初心者向け社内報の作り方-制作の流れを分かりやすく解説!

初心者向け社内報の作り方-制作の流れを分かりやすく解説!
2024年2月14日
印刷・デザイン

企業が自社の従業員を対象として、社内の情報を発信する活動を社内広報と言います。社内向けのコミュニケーション媒体を制作する「社内報」も、社内広報活動の一つです。

社内報を作るメリットは何でしょうか。また社内報を制作することになった場合、どのように計画やスケジュールを立て、コンテンツを選定すればよいのでしょうか。

本記事では、社内報の作り方や制作期間など、社内報の制作に必要な基礎知識を網羅的に解説します。

社内報の目的と効果

社内広報とは、社内向けの広報活動のことです。社外のステークホルダー向けのPR活動と違って、主に従業員やその家族をターゲットとし、社内の動向に関わる情報を発信します。例えば、社内報の発行、メルマガの配信、イントラネットの活用、社内イベントの企画、企業SNSやブログの運用など、さまざまな取り組みが社内広報に含まれます。

その中で、社内報はどのような役割を果たしているのでしょうか。ここでは、社内広報の重要性や、社内報を発行する目的を解説します。

社内広報の重要性

社内広報が重要と言われる理由は5つあります。

  • 自社の経営理念やビジョンの浸透につながる
  • 企業独自の組織文化や風土を醸成できる
  • 社内コミュニケーションを活性化できる
  • 組織やチームの一体感を高められる
  • 従業員の自己啓発や教育研修に活用できる

社内広報で発信する情報は、経営陣の思いや声、決算情報、受賞やメディア展開の報告、従業員紹介、社内の行事・イベントの案内など、さまざまなテーマがあります。どのような情報を発信するかによって、社内広報の重要性は変わってきます。

例えば、社内広報で経営陣の思いを広く発信すれば、自社の経営理念や将来に向けたビジョンを浸透させることが可能です。また共通の話題となるような情報を発信することで、社員同士の会話がはずみ、社内コミュニケーションを活性化させる効果も期待できます。

社内広報は広報活動を通じて、会社組織を強くし、組織の一体感を高めるための大切な取り組みです。社内広報に力を入れたいと感じた方は、まず社内報の制作を検討してみましょう。

社内報の役割と目的

社内報はグループ報とも呼ばれ、社内の情報を、コミュニケーション媒体を通じて発信する活動です。主に小冊子やパンフレットなど、紙媒体で発信することが一般的ですが、近年はPDFやデジタルブックなどで社内配信する企業も見られます。

さまざまな社内広報活動の中でも、社内報の役割は4つあります。

  • 社内報を定期的に刊行し、最新の社内情報をコンスタントに発信する
  • 過去の社内報をストックし、情報資産として蓄積する
  • 従業員の活躍を社内報という形に残し、モチベーションを高める
  • 従業員の家族に社内報を手渡し、企業活動について理解を得る

社内報は、会社の業績や従業員の活躍を取り上げ、小冊子やパンフレットなどの形に残すことができる取り組みです。従業員のモチベーションアップや、帰属意識の向上が期待できます。

また社内報を定期的に刊行すれば、最新の社内情報をコンスタントに発信する手段としても活用できます。過去に発行した社内報を時系列順に保管しておけば、社史のような役割を持たせることも可能です。

社内報の役割を念頭に置いて、社内報の作成に必要なものや制作プロセスについて学びましょう。

社内報の作成に必要なスキルと知識

せっかく社内報を作成しても、従業員に読まれなければ本来の役割を果たせません。読まれる社内報を作成するには、以下のようなスキルや知識が必要です。

  • 情報収集と編集のスキル
  • デザインとレイアウトの基礎知識

情報収集と編集のスキル

まずは情報収集スキルと編集スキルが必要です。

社内報の大切な役割の一つが、社内の動向をしっかりと従業員に伝えることです。社内報の制作には、社内のさまざまな状況を把握し、情報をキャッチする能力が求められます。社内報の制作担当者は、以下のような手段で情報収集を行いましょう。

  • 社内の会議やミーティングに参加する
  • ビジネスチャットツールのチャンネルに参加する
  • 従業員にインタビューする
  • 情報を集めるための窓口を設置する

また収集した情報をただ並べるだけでは、「読まれる」社内報にはなりません。集めた情報を切り取り、従業員が興味を引くように編集するスキルも求められます。

デザインとレイアウトの基礎知識

またデザインやレイアウトに関する基礎知識も必要です。社内報の場合、出版物のように凝ったデザインにする必要はありませんが、読みやすく分かりやすいレイアウトを意識しましょう。

紙媒体ではなく、Web媒体で社内報を配信する場合は、Webデザインや動画編集のスキルも必要です。

こうしたスキルや知識は、社内報を自社で作成する場合だけでなく、デザイン会社や印刷会社に委託する際にも大切になってきます。また社内報の制作プロセスや流れを知っておくと、相手企業の担当者とスムーズにやりとりすることが可能です。

社内報の制作プロセスと流れ

社内報の制作プロセスを順番に並べると、以下のとおりです。

  1. 社内報のコンセプトを決めて、制作スケジュールを立てる
  2. 社内報の記事のライティングや校正をする
  3. 必要な場合は取材やインタビューを実施する
  4. 写真やイラストも積極的に活用する
  5. 完成した社内報を配信し、社内に周知する
  6. 従業員の反応を分析し、改善策を検討する

ここでは、スケジュールの立て方や、記事のライティング・校正に関するポイントを解説します。

計画とスケジュールの立て方

社内報の制作に当たって、3つのスケジュールを立てましょう。

  • 社内報の全体スケジュール
  • 1ページごとの制作スケジュール
  • 年間の発行スケジュール

まずは社内報の制作プロセスを書き出して、全体の進行を確認してください。その後、社内報のページごとに進行表を作成し、担当者に仕事を割り振っていくと効率的です。

また社内報は定期刊行するのが前提です。年間の発行スケジュールも決めておくと、会議や打ち合わせ、制作期間の大まかな段取りを把握できます。

記事のライティングと校正

社内報のスケジュールが決まったら、記事のライティングを行います。執筆者が他にいる場合は、原稿の内容や文字数、締め切りなどを伝えて原稿執筆を依頼しましょう。

原稿を受け取ったら、誤字脱字や言い回しをチェックし、校正作業を行います。また文字数が大幅にオーバーしていないかどうかも確認してください。文字だらけの社内報は読みづらく、窮屈な印象を読み手に与えてしまいます。

社内報のコンテンツの選定と作成

社内報のコンテンツを充実させるには、取材やインタビューが効果的です。また人目を引く社内報にするため、必要に応じて写真やイラストも取り入れましょう。社内報のコンテンツづくりのポイントを紹介します。

取材とインタビューの方法

取材やインタビューが成功するかどうかは、事前準備が大切だと言われます。まずは取材するテーマやインタビュー相手について、しっかりと下調べしておきましょう。

またインタビューする側だけでなく、インタビューされる側の事前準備も必要です。そのため、取材やインタビューをする前に取材依頼書を作成し、インタビューされる側に渡しておきましょう。

取材依頼書には、企画の要旨はもちろん、インタビュー当日の質問項目も大まかに記載します。取材相手が事前に回答を準備できるため、当日のやりとりがスムーズになります。

写真やイラストの活用方法

読まれる社内報づくりに欠かせないのが、写真やイラストです。写真やイラストを添えることで、文章だけの社内報よりも視覚的に分かりやすく伝えられます。ただし、著作権には十分に注意してください。

特に従業員の紹介や、インタビューを掲載する場合は、状況がひと目で分かるような写真を撮影しましょう。社内報向けの写真を撮影するときは、以下の点に注意すると失敗しづらくなります。

  • 個人を撮影するときは、後で名前が分かるようにネームボードを持った写真を一枚撮る
  • 一枚撮りではなく、後で編集するときに困らないように最低3カット撮影する
  • 同じシーンでも、角度やポーズを変えながら何枚も撮影する

社内報の配信とフィードバック

社内報が完成したら、いよいよ従業員に向けて配信します。社内報の配信後、別のコミュニケーション媒体にもお知らせを掲載し、広く周知することが大切です。また改善が必要なポイントを探すため、社内報を読んだ従業員の反応を分析しましょう。

配信方法と周知活動

社内報の配信方法には、紙媒体とWeb媒体の2種類があります。それぞれメリット・デメリットがあるため、慎重に媒体選びを行ってください。

社内報の配信方法メリットデメリット
紙媒体
  • 手に取ったときに読んでもらえる可能性が高い
  • 年配の従業員は紙媒体に慣れている人が多い
  • 配信後に修正するのが難しい
  • 社内報の効果測定が難しい
  • 誌面に掲載できる情報が限られ、取捨選択が必要
Web媒体
  • 配信後に内容を修正したり更新したりできる
  • 読者の反応をツールで測定できる
  • 動画コンテンツや音声コンテンツも掲載できる
  • 社内報を閲覧できる環境が必要

紙の社内報を発行する場合も、社内ポータルやイントラネットなどを通じて、社内報発行のお知らせをすることをおすすめします。特に従業員が毎日目にする媒体にお知らせを掲載すると、社内報を読んでもらえる可能性が高まります。社内報を発行した後の周知活動についても事前に計画を立てておきましょう。

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読者の反応とフィードバックの受け取り方

社内報は発行したら終わりではありません。社内報の内容に問題はないか、どのコンテンツが良かったか(悪かったか)を分析し、次回に向けて改善する必要があります。

Web媒体の場合、デジタルブックで作成した場合は効果測定を行うことが可能です。

一方、紙媒体の場合、読んでくれた人数などを定量的に把握するのは簡単ではありません。そのため、読者アンケートなどを用いて、実際の読者(従業員)の声から定性的に改善点を探っていくことになります。

社内報の改善と継続的な運営

社内報の改善に役立つのが、読者アンケートです。ここでは、読者アンケートの活用方法や、評価指標の設定方法を解説します。

読者アンケートと評価指標の設定

社内報の改善点を探すには、なるべくたくさんの従業員にアンケートに回答してもらう必要があります。読者アンケートを実施するときは、以下の点に注意してください。

  • 読者アンケートの目的を明確にして、なぜアンケートを実施しているのかが従業員に伝わるようにする
  • アンケートの設問数をなるべく絞って、従業員の負担にならないようにする
  • 読者アンケートの謝礼として、簡単なグッズやノベルティをプレゼントする

こうした工夫によって、読者アンケートの回答率を高めることが可能です。

また社内報の効果を測定するため、事前に評価指標(KPIなど)を決めておくことをおすすめします。例えば、読者アンケートに満足度に関する設問を設け、コンテンツごとの満足度をスコア化する評価方法があります。目標よりもスコアが低いコンテンツがある場合、優先的に改善しましょう。

読者のニーズに合わせた改善策の検討

よりよい社内報を作るために大切なのが、読者のニーズを把握することです。読者にとってメリットのない社内報や、興味のないコンテンツばかり掲載されている社内報はそもそも読まれません。

まずは読者アンケートなどを通じて、読者がどのようなコンテンツに関心を持っているかを知ることが大切です。制作担当者の独りよがりにならないよう、読者目線で社内報を作りましょう。

まとめ

社内報とは、従業員への情報発信を目的とした、社内向けの小冊子やパンフレットのことです。社内報には、経営陣の思い、受賞やメディア展開の報告、従業員紹介、行事・イベントの案内など、社内のさまざまな情報を掲載します。

社内報を発行することで、社内コミュニケーションの活性化や、従業員のモチベーションアップなどの効果が期待できます。

読まれる社内報を制作するには、情報収集スキルや編集スキル、デザインやレイアウトに関する基礎知識など、多岐にわたるスキルや知識が必要です。また全体のスケジュールを立てて、たくさんの人や部署と協力しながらコンテンツを作っていく必要があります。

社内報を自社で制作するのが難しい場合は、デザイン会社や印刷会社への外注も検討しましょう。業務委託なら、デザインから印刷まで、社内報の制作をまとめて依頼することが可能です。

研文社では大手金融機関やメーカーをはじめ、数多くの社内報を制作から印刷及びデジタルブック作成までの豊富な実績がございます。

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