クリエイティブの内容も定まりません。
目的の例として、「新製品を発売するため、来店を促進したい」「期間限定キャンペーンの認知してもらうため、キャンペーンサイトへ集客したい」などです。目的が明確化されることで、ターゲットが少しずつ見えてくるでしょう。
このようにDMの目的を明確化することは、ターゲティングにおいて初めの第一歩になります。
2. セグメントを行う
実際のターゲティングを行う前に重要な作業がセグメント化です。DMの目的に沿った顧客がどの市場にいるのかのグループ分けを行います。例えば、年齢や性別など、多様な属性によりセグメント化することでよりターゲティングが正確化します。
また、セグメントを行う場合BtoBかBtoCかで内容が異なります。BtoBの場合は業種、従業員数、部署などでセグメント化し、BtoCであれば前述のような年齢や性別に加え職業、購入履歴、居住エリアなどでセグメント化します。ちなみに、セグメントの大小はDMの目的や扱う商品・サービスにより変わります。
セグメントの有無でターゲティングの精度に影響が出るため、適切なセグメントをするように心がけましょう。
3. ターゲティングを行う
セグメントによって分けられたグループから、DMの目的や商品・サービスに最適な顧客にターゲットを絞ります。例えば、「新製品を発売するため、来店を促進したい」が目的の場合、新製品の特長に合わせたターゲットがセグメントの中のどこにいるのか探しだしましょう。
ターゲットの設定は狭く具体的なほど効果が上がります。例えばターゲットが広すぎてしまうとDMの内容とのずれが生じてしまい、開封率の低下につながります。BtoCではターゲットが広くなる傾向にありますが、明確化された目的に沿って絞り込めば、効果が上がるでしょう。
このように、セグメントの中からターゲットを絞り込むことで、より正確で、より成果が出やすいターゲティングが行えます。
ターゲティングDMで成果を出す方法

ターゲティングDMで効果を出すコツは、ずばり「顧客情報のあるデータベースをしっかりと整備すること」です。
なぜなら、ターゲティングは精度が重要であり、精度を左右する顧客情報の整備レベルによってターゲティングDMの成果が変わってくるからです。
例えば、新規顧客獲得のためにターゲティングDMを行う場合、基本的には外部の所有する顧客情報を使うことが一般的ですが、仮にターゲティングDMを送るターゲットが実は引っ越しをしていて、今は顧客情報に登録されている情報と別の場所に住んでいるとします。
その情報が顧客データベース反映されていないと、どれだけ魅力的なDMだとしてもそもそも手元に届かないので、本末転倒になってしまいますよね。
このように無駄打ちにならないように、特にコストをかけて外部の所有する顧客情報を活用する際に押さえておくべき最低限のポイントとしては
- 顧客データベースは最新の状態になっているか
- DMを送付できる母数は担保されているか
- 自社の訴求に有効な属性情報があるか
など“信頼性の高いデータか”をチェックするようにしましょう。
ターゲティングDMを実施する際の注意点
ターゲティングDMを実施する際の注意点はシンプルで、「絞り込みを甘くしないこと」です。
先述で解説した手順の通り、①DMの明確な目的を設定 ②適切なセグメント ③ターゲティング選定の手順で行うことが重要ですが、例えば絞り込みを「②セグメント」までにしてしまうと、絞り込みが甘いがゆえにDMの受け取り手が響くような質の高い内容になりづらいため、かかったコストや見極めたタイミング、DMの内容自体が台無しになるおそれがあります。
まずは目的を明確にし、適切なセグメントを行い、具体的なターゲット選定をすることで、効果の高いターゲティングDMが行えるでしょう。
まとめ
ターゲティングDMはターゲットに響く情報発信ができ、「DMで高い成果を上げる」「DMの開封率・行動喚起率を上げる」などメリットのある効果の高いマーケティング手法です。
また、外部の顧客データベースの保有リストを使用することで新規顧客の獲得ができるため、Web施策や既存の集客施策が頭打ちで新しい集客施策を探している方にもおすすめです。
ターゲティングには、まず目的の明確化やセグメント化を行った後、丁寧なターゲティングを行うことで、成果の得られるDMが実現できます。
そして、ターゲティングDMの成果にも影響する「顧客データベースの精度」に配慮しながら、ターゲットを細かく絞り込むことが成功の近道となるので、ぜひターゲティングDMをお考えの方は意識しながら参考にしてみてください。
