UCD(ユニバーサルコミュニケーションデザイン)

UCD(ユニバーサルコミュニケーションデザイン)とは

ユニバーサルコミュニケーションデザインとは「情報の送り手と受け手の間にある障壁を取り除き、伝達効率を高めるためのデザイン」です。また、「その結果得られる相互信頼の充実した状態」のことも指しています。
「ユニバーサルデザイン」という言葉は、みなさん聞き覚えがあると思います。「できるだけ多くの人が使いやすいデザイン」という意味です。
「ユニバーサルデザイン」は、主に施設やプロダクト(製品)において追求されてきました。この流れを踏まえたうえで、情報そのものに対してもユニバーサルデザインの考え方を発展させ、情報の送り手と受け手の伝達効率をもっと高められないかと考えたのが、ユニバーサルコミュニケーションデザイン(UCD)です。

メディアの多様化で便利さとスピードを手に入れた反面、私たちの身の回りには、目にしなくてはならない情報、読まなければならない情報が圧倒的に増えてしまいました。
その結果、情報が正しく伝わらないことによるトラブルが社会課題となっています。
私たちは、このユニバーサルコミュニケーションデザインの考え方を用いて、情報伝達に関わる社会課題の解決に取り組んでいます。

  • *UCDA 2級講座テキストより抜粋

UCDAの窓口

UCDA(一般社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会)は、情報の伝わりやすさの普及を目指して設立された第三者機関です。保険・金融商品のパンフレット、食品・医薬品のパッケージ表示など人々の生命・財産・健康に関わる重要な情報が「見やすく、わかりやすく、伝わりやすく」デザインされているかを評価・認証しています。研文社はUCDAの窓口として、ドキュメントの客観的な評価・分析、そして認証代行サービスをおこなっています。カタログ・マニュアル・DM・帳票・申込書等の課題は、研文社のUCDソリューションにお任せください。

UCDA認証

UCDA認証は、第三者が客観的に「わかりやすさ」を保証するための認証制度です。その基準となる「わかりやすさ」とは、「わかりにくさの原因」を取り除いた状態であること。情報量、文字の組み方、色の組合せなど「わかりにくさの原因」を明らかにすることで「わかりやすく改善する」ことが可能になりました。なおUCDA認証には、デザインの「見やすさ」を認証する①「見やすいデザイン」認証と、ユーザーの理解度まで検証して「伝わりやすさ」を認証する②「伝わるデザイン」認証の2種類があります。

①「見やすいデザイン」認証の評価項目

申請者が、専用アプリケーションを用いて以下の3項目を測定評価し、UCDAの審査を通れば、認証が付与されます。

1.情報量
情報量として適切か
2.フォント
文字の読みやすさ、可読性への配慮
3.色彩設計
識別しやすい色使い、多様な色覚ユーザーへの配慮

②「伝わるデザイン」認証の評価項目

「伝わるデザイン」は、想定ユーザー(生活者)と高度な知見・経験をもつ専門家が評価します。対象物の内容にあわせて評価ガイドラインが選定され、生活者によるユーザーテスト*1や、専門家によるDC9ヒューリスティック評価*2などを経て、UCDAが評価レポートを作成。問題点が改善され認証審査に合格すると「伝わるデザイン」認証が付与されます。

  • *1:ユーザーテストは、対象物によっては実施されない場合もあります。
  • *2:DC9ヒューリスティック評価とは、以下の9項目を3段階で評価し、わかりにくさを定量化する方法で、2013年に特許を取得しています。

情報量

タスク

テキスト(文意)

レイアウト

タイポグラフィ(文字)

色彩設計

マーク・図表

記入(入力)欄

使用上の問題

詳しくはUCDAのwebサイト「UCDA認証とは」を参照ください。

ユーザビリティテスト+UCD改善

工業製品、印刷物、Webサイトなどの使いやすさ(ユーザビリティ)を、実際にユーザーに使ってもらうことで確認するテストです。テストを2回実施するだけで、制作中の製品やWebサイトが抱えている欠点の半数が発見できるともいわれています。

【効果】

  • 自分たちでは気付くことができなかった問題点を発見できる
  • 開発メンバーにユーザーの実際の迷いや行動を見てもらうことで、ユーザーの理解度を共有できる
  • 問題点が明確になり、設計変更を効果的に行うことができる
アプリの操作に関するユーザビリティテストの流れ
アプリの操作に関するユーザビリティテストの流れ