マーケティング担当者の方なら「コンテンツマーケティング」という言葉を聞いたことがあるでしょう。配信期間が終わったら視聴者にアピールできなくなってしまう従来の広告とは異なり、コンテンツマーケティングは、長期的な効果があり広告費が抑えられるというメリットがあります。詳しく知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。
目次
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、見込み顧客が知りたいと思っている事柄について役に立つ情報を、Webを通して提供し、顧客にポジティブな印象をもたせ、最終的には購買行動へつなげることを目的とするマーケティング手法です。
コンテンツマーケティングを行うためには、単に情報を発信するだけでは不十分です。ユーザーにとって有益な情報を豊富に用意することで、好意的な印象を与え、購買へつなげることが重要です。
コンテンツを作成し、自社のホームページや動画コンテンツとしてYouTubeなどを通して発信すると、ユーザーから継続的にアクセスを得られます。そして、作成したコンテンツは、期間が過ぎれば掲載が終わってしまう広告と違って、資産として蓄積されていきます。
そのため、コンテンツの作成を続けるにつれて、コンテンツマーケティングの費用対効果は高まっていきます。長期的に広告費の削減につなげられるという点が、コンテンツマーケティングの大きなメリットです。
コンテンツマーケティングの必要性
現代社会において、スマートフォンを持っていない人はほとんどいないと言っても過言ではありません。
スマートフォンが広まるにつれ、人々の情報収集手段に変化が表れます。テレビを中心とした受動的な情報収集より、自分の知りたい情報へ能動的にアクセスする方法をとる消費者が増えていきました。
そのような社会の変化を背景に、価値のある情報を提供して消費者へ働き掛けていくコンテンツマーケティングの必要性は高まっています。コンテンツマーケティングがなぜ求められるのか、その必要性としては以下のようなものが挙げられます。
①顧客や消費者のニーズが多様化しているから
インターネットが普及し、膨大な情報に触れられるようになったことで、消費者はよりピンポイントで自分の好みに合う商品を探すことが可能になりました。今までは顕在化しなかった多様なニーズが表に出るようになり、それに応えるべく商品も多様化しています。
消費者のニーズと商品をマッチングさせるハードルが高くなるなか、消費者が求める情報を提供し購買行動へとつなげていくコンテンツマーケティングの有用性に注目が集まっています。
②広告以外で集客の仕組みづくりができるから
若者のテレビ離れが進み、テレビCMの効果は昔に比べると期待できなくなってきています。一方、WEB広告は、2019年にテレビの広告費を抜いて、広告媒体として最も使われるようになりました。そして近年、インターネット広告市場規模は右肩上がりに増えています。これは、WEB広告の競争が激化していることを意味します。
飽和状態にあるWEB広告とは別の集客方法として、コンテンツマーケティングが求められるようになりました。自動的に表示されるWEB広告は、スキップされて消費者に認識してもらえないおそれがあります。一方コンテンツマーケティングは、消費者が能動的に求める情報に応える形でアプローチできるので、消費者にポジティブな印象を与えられ、将来的に購買行動へつながりやすくなるという効果が期待できます。
③ユーザーに嫌われないマーケティングができるから
見たくない広告が頻繁に表示されて嫌な思いをしたことがあるという方は少なくないでしょう。顧客を獲得するために行う広告で、ユーザーに嫌われてしまっては本末転倒です。
コンテンツマーケティングは、従来のプッシュ型マーケティングとは異なり、ユーザーに役立つ情報を提供することで興味関心を得るプル型のマーケティングです。一方的な押し付けではなく、相手の必要とするものを提供し、接触を待つ姿勢であるため、ユーザーに嫌われないマーケティングができるという特徴があります。
特に取り組むべき企業
コンテンツマーケティングはその特性から、向いている企業と向いていない企業があります。導入により高い効果が期待できる企業としては、「BtoB企業・高単価BtoC企業」と「オンラインで完結できる商品を扱う企業」が挙げられます。
BtoB企業・高単価BtoC企業
一般的に高価な商品・サービスを扱うことが多いBtoB企業や、BtoC企業のなかでも高単価な商品を取り扱う企業は、コンテンツマーケティングが有効です。価格が高い商品の購入を検討するユーザーは、安価な商品を購入するときと比較して、時間をかけて情報を集め、じっくりと検討する傾向があるためです。
情報を求める際、ユーザーの多くは検索をしてインターネットから情報収集します。コンテンツマーケティングを行いユーザーに役立つ情報を発信することで、商品購入を検討しているユーザーとの接点が構築されます。さらに、コンテンツを充実させていくことで、顧客接点の強化も可能です。
コンテンツマーケティングでは、見込み顧客となる可能性が高いユーザーと接点を構築しやすいという特徴があります。コンテンツマーケティングを通して接点を得たユーザーは、何かしらの悩みや問題があって検索をした結果、自社が作成したコンテンツにたどり着いたユーザーです。その悩みや問題を解消できるようなコンテンツを用意できれば、ポジティブな印象を与えられます。その上で自社の商品やサービスの魅力を伝えることにより、見込み顧客獲得の可能性が高まります。
オンラインで完結できる商品を扱うBtoC
一般的にBtoCでは、自分自身か家族など身近な存在のみの意思決定により購買が決定されます。そのため、情報を吟味し社内で意思決定を図るBtoBと比較して、購入までにかかる時間が短いという特徴があります。オンラインで完結できる商品であれば、購入までにかかる時間はさらに短くなります。
インターネットから情報を得る人が増えてきた昨今では、消費者の購買プロセスの一つとして「AISAS」と呼ばれるモデルなどが使われています。AISASとは、Attention(認知)、Interest(興味)、Search(検索)、Action(購入)、Share(共有)それぞれの頭文字をつなげた言葉です。商品を認知し、興味をもち、検索して、購入するという一連の流れがオンラインで完結できる商品の特徴であり、売り上げに多大な影響を与えます。
このような商品を取り扱う企業は、商品の認知度を高め顧客の獲得につなげやすいコンテンツマーケティングとの親和性が高い傾向にあります。充実したコンテンツによりユーザーを集め、認知を得るとともに商品やブランドの魅力をアピールすることで、成果につながります。
注意点:成果まで時間がかかる取り組みであること
コンテンツマーケティングは、成果が出るまでに時間がかかる取り組みであるという認識をもつことが重要です。掲載してすぐに反応を得られることもある広告とは、この点で大きく異なります。
コンテンツマーケティングは、一般的に成果が出るまで早い場合でも導入から3ヶ月から半年ほどかかります。これは、検索エンジンに価値のある情報だと認められて検索結果の上位に表示されるようになるまで、3ヶ月から半年ほどの時間を要することが一因です。アクセス数が少なく成果が感じられないこの期間でも、諦めず良質なコンテンツを作り続けることが求められます。
ユーザーにとって有用性の高いコンテンツが増え、一定の時間が経過すると、検索エンジンからの評価を得られ、検索結果で上位に表示されるようになります。しかし、検索上位となり人々の目に触れるようになったといっても、すぐに成果が出るとは限りません。売り上げなどの成果につながるまでには、また時間がかかるでしょう。
成果が上がらないからといって、途中でコンテンツマーケティングを投げ出してしまっては、それまでの努力が無駄になってしまいます。コンテンツマーケティングを導入する際は、中長期的な視点で収益獲得を目指すマーケティング手法だという認識を、担当者だけでなく経営層もしっかりと持つことが重要です。
まとめ
継続するにつれて費用対効果が高まっていくという特徴を持ち、広告費の削減が期待できるコンテンツマーケティングは、近年必要性が高まっています。成果が出るまでに時間がかかるマーケティング手法であるため、コンテンツマーケティングに興味のある方は、早めに導入の検討を始めてみてはいかがでしょうか。
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