インターネットの普及によって消費者の趣味嗜好が多様化したことで、マーケティングにおいて従来の1対不特定多数のマスへの広告・プロモーションよりも、消費者の多様な価値観やライフスタイルに合わせ、顧客一人ひとりにパーソナライズされた“One to Oneの広告・プロモーション”が重要視されています。
そんな顧客一人ひとりにパーソナライズされたマーケティングを実現するための手段として、顧客の属性をデータで分析し、商品やサービスを”直接的”に訴求する「ダイレクトマーケティング」が注目を集めているのはご存じでしょうか?
そこで本記事では、ダイレクトマーケティングの代表例であるDMやメールマーケティングなどを取り組んでいる弊社の観点から、ダイレクトマーケティングのメリット・デメリットや手法だけでなく、成功させるポイントもわかりやすく解説します。
「ダイレクトマーケティングは聞いたことあるけど、詳細はよくわかっていない」
「ダイレクトマーケティングを実施しているけど、イマイチ効果が出ない」
「ダイレクトマーケティングの活用事例を知りたい」
上記のような方は参考になるかと思うので、ぜひご覧ください。
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目次
ダイレクトマーケティングとは?
ダイレクトマーケティング(Direct marketing)とは、企業と顧客が直接的にコミュニケーションをとり、商品やサービスの販売促進を行うマーケティング手法を指します。
米国のダイレクトマーケティング協会(現在はデータ&マーケティング協会に改称)は、ダイレクトマーケティングを以下の通り定義しています。
1つかそれ以上の広告メディアを利用し、データとして測定可能なレスポンスや取引を獲得する双方向的なマーケティングの方式のこと
引用:https://www.referenceforbusiness.com/small/Co-Di/Direct-Marketing.html
この定義を細かく解釈すると、ダイレクトマーケティングの特徴は以下の3つに分けることができます。
- メディアを通じ企業と顧客が双方向的な関係を築くこと
- 商品購入や資料請求など顧客に具体的なレスポンスを促すこと
- 顧客のレスポンスを分析しデータ化すること
また、ダイレクトマーケティングの対義語としては、テレビCMや新聞の折込広告などのマスマーケティング(Mass marketing)があります。
不特定多数の顧客をターゲットとするマスマーケティングに対し、ダイレクトマーケティングではターゲットの属性を分析し、顧客一人ひとりにパーソナライズされた広告やプロモーションを打ち出すのが特徴です。
マスマーケティングとの違い
ダイレクトマーケティングとマスマーケティングは、いずれもマーケティング手法の1つですが、そのアプローチや目的には大きな違いがあります。ここでは、両者の違いを詳しく解説します。
ターゲットの範囲
ダイレクトマーケティング
ダイレクトマーケティングは、特定のターゲット層に焦点を当てたマーケティング手法です。
顧客データや購買履歴、行動データを基に、特定のニーズや興味関心を持つ顧客に対してパーソナライズされたメッセージを送ります。
これにより、顧客一人ひとりに合わせたアプローチが可能となり、より高いエンゲージメントを実現します。
マスマーケティング
一方で、マスマーケティングは広範な不特定多数の顧客を対象とする手法です。
テレビCM、ラジオ広告、新聞の折込広告などを利用し、大量の消費者に一斉に情報を提供します。
ターゲットの絞り込みがないため、多くの潜在顧客にリーチできますが、個々のニーズには応えにくい傾向があります。
コミュニケーションの方法
ダイレクトマーケティング
ダイレクトマーケティングは、顧客との双方向のコミュニケーションを重視します。
メールマーケティングやソーシャルメディア、SNSなどを活用し、顧客からのレスポンスやフィードバックを収集し、自社のマーケティング戦略に反映させます。
このように顧客とのインタラクティブな関係を築くことで、顧客満足度を高め、ロイヤルカスタマーへと育てることが可能です。
マスマーケティング
マスマーケティングは一般的に一方向のコミュニケーションです。
広告を通じて一方的に情報を発信し、反応を直接的にフィードバックとして取り込むことは難しいです。
そのため、マスマーケティングではブランドの認知度や商品の知名度を高めることが主な目的となります。
効果測定
ダイレクトマーケティング
ダイレクトマーケティングでは、顧客のレスポンスがデータとして測定可能です。
例えば、メールの開封率、クリック率、コンバージョン率といった具体的な指標を追跡し、キャンペーンの効果をリアルタイムで分析することができます。
この効果測定により、マーケティング戦略を柔軟に最適化することが可能です。
マスマーケティング
一方、マスマーケティングは効果測定が難しいという特徴があります。
テレビCMや新聞広告の視聴率や読者数は推定値であり、直接の反応を測定するのが難しいため、ROI(投資対効果)の把握が困難です。
広告の効果を評価するには、長期的な視点でブランド認知度や市場シェアの動向を観察する必要があります。
コスト
ダイレクトマーケティング
ダイレクトマーケティングは、初期の顧客データの収集や分析にはコストがかかるものの、個別のアプローチが可能であるため、長期的には効率的な投資となりえます。
顧客のニーズに特化したマーケティングができるため、高いROIが期待できます。
マスマーケティング
一方、マスマーケティングは大規模な広告キャンペーンを必要とし、そのコストは非常に高額です。
しかし、ターゲットが広範囲であるため、一度に多くの消費者にリーチできるメリットがあります。
大量の広告予算を投入することで、短期間でのブランド認知度向上が期待されます。
ダイレクトマーケティングとマスマーケティングは、それぞれ異なる特性と長所を持っています。
特定の顧客に対してパーソナライズされたメッセージを届け、効果的なフィードバックを収集できるダイレクトマーケティングと、広範なターゲットに一斉に情報を提供し、短期間での認知度向上が可能なマスマーケティング。
自社のマーケティング目標やリソースに応じて、適切な手法を選択し、最大の効果を引き出すことが重要です。
ダイレクトマーケティング7つのメリット
従来のマーケティング手法と比べて、ダイレクトマーケティングはどのような点で優れているのでしょうか。ダイレクトマーケティングには以下の7つのメリットがあります。
- メリット①:費用対効果が高い
- メリット②:PDCAサイクルを回しやすい
- メリット③:事業拡大の可能性をUPできる
- メリット④:安定した収益化が可能
- メリット⑤:効果を測定できる
- メリット⑥:双方向のコミュニケーションがとれる
- メリット⑦:少人数でも実行可能
それぞれ解説していきます。
メリット①:費用対効果が高い
ダイレクトマーケティングはあらかじめターゲットを絞り込み、特定の顧客のみに広告を配信するマーケティング手法で、 商品やサービスに興味関心を持っている顧客が多いため、広告費用に対する効果が高くなります。
費用対効果が高いということは、大企業だけでなく中小企業やベンチャー企業にも適しているといえます。
メリット②:PDCAサイクルを回しやすい
ダイレクトマーケティングの特徴として、「顧客のレスポンスを分析しデータ化すること」を挙げました。
例えば、セールや新商品の情報をEメールで配信する場合、メール内のURLのクリック数を計測すれば、顧客のおおよそのレスポンスがわかりますし、紙媒体のDMでもQRコードを設置することでレスポンスが数値として可視化できます。
このように効果測定が容易で、PDCAサイクルを回して広告やプロモーションの内容を改善・最適化しやすい点もダイレクトマーケティングのメリットです。
メリット③:事業拡大の可能性をUPできる
一般的なBtoB営業やBtoC営業の場合、事業拡大には営業部門の増員や多店舗展開が必要になります。
しかし、ダイレクトマーケティングは営業社員や店舗スタッフではなく、メディアを通じて顧客とコミュニケーションをとるため、事業拡大しやすいメリットがあります。
また、DMの発送業務やコールセンター業務はアウトソーシングが容易なため、少ない人員でも事業拡大を目指せることも大きな要因です。
メリット④:安定した収益化が可能
ダイレクトマーケティングは安定した収益化が可能なビジネスモデルです。DMやメールの配信を通じて、顧客リストやレスポンス内容をデータベースに積み重ねることで、継続的な収入を得る「ストック型ビジネス」の仕組みを生み出すことも可能です。
メリット⑤:効果を測定できる
ダイレクトマーケティングの大きな利点は、マーケティング活動の効果を正確に測定できる点にあります。
具体的には、各キャンペーンの反応率やコンバージョン率、クリック率などをデータとして収集し、分析することが可能です。
例えば、Eメールマーケティングの場合、開封率、クリック率、購入率などの指標を追跡することで、どのコンテンツやオファーが効果的であるかを明確に把握できます。
同様に、ダイレクトメールやSNSキャンペーンにおいても、QRコードやカスタムURLを使用することで顧客の反応を測定できます。
このようなデータを基に、次回のキャンペーンを最適化するためのインサイトが得られるため、投資対効果(ROI)を最大化することが可能です。
効果測定が容易であるため、中小企業やスタートアップ企業でも効率的にマーケティング活動を展開できます。
メリット⑥:双方向のコミュニケーションがとれる
ダイレクトマーケティングは、企業と顧客の間で双方向のコミュニケーションを実現する手段にもなります。
顧客が商品やサービスに対して直接フィードバックを返すことができるため、企業は顧客ニーズや市場のトレンドをリアルタイムで把握することができます。
例えば、メールマーケティングでは、顧客からの返信を促すようなキャンペーンを展開することが可能です。
ソーシャルメディアマーケティングにおいても、コメントやメッセージを通じて顧客とのインタラクションを図ることができます。
これにより、顧客の声を迅速に反映させた改善策を講じることができ、顧客満足度の向上にもつながります。
双方向のコミュニケーションが可能であることは、顧客との絆を深め、信頼関係の構築を促進します。
結果として、顧客のリピート購入やロイヤリティが増し、長期的な収益につながるのです。
メリット⑦:少人数でも実行可能
ダイレクトマーケティングは、大規模なマーケティングチームを持たずとも実行可能です。
特にEメールマーケティングやSNSキャンペーンなどは、比較的少人数で運営することができ、小規模な企業やスタートアップにとって大きなメリットとなります。
具体的には、マーケティングオートメーションツールやCRM(顧客関係管理)システムを活用することで、少人数でも効率的にキャンペーンを運営できます。
これにより、人手不足を感じることなく、効果的なマーケティング活動が実現します。
また、アウトソーシングの選択肢も多く、DM発送やコールセンター業務を外部に委託することで、さらに人員を効率的に活用することが可能です。
これにより、コストを抑えながらも効果的なマーケティング活動を展開することができます。
ダイレクトマーケティングには多くのメリットがあり、特に費用対効果の高さやPDCAサイクルの容易さ、双方向のコミュニケーション能力、少人数での実行可能性などが挙げられます。
これらのメリットをうまく活用することで、企業は効率的にマーケティング活動を展開し、安定した収益化を実現できるでしょう。
顧客との信頼関係を築きながら、事業拡大を目指すための強力な手法として、ダイレクトマーケティングを活用することを考えてみてください。
ダイレクトマーケティング4つのデメリット
大きなメリットをもたらすダイレクトマーケティングですが、デメリットがないわけではありません。主なデメリットは以下の4つです。
- デメリット①:収益化まで時間・コストがかかる
- デメリット②:ターゲットに適した手法にする必要がある
- デメリット③:専門知識やノウハウが必要
- デメリット④:ユーザーの理解やコミュニケーション設計が難しい
こちらも詳しく見ていきましょう。
デメリット①:収益化まで時間・コストがかかる
ダイレクトマーケティングを軌道に乗せるには、膨大な顧客リストを獲得し顧客一人ひとりの趣味嗜好をデータベース化する必要があります。
そのため、顧客情報をデータベース化するためのシステムであるCRMや、メール配信するためのシステムの導入コスト、DMの作成・印刷のコストなどがかかります。
また、商品やサービスによっては、初期費用を回収し損益分岐点を越えるまで時間がかかる可能性もあります。
デメリット②:ターゲットに適した手法にする必要がある
ダイレクトマーケティングを成功させるには、ターゲットに合わせて広告やプロモーションの内容や広告媒体をカスタマイズする必要があります。
例えば、シニア世代がターゲットであるにもかかわらず、メインユーザーが10代のTikTokでダイレクトマーケティングを展開しても効果は得られないことはご想像いただけるかと思います。
しっかりと顧客データを分析し、ターゲットに適した手法を粘り強く検証していく必要があります。
デメリット③:専門知識やノウハウが必要
ダイレクトマーケティングを効果的に実施するには、特定の専門知識やノウハウが不可欠です。
マーケティング戦略の立案から顧客データの分析、ターゲティング、メッセージのパーソナライズ、そして効果測定まで、多岐にわたるスキルが求められます。
まず、顧客データの収集と分析には、CRMシステムやマーケティングオートメーションツールの知識が必要です。これらのツールを使いこなすことで、顧客の行動や購買履歴を正確に把握し、ターゲットとなる顧客に最適なメッセージを送ることが可能になります。
さらに、メールマーケティングやSNSキャンペーンなどの具体的な施策を効果的に実行するためには、それぞれのチャネルに特化したノウハウも必要です。例えば、メールの開封率やクリック率を向上させるためのコピーライティング技術や、SNSでの拡散を狙ったコンテンツ制作技術などです。
これらの専門知識やノウハウがなければ、ダイレクトマーケティングの本来の効果を引き出すことが難しくなるため、専門スタッフの採用や外部コンサルタントの活用を検討する必要があります。
デメリット④:ユーザーの理解やコミュニケーション設計が難しい
ダイレクトマーケティングにおいては、ターゲットとなるユーザーの深い理解と、それに基づく精緻なコミュニケーション設計が求められます。しかし、このプロセスは非常に手間がかかり、難易度が高いといえます。
ユーザーの理解のためには、詳細な顧客データの分析が欠かせません。
これには、購買履歴やウェブサイトの訪問履歴、アンケート結果などを基にした行動パターンの把握が含まれます。これらのデータを正確に分析し、顧客のニーズや嗜好を浮き彫りにすることが求められますが、複雑なデータ解析には高い専門性が必要です。
さらに、ユーザーに合わせたコミュニケーション設計も重要です。
例えば、メールの文面やキャンペーンの内容を顧客の属性や過去の行動に基づいてカスタマイズする必要があります。適切なタイミングで、適切なメッセージを送ることで、効果的なエンゲージメントが期待できます。しかし、このプロセスは試行錯誤を伴い、継続的な最適化が必要です。
また、ユーザーの多様な反応に対応するための柔軟性も求められます。
一部のユーザーはプライバシーに敏感であり、過剰なパーソナライズに嫌悪感を示すこともあるため、デリケートなバランスを保つことが重要です。
以上のように、ユーザーの理解やコミュニケーション設計の難しさは、ダイレクトマーケティングの大きな課題となります。しかし、この課題をクリアすることで、高い成果を得ることができるため、努力を惜しまず取り組む価値があります。
ダイレクトマーケティングの7つの手法
ダイレクトマーケティングの手法は大きく分けて以下の7種類あります。
- 手法①:DM(ダイレクトメール)
- 手法②:メール配信(メールマーケティング)
- 手法③:SNSマーケティング
- 手法④:チャット機能
- 手法⑤:テレマーケティング
- 手法⑥:レコメンデーション
- 手法⑦:商品への封入・同梱物
従来はDMなどのアナログメディアが中心でしたが、近年はインターネットの普及により、EメールやSNS、チャットツールなどのデジタルを活用したダイレクトマーケティングも顕著になってきています。
これらダイレクトマーケティングの7つの手法の特徴をわかりやすく解説します。
手法①:DM(ダイレクトメール)
DMはもっとも一般的で幅広く活用されているダイレクトマーケティングの手法です。あらかじめ取得してある顧客リストに基づいて、興味関心が近い顧客や居住地域が近い顧客にDMを送ることで、高い開封率や閲読率が期待できます。
いまさらDMは効果あるのか?と、懐疑的な方もいらっしゃるかもしれませんが、「ダイレクトメール(DM)とは?メリット・デメリットや効果をアップさせる方法も解説します!」でも解説している通り、“ターゲティングDM”や顧客一人ひとりの趣味嗜好に合った”パーソナライズDM”の開封率・反応率は非常に高く、DMはまだまだ有効であることがわかります。
アナログな手法と思われがちなDMですが、インターネットが主流の今だからこそ、顧客と直接コミュニケーションをとるダイレクトマーケティングの中でも有効な手段として多くの企業で活用されています。
手法②:メール配信(メールマーケティング)
メールマーケティングとは、Eメールで情報発信を行い、購買行動を促す手法で、1通あたりの送信費用が安価なためコストパフォーマンスがとても優れています。
代表的なメールマーケティングの手法として、購読者にお役立ち情報を配信するメールマガジンや、や、あらかじめシナリオを作っておき、顧客の行動によって最適な内容のメール配信をすることで購買心理を刺激するステップメールなどがあります。
メールマーケティングを行う方法としては、費用をかけられないのであれば手動で行うこともできますが、メール配信ツールやMA(マーケティングオートメーション)などのツールを駆使することで、負担を軽減しながら効果的かつ、効率的なメールマーケティングが実現できます。
ちなみに、よく「DM」と「メール」は比較されることが多いですが、どちらが効果あるのかについて解説した「メルマガとDMの違いとは?6つの観点から徹底比較!」もあわせてご覧いただけるとより理解が深まるかと思いますので、気になる方はぜひご覧ください。
手法③:SNSマーケティング
SNSマーケティングは、SNS上で顧客との双方向的なコミュニケーションに重点を置いたマーケティング手法です。活用されているSNSの主な種類としてはLINE、X(旧Twitter)、Facebook、Instagram、TikTok、LinkedInなどのSNSが挙げられます。
SNSの投稿機能で情報を発信したりするのはもちろん、SNSの大きな特徴でもある、フォロワーと直接的なコミュニケーションを行うことで、自社のファンを育成するのがSNSマーケティングの狙いの1つです。
一方で、SNSによってメインユーザー層が異なるため、ターゲットに合わせたSNS媒体を選定する必要があります。
手法④:チャット機能
自動で応答を可能にするチャットツールを活用し、顧客に直接働きかけるダイレクトマーケティング手法もあります。特にECサイトで活用されていることが多く、顧客からの問い合わせへの回答や、顧客に合った商品やサービスをレコメンドする使い方が一般的です。
チャットツールを導入すれば、24時間365日顧客とコミュニケーションをとることが可能なため、コミュニケーションの質のUPが期待できます。
手法⑤:テレマーケティング
テレマーケティングは通信販売の普及によって登場したマーケティング手法です。電話やFAXを通じて、顧客の問い合わせに回答したり、商品やサービスの購入を受け付けたりします。
顧客とオペレーターが直接コミュニケーションをとることができるのがテレマーケティングの強みであり、コールセンターやオペレーターによる顧客満足度を高めれば、企業イメージの向上にもつながります。
また、BtoBにおいてもインサイドセールスなどの非対面の営業活動などを中心に活用されているケースが多い、ダイレクトマーケティングの手法の1つです。
手法⑥:レコメンデーション
レコメンデーションとは、顧客の過去の購買履歴や閲覧履歴などを基に、顧客が興味を持ちそうな商品やサービスを自動的に提案する手法です。特にECサイトで広く活用されており、顧客の好みや行動パターンを分析して、パーソナライズされたおすすめ商品を表示します。
レコメンデーションの大きなメリットは、顧客が求めている商品を的確に提示することで、購入意欲を高める点にあります。例えば、ある顧客がスポーツ用品を頻繁に購入している場合、その顧客に新製品のスポーツ用品や関連商品をおすすめすることで、クロスセルやアップセルの機会を増やすことが可能です。
また、AIや機械学習を活用したレコメンデーションエンジンを導入することで、リアルタイムで顧客の嗜好を把握し、瞬時に最適な提案を行うことができます。これにより、顧客体験の向上とともに売上の増加が期待できます。
手法⑦:商品への封入・同梱物
商品への封入や同梱物を活用したダイレクトマーケティングの手法もあります。これは、商品を発送する際にカタログやクーポン、案内状などを同梱することで、顧客に追加情報を提供したり、再購入を促したりする方法です。
封入・同梱物のメリットは、既存顧客に直接リーチできることです。
商品と一緒に届くため、高い開封率が期待でき、顧客にとっても自然な形で新しい情報を受け取ることができます。
例えば、新商品のカタログを同梱することで、既存の顧客に対してクロスセルの機会を提供したり、次回購入時に利用できる割引クーポンを封入することで、リピート購入を促したりすることができます。
この方法は特に、ECサイトや通信販売を行っている企業にとって、有効なダイレクトマーケティング手法の1つといえるでしょう。
ダイレクトマーケティング実施ステップ
ダイレクトマーケティングを効果的に実施するためには、明確なステップを踏むことが重要です。
以下のステップを参考に、計画的にダイレクトマーケティングを展開しましょう。
- STEP1. 目的を決める
- STEP2. ターゲットを決める
- STEP3. コミュニケーション内容や手段を検討する
- STEP4. コミュニケーション媒体の準備・制作・実行
- STEP5. 効果検証と改善
STEP1. 目的を決める
最初に、ダイレクトマーケティングの目的を明確に設定します。
例えば、新商品の認知度向上、顧客リストの拡大、既存顧客のリピート購入促進など、具体的な目標を設定することで、効果的な戦略を立てることができます。
このステップでは、KPI(重要指標)も併せて設定し、後の効果測定に役立てます。
STEP2. ターゲットを決める
次に、ターゲットとなる顧客層を明確に設定します。
年齢、性別、地域、購買履歴など、様々なデータを基にターゲットセグメントを特定し、そのセグメントに最適なメッセージを設計します。
ターゲット設定は、マーケティングの効果を最大化するための重要な要素ですので、細かく分析することが求められます。
STEP3. コミュニケーション内容や手段を検討する
ターゲットが定まったら、次はそのターゲットに対してどのようなコミュニケーションを行うかを検討します。
例えば、Eメール、DM、SNS、チャットツール、テレマーケティングなど、最適な手段を選びます。また、メッセージ内容も重要です。
ターゲットのニーズや悩みを解決する具体的な提案やオファーを含めることで、効果的なコミュニケーションが可能になります。
STEP4. コミュニケーション媒体の準備・制作・実行
コミュニケーション内容と手段が決まったら、実際にそれを実行するための媒体を準備します。
Eメールならメールテンプレートを作成し、DMなら印刷物を準備し、SNSなら投稿内容を計画し、チャットツールならスクリプトを用意します。
全ての準備が整ったら、計画に基づいて実行します。
STEP5. 効果検証と改善
ダイレクトマーケティングを実施した後は、その効果を正確に検証することが重要です。
設定したKPIに基づき、開封率、クリック率、コンバージョン率などを分析し、目標達成度を確認します。
効果が低かった場合は、その原因を分析し、次回の施策に反映させるための改善策を講じます。
このPDCAサイクルを回しながら、マーケティング活動を最適化していきます。
以上のステップを踏むことで、ダイレクトマーケティングの効果を最大限に引き出し、ビジネスの成長につなげることが可能です。
ダイレクトマーケティングが向いている業種
結論から申し上げると、ダイレクトマーケティングは基本的には全ての業種で活用できます。
アパレル、食品、化粧品、教育、金融サービス、BtoC・BtoB問わず幅広い業界や業種で採用されていますが、その中でも特にダイレクトマーケティングが向いている業種があるとすれば「EC」です。
ECというとBtoCのイメージが強いかもしれませんが、市場規模が拡大しているBtoBのECも対象となります。
ECは顧客の登録情報や購買履歴などのデータを取得し、ターゲットの趣味嗜好を容易に知ることができるため、取得した顧客データに基づいて、パーソナライズされた広告の配信や、趣味嗜好に合った商品のレコメンドを行うことができ、顧客の購買行動を促すことが可能になります。
こういったことからも、特にダイレクトマーケティングが向いている業種は「EC」であるといえるでしょう。
ダイレクトマーケティングの活用事例
ダイレクトマーケティングの手法を初めて導入する方は、自社ではどのように活用すればいいのか不安に思う方もいるかと思います。
そんなときは企業の成功事例を参考にするとイメージがわきやすくなるでしょう。ここではBtoB、BtoCそれぞれの活用事例を紹介します。
BtoCでのダイレクトマーケティングの活用事例
ダイレクトマーケティングの手法が広く普及しているのが、一般消費者を対象としたBtoCの分野です。
運送会社の事例では、宅配便の再配達が増加し、配達員の長時間労働が慢性化していることが課題となっていました。
そこで、LINEと自社システムを連携させ、簡単に再配達の手続きをできるようにした結果、再配達件数の減少につながりました。
BtoBでのダイレクトマーケティングの活用事例
ダイレクトマーケティングはBtoBの分野でも大いに活用されています。
例えば、工具・計器メーカーの事例では、製品を模した原寸大のリーフレットを作成し、製品の特徴が直感的に伝わるように工夫しDMを実施しました。
そうしてDMをリニューアルし、DMを実施した結果、昨年比で問い合わせ数や販売数が増加し、過去最高益を達成することができました。
ダイレクトマーケティングを成功させるポイント
ダイレクトマーケティングを成功させるポイントは、顧客データをいかに活用し、顧客と双方向的で密接な関係を構築できるかという点にあります。そして、成功させるために押さえておくべきポイントは以下の3点です。
- 顧客の購入履歴や問い合わせ履歴を取得しデータベース化する
- 顧客データを分析しターゲッティングや優良顧客の精査を行う
- 顧客をセグメント化しプロモーションすべき顧客層を発見する
まず、ダイレクトマーケティングを実施するための大前提となる、顧客情報のデータベース化が必要不可欠になりますが、その際は顧客管理システム(CRM)などのツールを利用することが一般的です。
この顧客管理システム(CRM)があると、ダイレクトマーケティングの基盤となる購入履歴や問い合わせ履歴を蓄積・集約し一元管理できるためです。
そして、顧客管理システム(CRM)に蓄積されている顧客データを蓄積するだけでなく、分析を行い優良顧客の精査をしていくと、プロモーション効果が高そうな顧客層を発見することができます。
これらのポイントをおさえることで、ダイレクトマーケティングで重要となる「顧客一人ひとりにパーソナライズされた情報を発信」や「顧客と双方向的で密接な関係を構築」することができるので、ダイレクトマーケティングの成功および成果をUPする可能性を高めることができるでしょう。
まとめ
ダイレクトマーケティングは、企業と顧客がメディアを通じて双方向的な関係を築き、商品やサービスを訴求するマーケティング手法です。
そんなダイレクトマーケティングの代表的な手法としては、従来から使われてきたダイレクトメールやテレマーケティング、インターネットの普及によって登場したSNSマーケティングやメールマーケティング、チャットツールを活用したマーケティングなどがありましたね。
そして、ダイレクトマーケティングを成功させるポイントは、顧客データを分析しターゲットに対してパーソナライズされた広告の配信やプロモーションを実施することが重要なカギとなるので、ダイレクトマーケティング施策を行う際は覚えておきましょう。
実際のダイレクトマーケティング成功事例として、弊社がDM大賞銅賞をいただいた際の施策もヒントになるかと思うので、以下のバナー画像から資料を無料ダウンロードしてぜひ参考にしてみてください。