DM（ダイレクトメール）の効果とは？メリット・デメリットや効果を上げる方法を徹底解説！

紙離れが進んでいる中で、自宅や会社でダイレクトメール（以下DM）を目にする方も多いのではないでしょうか？

「DM届くけど効果あるのかな？」
「DMを始めたいけど、DMなんて意味なさそう・・・」

そう思う方もいらっしゃるかと思います。しかし、DMは効果のあるツールとして今でもたくさんの企業で利用されています。

そこで本記事では、DMの基本的な知識からメリット・デメリット、またDMの開封率を上げて効果を最大化する方法までを徹底解説します！

DMについて詳しく知りたい方は、ぜひご覧ください。

DMとは？

DMとは「ダイレクトメール」の略称で、商品やサービス、キャンペーンの案内を郵便で送付する、営業・宣伝を目的としたダイレクトマーケティングの1種です。

※SNSでも“DM”という言葉が使用されていますが、こちらは「ダイレクトメッセージ」の略称です。ダイレクトメッセージでは、SNSを活用して「ユーザーに直接メッセージを送る」ことができ、本記事で紹介するダイレクトメールとはマーケティング手法が異なるのでご注意ください。

これまでもDMを駆使した営業活動や宣伝広告は行われてきましたが、デジタル広告やメールマガジンなどインターネットを媒体としたWeb広告の活用が広がる昨今、顧客とのコミュニケーション手段として紙のDMが改めて注目を集めています。

DMが再注目されている理由

DMが再注目されている理由は、主に以下の2つです。それぞれ詳しく解説していきます。

CRMシステムの進化

CRM（Customer Relationship Management）システムは、顧客関係管理を効率的に行うためのツールです。収集したデータ（顧客の購買履歴・行動履歴・問い合わせ履歴・デモグラフィック情報など）をCRMシステムで一元管理することで、顧客ごとにパーソナライズされたDMを送ることが可能となりました。

パーソナライズされたDMのメリット

・ 顧客ターゲティングの精度向上
顧客の詳細なプロファイルに基づいて、最も関心を持ちそうな内容を選定し、DMを作成します。顧客には関連性の高い情報が提供されるため、開封率や反応率が向上します。

・ メッセージのカスタマイズ
顧客によって異なるメッセージやオファーをパーソナライズすることで、DMの内容がより魅力的になります。例えば、過去の購入品に関連する商品のお知らせや誕生日に合わせた特別な割引を提供することが可能です。

・ タイミングの最適化
CRMシステムは顧客の行動パターンを分析し、最も効果的なタイミングでDMを配信することができます。特定のイベントや季節に合わせてDMを配信することにより大きな反応を得られることがあります。

クリエイティブの進化

デザインや印刷技術の向上は、これまで以上に魅力的で効果的なDMを作成することを可能としました。

印刷技術の進化

・ 高品質印刷
最新の印刷技術は非常に高い解像度での印刷を可能にし、写真やグラフィックの鮮やかで詳細な表現ができるようになりました。これによりDMの視覚的なインパクトが大きく向上しました。

・ バリアブルデータプリンティング（VDP）
バリアブルデータプリンティング技術の進化により、一回の印刷プロセスで異なる内容を持つ個別のDMを大量に作成することが容易になりました。これにより受取人それぞれに対してパーソナライズされたメッセージやオファーを提供することが可能です。

・ エンボス加工やUVコーティング
特殊効果を使用した加工技術、例えばエンボス加工やスポットUVコーティングなどを使うことで、DMの触覚的な要素を強化し、高級感や特別感など受取人に強い印象を与えることが可能となりました。

このようにCRMシステムによるパーソナライズされたDMやデザイン・印刷技術の向上による魅力的なDM作成によって、DMは再注目されるようになり、DMを送る企業も増加しています。

DMの特徴

DMは個人宛に特定の情報を直接届けることのできるマーケティング戦略の中でも非常に効果的な手段のひとつです。不特定多数の人にマーケティングを行うマスマーケティングと異なり、顧客に合わせて個別化されたアプローチが可能であり、高い開封率や反応を期待できます。

デザインの自由度も高く、印刷物においては紙質・色・形状、さらに特殊加工（エンボス加工やUVコーティングなど）を取り入れることで、独自性のある魅力的なDMを作成できます。こうした工夫を凝らすことで、視覚的に訴える力が増し、企業と顧客の関係を深めるブランドロイヤリティの向上という効果も期待できます。

DMの種類

DMは様々な形式で送ることができるため、ターゲットや目的に応じて最適な方法を選ぶことがポイントです。DMの種類と合わせて、それぞれの特徴をご紹介します。

郵送

郵送によるDMは、特定の顧客に個別化された情報を伝え、開封率や反応率を高められるという特徴を持っています。デザインの自由度も高く、多様な情報量を伝えられる点がメリットです。

DM郵送の活用例

ハガキ

手軽に情報を届けられるハガキDMは、開封率の高さが特徴です。A4サイズや圧着ハガキなどのDMは多くの情報を掲載でき、訴求力の高さから人気があります。また、紙媒体ならではの親しみやすさから長期的な顧客へのアプローチにも適しています。

ハガキを活用するメリット

封書（レター）

カタログやパンフレットなどを同封できる封書は、詳細な情報を伝えることに適しています。封筒の紙質やデザインによっては、受け取った人に喜んでもらえるような演出をすることも可能です。

封書の活用例

封書DMの種類

・ 紙封筒
表面に印刷して情報を伝えることができる一般的な封筒です。デザインの自由度が高く、多様な情報の伝達が可能です。

・ 透明封筒（OPP封筒など）
中身が見える封筒で、封入物の表と裏に直接印刷することができます。視覚的に訴える力が強く、興味を引きやすいのが特徴です。

・ 圧着DM
折った用紙の内側をはがせるように加工したDMで、情報量を多く掲載することができます。簡易的かつ効果的な情報提供が可能です。

FAX

FAX機を使って、チラシやDM原稿を送信する販促手法もあります。企業間のやり取りや地方自治体などの古くからの機関に対して効果を発揮するだけでなく、スピーディーに情報を届けられる特長があります。低コストで利用できるため、費用対効果が高いマーケティング手法として注目されています。

FAXの活用例

DMのメリット

DMには多くのメリットがありますが、主なメリットは以下の通りです。

DMのメリット①：視覚に訴えることができる

DMは実際に手に取って確認するため、特殊印刷による加工、型抜きなどによるユニークな形状などの、視覚的な訴求が可能になります。

女性であれば柔らかい色やデザインに、法人向けであれば課題解決を連想させるデザインにするなど、ターゲットに合わせてデザインを最適化し視覚的に訴求することができます。

DMのメリット②：効果測定ができる

DMを送付した後、どれだけの反響があったかを具体的なデータで測定することで、次回の改善施策を明確にし、より効率的で効果の高いマーケティングを実現できます。また、反響率や顧客の行動を分析することで、ターゲット層のニーズを深く理解し、マーケティング戦略の精度を向上させることが可能です。

効果測定の具体的な方法

・ URLや二次元コードの活用

DM内にURLや二次元コードを掲載し、アクセス解析ツールを用いて訪問数やユーザーの行動履歴を測定することで、DMの反響を可視化できます。特定のキャンペーン専用の二次元コードを使用すれば、反応をさらに正確に把握できます。

・ クーポンや割引券の付与

DMにクーポンや割引券を付与し、利用状況をトラッキングすることで、DMがどの程度興味を引きつけたかを測定できます。この方法は、顧客にとって具体的なアクションを促す手段にもなり得ます。

・ アンケートの実施

DMの受信者にアンケートを依頼し、DMに対する反響や意見を収集することで、選ばれたデザインやターゲット層が適切かどうかを評価する有効な方法です。顧客の声を直接把握することで、次回の施策に活かせます。

・ 申込番号の活用

DMに専用の申込番号を記載し、問い合わせや購入時に顧客から番号を伝えてもらうことで、どのDMから反応があったのかを正確に追跡することができます。この方法は、より詳細な効果測定に適しています。

DMのメリット③：Webではリーチできない層にリーチできる

Webに慣れていないシニア層や、通常業務ではインターネットを使わない仕事、自治体のようなクローズなネットワークの環境で仕事をしているなど、Webではリーチできない層が一定数存在します。

DMであればそういった層に対してリーチすることができるため、Webでの訴求オンリーに比べ費用対効果も高くなります。

DMのメリット④：目的に合わせてデザインを決められる

DMには、目的やターゲットに応じて自由にデザインを決められるという大きなメリットがあります。デザインは、顧客の印象や興味を大きく左右する重要な要素のひとつであり、視覚的な訴求力を高めることで、商品やサービスを効果的にアピールすることが可能です。

DMの活用例

DMのメリット⑤：顧客に直接情報を届けられる

郵便物として直接顧客の手に渡るため、確実に見てもらえるチャンスが高く、情報をダイレクトに届けることができます。また、顧客の属性や購買履歴に基づいて内容をカスタマイズすることで、個別性の高い情報提供が可能になり、顧客満足度をさらに高めることができます。

DMのデメリット

DMは非常に効果的なマーケティング手法ですが、メリットに加えて注意すべきデメリットも存在します。ここでは、DMを活用する際に考慮しておくべき主要なデメリットを3つに絞ってご紹介します。それぞれのポイントを理解した上で、メリットとバランスを取りながら運用することが成功の鍵となります。

DMのデメリット①：時間とコストがかかる

通常の施策同様、「だれに」「なにを」「いつ」などのプランニングをはじめとして、 顧客リストの作成、郵送準備など多くの費用や時間を費やさなければならない場合があります。

こういった施策設計が定まってないまま、“とりあえず” のDM施策をしてしまうと、ただ郵送料や準備コストがかかってしまい、効果の低い施策になってしまいます。

逆を言えば、明確なターゲットや目的など初期段階でしっかりとした施策設計ができていれば効果を期待できるでしょう。

DMのデメリット②：住所データが古い場合はDMが届かない可能性がある

顧客に直接情報を届けられる便利な手法ですが、住所データが古い場合にDMが届かないというデメリットがあります。住所が更新されていないと、宛先不備で返送される恐れがあり、費用や時間をかけて準備したDMが無駄になる可能性があります。この問題は、弊社でも自社施策を行った際に経験し、その重要性を痛感しました。

解消するための対策

これらの対応を怠ると、DMが届かないだけでなく、顧客との関係性にも悪影響を及ぼす可能性があるので注意が必要です。

DMのデメリット③：すぐに運用改善ができない

DMは紙媒体で運用されることが多いため、効果測定や顧客の反応データを収集するのに時間がかかる点に起因しています。また、デジタル広告のようにリアルタイムで結果を把握することができないため、次回の改善施策がタイムリーに行えない場合があります。

このデメリットを軽減するための工夫

DMは結果が見えるまでに時間を要し、運用改善がすぐに行えないという課題があります。しかし、効果測定の仕組みやフォローアップを導入することで、改善サイクルを効率的に回せる可能性があります。

計画的で柔軟な運用を心がけることで、このデメリットを最小化し、DMのメリットを最大化することができるでしょう。

DMの効果③「顧客認知度の向上」

DMの重要な効果のひとつとして、ブランドや商品、サービスの認知度向上に貢献することが挙げられます。DMは定期的に顧客へ情報を届けることができるため、継続的な接触を通じてブランドイメージを浸透させる役割を果たします。

特に、物理的な媒体として送られるDMは、顧客が直接手に取ることで視覚的・触覚的な印象が残りやすいという特性があります。「手に取る」というリアルな体験は、デジタル広告と比べて強く記憶に残りやすいため、ブランドや商品との接点を増やす効果が期待できます。また、デザインやコピーの工夫次第で、顧客に興味や関心を持たせることが可能です。

さらに、DMは一方的に情報を届けるだけでなく、「記憶に残しやすいメディア」として、情報伝達だけでなく顧客との関係強化にも寄与します。このように、認知度を高めながら関係性を深めることができる点でも、DMは非常に優れたツールといえるでしょう。

DMの効果を最大化する方法

DMの効果を最大化する方法はいろいろ考えられますが、おすすめは下記の4つです。

1. バリアブルDM
2. 加飾DM
3. リバースエンジニアリング
4. Webとの併用

2. 加飾DM

加飾DMは、DMに特殊印刷による加飾を施したものです。

DMはEメール同様、開封したくなる工夫が必要とされており、DMに箔やニスなどの加飾を施すことで、視覚的にインパクトが生まれ五感を刺激できるようになるので、通常のDMよりもターゲットの目に留まりやすく開封率もUPさせることにもつながります。

また、加飾を施すことで高級感を演出し、ロイヤルカスタマーをターゲットとした「特別なDM」を制作するこなど、DMの付加価値を高めることができます。

3. リバースエンジニアリング

DM施策におけるリバースエンジニアリングとは、現状のDMのクリエイティブや設計を分析し、改善点を明確にするアプローチを指します。

具体的には、DMを構成する要素を分解して課題を可視化し、より効果的なDMを作り上げるための指針を得るプロセスです。 リバースエンジニアリングは、「コンセプト」「ポジショニング」「クリエイティブ」などを含む以下9つの要素に基づいて分析が進められます。

要素	説明
1. コンセプト	DMの基本的なテーマや目的を明確にし、顧客に伝えたい価値を定義します。適切なコンセプトが設定されていないと、メッセージがぼやけてしまうため、最初のステップでの構築が重要です。
2. ターゲット	DMが届く相手を適切に特定。ターゲット層の行動や嗜好を理解することで、より響く内容を作ることができます。
3. ポジショニング	自社商品やサービスが顧客のニーズに対してどのように位置づけられるかを分析します。この要素が明確であることで、他社との差別化が図れ、DMの説得力が高まります。
4. クリエイティブ	DMのデザインやコピーなどのビジュアル・言葉の工夫を指します。わかりやすく、印象的なクリエイティブを作成することが顧客の興味を引きつける鍵となります
5. オファー （特典や訴求内容）	顧客に提示する具体的な特典やメリットを魅力的に設計します。クーポンやキャンペーン案内などのオファーは行動喚起を促す重要な要素です。
6. チャネル	DMをどのような方法で顧客に届けるかを考える項目です。物理的な郵便、電子メール、または二次元コードなど複数チャネルを活用することが効果を高めます。
7. タイミング	DMを送付する最適なタイミングを定めます。顧客の関心が高まりやすい時期に合わせることが成功のポイントです。
8. データ活用	過去の施策結果や顧客データを活用することで、DMの設計における精度を向上させます。これにより、顧客に合ったパーソナライズされた内容を届けることができます。
9. 検証と改善	DM施策を実施後、その効果を測定し、次回の改善ポイントを明確にするプロセスです。これにより、DMは継続的に進化し、より高い成果へつなげることができます。

これらの9つの要素に基づいたリバースエンジニアリングを行うことで、課題が具体化し、改善の方向性を示すことが可能となります。

クリエイティブがターゲット層に適しているか、オファーが十分に魅力的かなどを一つひとつ再確認することで、DMの精度が向上していきます。また、課題をデータとともに把握することで、次回の施策に適切な改善案を取り入れることができます。

4. Webとの併用

WebとDMを併用することで、Webサイトへの入り口を増やすことができ、顧客とのコミュニケーションの幅が広がります。

Webサイトのアクセス分析を踏まえて、次のDM施策を最大化するための材料になるだけでなく、個別メールや電話アプローチ、Web施策などの幅広い活用ができるようになります。

弊社では、DMを送付する際にこの手法を活用しています。

まとめ

今回は、DMが持つ効果やメリットについて詳しく解説しました。

近年、紙離れが進む一方で、顧客へダイレクトに情報を届けるDMの効力が改めて注目されています。DMは高い開封率や行動喚起率、ブランド認知度の向上など、他の施策では得られにくい特性を備えており、その価値が再評価されています。これにより、オンラインだけでなく、オフラインを含めた多面的なコミュニケーションがマーケティングにおいて重要であることを実感いただけたのではないでしょうか。

施策をWebやオンラインのみに限定せず、DMのようにターゲットへ直接届く手法を併用することで、マーケティングの可能性と効果を最大化できるかもしれません。

もしもDMの活用について悩んでいることがございましたら、お気軽に研文社までお問い合わせください。お客様の課題やニーズに寄り添い、最適な提案をさせていただきます。